相続した土地の名義変更を8ステップで解説!3年以内に行おう

相続した土地の名義変更
この記事の監修者
弁護士西村学

弁護士 西村 学

弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授

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土地を相続すると所有権が変わるため、名義変更(=相続登記)が必要となります。

202年時点では名義変更(相続登記)の義務はないのですが、民法改正により、2024年4月1日から相続登記が義務化されることが決まっています。義務化された後は、不動産取得を知った日から3年以内に相続登記しなければならず、登記しなければ罰則(過料)もあります。

2024年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年間の猶予期間がありますが、義務化の対象となるため、できれば早く名義変更することをおすすめします。

しかし、慣れていない人にとっては、土地の名義変更は少々ハードルが高いものですよね。

この記事では、「土地の名義変更って難しそう…どうやってやればいいの?」という方に向けて、簡単な言葉で分かりやすく土地の名義変更方法を解説していきます。遺言書の有無や遺産分割方法によっても必要書類が変わるので、できるだけ誰が見ても分かりやすいように解説したつもりです。

初心者でも誰でもこの記事通りに進めていけば土地の名義変更を終わらせることができます。ぜひ最後までお読みいただき、名義変更を完了させてください。

注意!
「相続登記」とは、相続した不動産の登録名義を変更することをいいます。つまり、「相続登記」と「相続した不動産の名義変更」は同じ意味であるということを頭に入れておいてください。

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目次

相続した土地の名義変更は3年以内に行おう

「相続した不動産の名義変更(相続登記)が義務化」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

2023年現在では、相続した土地の名義変更(相続登記)を申請する義務はありません。名義変更しないまま放置しても特に罰則などはなく、期限もありません。

しかし、こうして相続登記をしないという状況を長年放置した結果、現在の所有者が登記簿からは分からないという土地がたくさん存在することとなり、問題となっています。この問題を解決するために、2024年4月1日から、相続登記が義務化されることが法律で定められました

義務化された後は、不動産取得を知った日から3年以内に相続登記しなければならず、登記しなければ罰則(10万円以下の過料)もあります。

なお、2024年3月31日までに相続した土地なら義務化を免れるというものではなく、「いつ相続した土地か」にかかわらず、2024年4月1日に一斉に義務化されるため、注意が必要です。

例えば、2022年8月1日に相続した土地の名義変更をしないままだと、2024年4月1日に相続登記が義務化された場合、そこから3年以内に相続登記をしないと罰則を受ける対象になってしまうということです。

現時点では義務では無くても、義務化されて慌てて手続きをするのは大変なので、今のうちから手続きを早い段階で進めておきましょう。

相続した土地の名義変更は3つのケースごとに流れが異なる

相続した土地の名義変更(相続登記)の方法は、「遺言書があるか」「法定相続分通りに相続したのか」それとも「遺産分割協議で相続したのか」によって、必要な書類や流れが微妙に変わります。

それを知らないまま準備を進めると、書類に不備があったり、逆に必要ではない書類を用意して無駄になってしまったりすることがあります。ケースによって必要書類やステップが変わることをしっかり頭に入れた上で、準備を進めていきましょう。

❶遺言書はあるか?ないか?
➡遺言書が無い場合は、遺産分割方法を決める必要がある

❷遺言書がない場合、
・法定相続分通りに相続するのか?
・法定相続とはちがう分割方法にするのか?
➡法定相続分以外で分割する場合は、遺産分割協議書を作成する必要がある。

※遺言書がある場合や法定相続分で分割する場合の方が、用意する書類は少なくて済みます。

以下に、それぞれのケースでの進め方8ステップを用意したので、おおまかにどんな流れになるか確認しておきましょう。

相続した土地の名義変更(相続登記)の手続き8ステップ

ここから早速、相続した土地の名義変更を行う方法を8ステップで説明していきます。

相続した土地の名義変更(相続登記)の手続き

1. 相続する土地を特定して登記事項証明書を取得しておく
2. 相続する土地の固定資産税評価額を確認しておく
3. 遺言書があるかどうかを確認する
4. 遺言書がない場合は遺産の分け方を話し合って決める
5. 相続した土地の名義変更に必要な書類を集める
6. 登記申請書を作成する
7. 法務局の登記手続き案内を予約する
8. 登録免許税と必要書類を添えて法務局に提出する

