弁護士 西村 学
弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授
弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。
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相続した土地がある場合に「名義変更って自分で法務局に行けばできるかな?」と考える方は多いかもしれません。民法改正により2024年4月1日から相続登記が義務化されたため、必要に迫られている方も多いでしょう。
土地を相続すると所有権が変わるため、名義変更(=相続登記)が必要となります。
しかし、慣れていない人にとっては、土地の名義変更は少々ハードルが高いものですよね。
結論からいうと、相続した土地の名義変更(相続登記)は、自分で行うことも可能です。しかしながら、決して「簡単にできる」とは言えないため注意が必要です。
自分で相続登記を行ったことがある人に聞いてみると、「書類集めが大変だった」「不備があって何回も法務局に行った」という声が聞かれるはずです。
しかしながら、「それでも何とか自分で相続した土地の名義変更を行いたい!」という方に向けて、この記事では、法務局に行く前の準備段階からしっかりと万全の体制を整えて、できるだけスムーズに名義変更(相続登記)を終わらせる方法をお教えします。
この記事では、「土地の名義変更って難しそう…どうやってやればいいの?」という方に向けて、簡単な言葉で分かりやすく土地の名義変更方法を解説していきます。遺言書の有無や遺産分割方法によっても必要書類が変わるので、できるだけ誰が見ても分かりやすいように解説したつもりです。
相続した土地の名義変更(相続登記)を行う7ステップ 【ステップ1】相続する土地を特定して登記事項証明書を取得しておく 【ステップ2】相続する土地の固定資産税評価額を確認しておく 【ステップ3】遺言書の有無で書類が変わるのでしっかり準備しておく 【ステップ4】相続した土地の名義変更に必要な書類を集める 【ステップ5】登記申請書を作成する 【ステップ6】管轄の法務局を調べて登記手続き案内を予約する 【ステップ7】登録免許税と必要書類を持参して法務局で手続きを行う |
カンタンではないですが、この記事通りに進めていけば、初心者でも土地の名義変更を終わらせることができるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、名義変更を完了させてください。
注意! 「相続登記」とは、相続した不動産の登録名義を変更することをいいます。つまり、「相続登記」と「相続した不動産の名義変更」は同じ意味であるということを頭に入れておいてください。 |
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相続した土地の名義変更(いわゆる相続登記)は、自分で法務局に足を運んで手続きを済ませることが可能です。ただし、決して「自分での手続きも簡単にできますよ」と言えるものではありません。
中には、「自分で進めようと法務局に相談に行ったけれど、難しすぎて途中で断念した」という声もよく聞かれます。また、「自力でどうにか申請したけど書類不備で何回も法務局に通った」「法務局と市役所を往復して大変だった」という方も非常に多くいらっしゃいます。
相続した土地の名義変更が簡単ではない理由には、以下の3つがあります。
自分で相続した土地の名義変更が簡単ではない理由 1. ケースによって必要な書類がかなり異なり、法務局に何回か相談に行かなければならないから 2. 法務局は平日の日中(9時〜17時まで)しか開いてないため、平日に動けない人は相談に行くことが難しいから 3. 相続登記に必要な書類を集める準備も、かなり大変だから |
それぞれの理由について、もう少し詳しく解説していきます。
相続した土地の名義変更(相続登記)を自分で行う場合には、法務局に何回も足を運ぶ必要があります。なぜならば、人によって相続登記に必要な書類が異なるからです。
初回の相続登記相談ではまず「自分のケースではどの書類を用意すればいいのか」を法務局に相談に行きます。書類が準備できた段階でそれらを持ってまた法務局に申請に行きます。そこで足りない書類や間違っている箇所があれば、また日を改めて法務局に行く、というイメージです。