それぞれのステップごとに、詳しく解説していきます。

【ステップ1】相続する土地を特定して登記事項証明書を取得しておく

名義変更の準備段階として、まずは対象となる不動産の登記簿の状況を調べておくことが大切です。

※この記事では「相続した土地の名義変更」に特化して説明していますが、土地以外にも預貯金や有価証券などの遺産がある場合は、この段階でそれらの財産もしっかり特定しておきましょう。

具体的には、遺産に含まれる土地の所在地を特定し、その土地の名義人が被相続人(亡くなった方)かどうかを確認しておく必要があります。

前述した通り、今まで相続登記は義務ではなかったため、土地の名義人が先代(亡くなった方の親など)のままだったというケースもよくあります。遺産分割協議書を作成する際にも土地の詳細な情報が必要となるので、まず第一に土地の登記簿を取得しておく必要があるのです。

❶相続する土地が明確に分かっている場合

土地の「地番」が分かれば法務局から「登記事項証明書(登記簿謄本)」を発行してもらうことが可能です。地番とは登記上の番号なので、住居表示(いわゆる住所)とは異なることがあります。土地の登記済権利証や固定資産税納税通知書で確認するか、法務局で検索することもできます。

登記事項証明書を発行する費用は、480円~600円です。オンライン請求が便利なので活用すると良いでしょう。

オンラインで請求し、最寄りの登記所や法務局証明サービスセンターで受け取る場合480円
オンラインで請求し、郵送で受け取る場合500円
窓口で請求して受け取る場合600円

❷相続する土地がどれか明確に分からない場合

被相続人が所有している不動産の全体像がはっきりしない場合は、市町村役場で名寄帳を取り寄せましょう。名寄帳とは、課税対象となっている土地や家屋を所有者ごとにまとめたものです。

名寄帳の一覧にある不動産が相続対象となるので、全ての不動産の登記事項証明書を取得しましょう。取得費用は前述した通りです(一件ずつかかります)。

【ステップ2】相続する土地の固定資産税評価額を確認しておく

準備編の2つ目としてやっておくこととして、相続する土地の固定資産税評価額を確認しておく必要があります。なぜならば、相続した土地の名義変更(相続登記)を行う時に必要となる「登録免許税」の基準となるからです。

登録免許税=相続する土地の固定資産税評価額×0.4%

登録免許税の計算に必要となるので、固定資産税評価額が分かる書類をあらかじめ用意しておきましょう。

土地の所有者には、毎年4~5月頃に、「固定資産税納税通知書」という書類が市町村から送付されているはずです。被相続人(亡くなった方)が保管していないか探してみましょう。

固定資産税納税通知書が見つからない場合は、土地がある市町村役場で「固定資産税評価証明書」を取得しましょう(手数料:1通200円~400円)。名寄帳を取得している場合には、その書類に、固定資産税評価額が記載されています。

【ステップ3】遺言書があるかどうかを確認する

2章で解説した通り、「遺言書があるか無いか」によって必要書類や手続きが変わってくるので、まず遺言書の有無を確認しましょう。

❶遺言書がある場合

遺言書がある場合は、遺言書を家庭裁判所に「検認」してもらう必要があります。家庭裁判所に遺言書を提出し、「検認調書」または「検認済証明書」をもらってください。

なお、公正役場に保管されている公正証書遺言や、法務局に保管されている自筆証書遺言の場合には、既に検認が済んでいるような状態なので検認は要りません。

検認手続きについては、裁判所の公式サイトを参照ください。

❷遺言書がない場合

遺言書がない場合は、相続人が集まって遺産分割協議を行い、土地を含めた遺産をどう分割するか決定する必要があります。次の【ステップ2】に進んでください。

【ステップ4】遺言書がない場合は遺産の分け方を話し合って決める

遺言書がない場合は、どのように遺産を分割するかを相続人全員で協議して決めなければなりません。

※法定相続人が1人の場合は、全ての遺産を相続できます。

遺産の分け方は、❶法定相続分の割合で分割する方法か、❷相続人で分割方法を決めて「遺産分割協議書」を作成する方法かを話し合って決めます。

❶法定相続分の割合で分割する

法定相続分とは、法律上定められた割合のことです。法定相続人の内訳や人数によって割合は異なります。

法定相続人の内訳

法定相続分

 配偶者と直系卑属(子ども等)がいる場合

配偶者

2分の1

直系卑属(子ども等)

2分の1

配偶者と直系尊属(父母など)がいる場合

(直系卑属がいない場合)

配偶者

3分の2

直系尊属(父母など)

3分の1

配偶者と兄弟姉妹の場合

(直系卑属も直系尊属もいない場合)

配偶者

4分の3

兄弟姉妹

4分の1

配偶者のみ(直系卑属も直系尊属も兄弟姉妹もいない場合)

1(全て)

直系卑属のみ(配偶者がいない場合)

1(全て)

直系尊属のみの場合(配偶者も直系卑属もいない場合)

1(全て)

兄弟姉妹のみの場合(配偶者も直系卑属も直系尊属もいない場合)

1(全て)

例えば、相続人が配偶者と子ども1人なら、遺産を2分の1ずつ相続します。

遺産の中に土地がある場合、法定相続分で分割すると共有になります。不動産が共有の場合、将来売却する時や賃貸に出すときなど名義人全員の意見を合わせる必要があるため、トラブルのもとになるリスクがあるので注意しましょう。

それを避けるために、特定の相続人が土地を相続し、残りの相続人は金銭等その他の遺産を相続するといったような分割方法を定める遺産分割協議をすることになります。

❷相続人で分割方法を決めて「遺産分割協議書」を作成する

法定相続分の割合ではなく、相続人全員が納得する形で遺産分割方法を決める方法です。

例えば、「土地Aと住宅Bは配偶者が相続し、土地Cと現金の3分の1を長男が、現金の3分の2を次男が相続する」などと自由に内容を決めることが可能です。

分割の内容が決まったら、その内容をまとめた「遺産分割協議書」という書面を作成し、相続人全員の署名を行い、実印を押しましょう。また、相続人全員の印鑑登録証明書を添付する必要があります。

❸遺産分割協議がなかなかまとまらないとき

3年以内に、不動産を誰が相続するかが決まらない場合は、一旦、法定相続分での「相続人申告登記」を行い、登記義務を履行することができます。

ただし、この場合は、遺産分割成立から3年以内に、改めてその内容をふまえた相続登記をすることが必要です。

【ステップ5】相続した土地の名義変更に必要な書類を集める

次のステップから、実際に法務局にて名義変更の手続きを進めていきます。その前に、ケースごとに必要な書類を用意しましょう。

遺言書がある場合

遺産分割協議書がない場合(法定相続分で分割、または相続人が1人)

遺産分割協議書がある場合

❶遺言書がある場合に必要となる書類

遺言書がある場合に必要な書類は以下です。

スクロールできます
必要書類取得場所取得費用
❶遺言書
❷検認調書または検認済証明書(公正証書遺言や法務局で保管されていた自筆証書遺言の場合は不要)被相続人の死亡時の住所を管轄する家庭裁判所遺言書1通につき収入印紙800円分+連絡用の郵便切手
❸被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て)被相続人の本籍地の市区町村役場1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円)
❹被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❺土地を相続する人の戸籍謄本または抄本相続する人の現在の本籍地の市区町村役場1通450円
❻土地を相続する人の住民票相続する人の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❼固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの)被相続人が保管していたものなど

※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。

❷遺産分割協議書がない場合に必要となる書類

遺産分割協議書がない場合(法定相続分で分割する場合または相続人が1人の場合)に必要な書類は以下です。

スクロールできます
必要書類取得場所取得費用
❶被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て)被相続人の本籍地の市区町村役場1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円)
❷被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❸相続人全員の戸籍謄本または抄本相続人の現在の本籍地の市区町村役場1通450円
❹相続人全員の住民票相続人の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❺固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの)被相続人が保管していたものなど