一般の方が自分で相続登記する場合、人によりますが、少なくても2回か3回、多い場合には7回ほど法務局に足を運ぶケースも少なくないといわれています。
それだけ相続登記に必要な書類の用意が難しく、不備が起きやすいからです。
相続した土地の名義変更が難しい2つ目の理由は、法務局は多くは平日の日中(9時〜17時まで)しか開いてないため、平日に動けない人は相談に行くことが難しいからです。
何回も相談に行かなければならないのに、その相談に行けないとなれば、自力での相続登記は難しいでしょう。
なお、法務局では電話やオンラインでの相続登記相談も受け付けているのですが、手元にある資料を見せながらの相談ができないため、上手く相談ができないことがあります。
自分で手続きを進めるのであれば、できれば対面での相談の方がスムーズに進めることができるでしょう。
相続した土地の名義変更を自分で進めるのが大変な理由として、相続登記に必要な書類を集める準備自体もかなり大変になるから、という点があります。
のちほど必要な書類一覧については詳しく解説しますが、相続登記では、亡くなった方が出生してから死亡するまでの一連の戸籍を集めて相続人を確定させた後、相続人全員の戸籍や住民票、印鑑登録証明書などを全て準備する必要があります。
相続人が多い場合や関係が複雑な場合には、この書類を集める時点で非常に大変なケースがあります。多い場合には何十枚もの書類を用意することになります。
前述した通り、相続した土地の名義変更は決して簡単なものではありません。しかしながら、法務局に行くまでの準備をしっかりと行うことができれば、自力での手続きも不可能ではありません。
相続登記は、手続きそのものよりも、むしろ準備段階がとても重要になります。準備ステップから気を抜かずにしっかりと登記準備を進めていくことができれば、自分でも相続登記手続きを済ませることができるはずです。
準備段階で気をつけること ・遺言書はあるか? ・遺産分割協議は終わらせたか? ・法定相続割合で相続するのか? (遺言書の有無や遺産の分割方法など状況によって必要書類が変わるので、しっかり準備しておくことが重要) ・相続する土地の資料を漏れなく取得できているか ・亡くなった方や相続人全員の必要書類を全て取得できているか (相続人の数が多い場合は、何十通もの書類を用意するケースもあるので、取得だけで時間がかかることもあるので注意) ・遺産分割協議書に貼付する「相続人全員の印鑑証明書」も忘れずに取得したか |
自分での手続きが特に向いている方の特徴としては、平日に時間を取ることができ、書類集めもそれほど苦にならないという方です。
法務局に相談に行った際にアドバイスをしっかり聞き、不備があった場合もミス無く修正できるタイプの方であれば、自分で相続登記を進めることは可能でしょう。次の章からは、「自分で相続した土地の名義変更を行いたいので、できるだけ少ない回数で行いたい」という方に向けて、登記の準備ステップから詳しく内容を解説していきます。
ここから早速、相続した土地の名義変更を行う方法を7ステップで説明していきます。
相続した土地の名義変更(相続登記)を行う7ステップ 【ステップ1】相続する土地を特定して登記事項証明書を取得しておく 【ステップ2】相続する土地の固定資産税評価額を確認しておく 【ステップ3】遺言書の有無で書類が変わるのでしっかり準備しておく 【ステップ4】相続した土地の名義変更に必要な書類を集める 【ステップ5】登記申請書を作成する 【ステップ6】管轄の法務局を調べて登記手続き案内を予約する 【ステップ7】登録免許税と必要書類を持参して法務局で手続きを行う |
それぞれのステップごとに、詳しく解説していきます。
名義変更の準備段階として、まずは対象となる不動産の登記簿の状況を調べておくことが大切です。
※この記事では「相続した土地の名義変更」に特化して説明していますが、土地以外にも預貯金や有価証券などの遺産がある場合は、この段階でそれらの財産もしっかり特定しておきましょう。 |
具体的には、遺産に含まれる土地の所在地を特定し、その土地の名義人が被相続人(亡くなった方)かどうかを確認しておく必要があります。
前述した通り、今まで相続登記は義務ではなかったため、土地の名義人が先代(亡くなった方の親など)のままだったというケースもよくあります。遺産分割協議書を作成する際にも土地の詳細な情報が必要となるので、まず第一に土地の登記簿を取得しておく必要があるのです。