※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。

❸遺産分割協議書がある場合に必要となる書類

遺産分割協議書がある場合(法定相続分とは異なる相続をする場合)に必要な書類は以下です。

スクロールできます
必要書類取得場所取得費用
❶被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て)被相続人の本籍地の市区町村役場1通450円
❷被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❸相続人全員の戸籍謄本または抄本相続人の現在の本籍地の市区町村役場1通450円
❹相続人全員の住民票相続人の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❺遺産分割協議書(相続人全員の実印押印および、全員の印鑑証明書の添付が必要)
❻固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの)被相続人が保管していたものなど

※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。

【ステップ6】登記申請書を作成する

ここからはいよいよ、名義変更するための「登記申請書」を作成します。相続した土地の名義変更は、法務局の手続き上、「所有権移転登記」という名称になりますので注意しましょう。

登記申請書の雛形は法務局の公式サイトにあるので、以下のうち、該当するものを選んで、一太郎・Word形式・PDF形式のうち好きなものをダウンロードしましょう。記載例もあるので参考にしてください。

17)所有権移転登記申請書(相続・公正証書遺言)
18)所有権移転登記申請書(相続・自筆証書遺言)
19)所有権移転登記申請書(相続・法定相続)
20)所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)
21)所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)(数次相続)

以下は、公正証書遺言により、2名が2分の1ずつ相続した場合の登記申請書の記載例です。

課税価格には「固定資産税評価額」を記載し、登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」を計算して記載しましょう。なお、評価額の1,000円未満の端数は切り捨ててから計算し、求めた金額の100円未満を切り捨てます。

例:土地の評価額が12,345,678円の場合
①評価額の1,000円未満を切り捨てる(12,345,000円)
②相続登記の税率0.4%を掛ける(12,345,000円×0.4%=49,380円)
③計算した金額の100円未満を切り捨てる(49,380円→49,300円)

ただし、相続人以外の方が遺言によって不動産を取得した場合など、税率が異なる場合・免除される場合もあります。

参照:法務局「登録免許税の計算」PDF

「不動産の表示」の部分には、不動産番号・所在・地番・地目・地積を記載します。

不動産番号とは、不動産を識別するための13桁の数字であり、登記事項証明書の表題部や登記簿謄本に記載されているものです。不動産番号を記載した場合には、所在・地番・地目・地積を省略できます。

【ステップ7】法務局の登記手続き案内を予約する

自分で相続登記(名義変更)をする場合、申請前に予約制の登記手続案内を利用するのがおすすめです。必要書類に不備が無いかや、申請書の記載方法などで分からない部分を教えてもらえます。

土地の所在地を管轄する法務局名(例えば東京法務局)と「登記手続案内」で検索すると、予約できる電話番号が分かるので、その電話番号に電話しましょう。

【ステップ8】登録免許税と必要書類を添えて法務局に提出する

全ての準備が整ったら、費用(登録免許税)と必要書類を添えて、管轄の法務局に提出します。提出方法は、窓口に提出、郵送で提出、オンラインで提出の3種類があります。

窓口に提出管轄の法務局窓口に直接書類を提出する
【メリット】間違いがあった場合にその場で訂正できる
【デメリット】平日の日中しか窓口が空いていない/混んでいることがある
郵送で提出管轄の法務局に書類を郵送する
【メリット】時間が無くても自分のタイミングで送付できる
【デメリット】不備があった場合は再度送付する必要がある
オンラインで提出インターネット上で書類を提出する(提出先や詳しい方法は法務局公式HP
【メリット】住民票の写しを省略できる
【デメリット】マイナンバーカードとICカードリーダーが必要/添付書類は別途郵送か窓口に持参しなければならない

どの方法もメリット・デメリットがあるので、自分に合う方法で提出しましょう。

名義変更の手続きが面倒なら専門家に依頼がおすすめ

相続した土地の名義変更をするためには、被相続人および全ての相続人の戸籍謄本や住民票を集め、法務局に申請に行くなど、準備にも手続きにも時間がかかります。

特に、被相続人の転籍回数が多い場合や相続人の数が多い場合などは、複数の市区町村にいくつもの書類を請求することになります。

こうした書類の収集が面倒な方や、役所に行く時間が無い方は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼すると良いでしょう。