土地の「地番」が分かれば法務局から「登記事項証明書(登記簿謄本)」を発行してもらうことが可能です。地番とは登記上の番号なので、住居表示(いわゆる住所)とは異なることがあります。土地の登記済権利証や固定資産税納税通知書で確認するか、法務局で検索することもできます。
登記事項証明書を発行する費用は、480円~600円です。オンライン請求が便利なので活用すると良いでしょう。
オンラインで請求し、最寄りの登記所や法務局証明サービスセンターで受け取る場合 | 480円 |
オンラインで請求し、郵送で受け取る場合 | 500円 |
窓口で請求して受け取る場合 | 600円 |
被相続人が所有している不動産の全体像がはっきりしない場合は、市町村役場で名寄帳を取り寄せましょう。名寄帳とは、課税対象となっている土地や家屋を所有者ごとにまとめたものです。
名寄帳の一覧にある不動産が相続対象となるので、全ての不動産の登記事項証明書を取得しましょう。取得費用は前述した通りです(一件ずつかかります)。
準備編の2つ目としてやっておくこととして、相続する土地の固定資産税評価額を確認しておく必要があります。なぜならば、相続した土地の名義変更(相続登記)を行う時に必要となる「登録免許税」の基準となるからです。
登録免許税=相続する土地の固定資産税評価額×0.4% |
登録免許税の計算に必要となるので、固定資産税評価額が分かる書類をあらかじめ用意しておきましょう。
土地の所有者には、毎年4~5月頃に、「固定資産税納税通知書」という書類が市町村から送付されているはずです。被相続人(亡くなった方)が保管していないか探してみましょう。
固定資産税納税通知書が見つからない場合は、土地がある市町村役場で「固定資産税評価証明書」を取得しましょう(手数料:1通200円~400円)。名寄帳を取得している場合には、その書類に、固定資産税評価額が記載されています。
「遺言書があるか無いか」によって必要書類や手続きが変わってくるので、まず遺言書の有無を確認して、その後状況に応じて必要な準備をしておきましょう。
自筆証書遺言書がある場合は、遺言書を家庭裁判所に「検認」しておいてもらう必要があります。家庭裁判所に遺言書を提出し、「検認調書」または「検認済証明書」をもらってください。
なお、公正役場に保管されている公正証書遺言や、法務局に保管されている自筆証書遺言の場合には、既に検認が済んでいるような状態なので検認は要りません。
検認手続きについては、裁判所の公式サイトを参照ください。
遺言書がない場合は、相続人が集まって遺産分割協議を行い、土地を含めた遺産をどのように分割するかを相続人全員で協議して決めなければなりません。
※法定相続人が1人の場合は、全ての遺産を相続できます。
遺産の分け方は、「❶法定相続分の割合で分割する方法」か「❷相続人で分割方法を決めて遺産分割協議書を作成する方法か」を話し合って決めます。
法定相続分とは、法律上定められた割合のことです。法定相続人の内訳や人数によって割合は異なります。
法定相続人の内訳 |
法定相続分 |
|
配偶者と直系卑属(子ども等)がいる場合 |
配偶者 |
2分の1 |
直系卑属(子ども等) |
2分の1 |
|
配偶者と直系尊属(父母など)がいる場合 (直系卑属がいない場合) |
配偶者 |
3分の2 |
直系尊属(父母など) |
3分の1 |
|
配偶者と兄弟姉妹の場合 (直系卑属も直系尊属もいない場合) |
配偶者 |
4分の3 |
兄弟姉妹 |
4分の1 |
|
配偶者のみ(直系卑属も直系尊属も兄弟姉妹もいない場合) |
1(全て) |
|
直系卑属のみ(配偶者がいない場合) |
1(全て) |
|
直系尊属のみの場合(配偶者も直系卑属もいない場合) |
1(全て) |
|
兄弟姉妹のみの場合(配偶者も直系卑属も直系尊属もいない場合) |
1(全て) |
例えば、相続人が配偶者と子ども1人なら、遺産を2分の1ずつ相続します。
遺産の中に土地がある場合、法定相続分で分割すると共有になります。不動産が共有の場合、将来売却する時や賃貸に出すときなど名義人全員の意見を合わせる必要があるため、トラブルのもとになるリスクがあるので注意しましょう。
それを避けるために、特定の相続人が土地を相続し、残りの相続人は金銭等その他の遺産を相続するといったような分割方法を定める遺産分割協議をすることになります。