手続きだけ依頼するなら司法書士、遺産の分け方など相続全般について相談したい場合は弁護士に依頼するとスムーズに名義変更を進めることができます。

相続した土地の名義変更にかかる費用

最後に、相続した土地の名義変更を行う場合の費用について解説します。

自分で名義変更する場合の費用(最低限かかる費用)

相続した土地を自分で名義変更(相続登記)する場合には、以下のような料金がかかります。

登録免許税名義変更の申請時に必ずかかる費用(相続する土地の固定資産税評価額×0.4%)
例:評価額3,000万の土地なら12万円、1億円なら40万円
登記簿謄本1通480円~600円
遺言書を検認する場合の費用遺言書1通につき収入印紙800円分+連絡用の郵便切手
戸籍謄本の取得費用1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円)
住民票の取得費用1通200円~400円
印鑑証明書(遺産分割協議書に必要)1通300円

申請時に必ずかかる「登録免許税」の他に、申請に必要な書類を集めるための費用がかかります。これ以外に、固定資産税納税通知書が無い場合には「固定資産評価証明書」取得費(300円~400円程度)、名寄帳を取り寄せる場合にも取得費(300円~400円程度)がかかります。

相続する土地の評価額や相続人の数によって実際にかかる費用は前後しますが、数万円~50万円程度が一般的でしょう。

司法書士に依頼する場合の費用

相続した土地の名義変更を司法書士に依頼する場合は、「自分で名義変更する場合の費用(最低限かかる費用)」で示した実費にプラスして、司法書士に支払う報酬が必要となります。

依頼する司法書士や状況によって価格は前後しますが、司法書士報酬は5万円~10万円程度が一般的です。別途、登録免許税や書類取得費がかかります。

まとめ

この記事では、相続した土地の名義変更について、詳しく解説しました。

最後に、名義変更のための手順を再掲します。

また、「遺言書がある場合」「遺産分割協議書が無い場合(法定相続など)」「遺産分割協議書がある場合」ごとに必要となる書類は以下のとおりです。

【遺言書がある場合に必要となる書類】

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必要書類取得場所取得費用
❶遺言書
❷検認調書または検認済証明書(公正証書遺言や法務局で保管されていた自筆証書遺言の場合は不要)被相続人の死亡時の住所を管轄する家庭裁判所遺言書1通につき収入印紙800円分+連絡用の郵便切手
❸被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て)被相続人の本籍地の市区町村役場1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円)
❹被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❺土地を相続する人の戸籍謄本または抄本相続する人の現在の本籍地の市区町村役場1通450円
❻土地を相続する人の住民票相続する人の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❼固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの)被相続人が保管していたものなど

※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。

【遺産分割協議書がない場合に必要となる書類】

スクロールできます
必要書類取得場所取得費用
❶被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て)被相続人の本籍地の市区町村役場1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円)
❷被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❸相続人全員の戸籍謄本または抄本相続人の現在の本籍地の市区町村役場1通450円
❹相続人全員の住民票相続人の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❺固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの)被相続人が保管していたものなど

※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。

【遺産分割協議書がある場合に必要となる書類】

スクロールできます
必要書類取得場所取得費用
❶被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て)被相続人の本籍地の市区町村役場1通450円
❷被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❸相続人全員の戸籍謄本または抄本相続人の現在の本籍地の市区町村役場1通450円
❹相続人全員の住民票相続人の住所地の市区町村役場1通200円~400円
❺遺産分割協議書(相続人全員の実印押印および、全員の印鑑証明書の添付が必要)
❻固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの)被相続人が保管していたものなど

自分で法務局に申請する場合には、できれば事前に電話相談を行うとミスを防げるのでおすすめです。

また、この記事の内容を読んで「土地の名義変更は自分では難しそう…」と感じた方は、司法書士や弁護士などプロに手続きを依頼するのも良いでしょう。

当事務所では、名義変更も含めた相続全般の相談を受け付けております。何か疑問があれば、ぜひお気軽にお問合せください。

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