法定相続分の割合ではなく、相続人全員が納得する形で遺産分割方法を決める方法です。
例えば、「土地Aと住宅Bは配偶者が相続し、土地Cと現金の3分の1を長男が、現金の3分の2を次男が相続する」などと自由に内容を決めることが可能です。
分割の内容が決まったら、その内容をまとめた「遺産分割協議書」という書面を作成し、相続人全員の署名を行い、実印を押しましょう。また、相続人全員の印鑑登録証明書を添付する必要があります。
3年以内に、不動産を誰が相続するかが決まらない場合は、一旦、法定相続分での「相続人申告登記」を行い、登記義務を履行することができます。
ただし、この場合は、遺産分割成立から3年以内に、改めてその内容をふまえた相続登記をすることが必要です。
次のステップから、実際に法務局にて名義変更の手続きを進めていきます。その前に、ケースごとに必要な書類を用意しましょう。
→遺産分割協議書がない場合(法定相続分で分割、または相続人が1人)
遺言書がある場合に必要な書類は以下です。
必要書類 | 取得場所 | 取得費用 |
❶遺言書 | ー | ー |
❷検認調書または検認済証明書(公正証書遺言や法務局で保管されていた自筆証書遺言の場合は不要) | 被相続人の死亡時の住所を管轄する家庭裁判所 | 遺言書1通につき収入印紙800円分+連絡用の郵便切手 |
❸被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て) | 被相続人の本籍地の市区町村役場 | 1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円) |
❹被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票 | 被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場 | 1通200円~400円 |
❺土地を相続する人の戸籍謄本または抄本 | 相続する人の現在の本籍地の市区町村役場 | 1通450円 |
❻土地を相続する人の住民票 | 相続する人の住所地の市区町村役場 | 1通200円~400円 |
❼固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの) | 被相続人が保管していたものなど | ー |
※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。
遺産分割協議書がない場合(法定相続分で分割する場合または相続人が1人の場合)に必要な書類は以下です。
必要書類 | 取得場所 | 取得費用 |
❶被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て) | 被相続人の本籍地の市区町村役場 | 1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円) |
❷被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票 | 被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場 | 1通200円~400円 |
❸相続人全員の戸籍謄本または抄本 | 相続人の現在の本籍地の市区町村役場 | 1通450円 |
❹相続人全員の住民票 | 相続人の住所地の市区町村役場 | 1通200円~400円 |
❺固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの) | 被相続人が保管していたものなど | ー |
※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。
遺産分割協議書がある場合(法定相続分とは異なる相続をする場合)に必要な書類は以下です。
必要書類 | 取得場所 | 取得費用 |
❶被相続人の戸籍謄本および除籍謄本(出生から亡くなるまでの全て) | 被相続人の本籍地の市区町村役場 | 1通450円 |
❷被相続人の住民票除票(本籍地記載のもの)または本籍地が記載された戸籍の附票 | 被相続人の死亡時の住所地の市区町村役場 | 1通200円~400円 |
❸相続人全員の戸籍謄本または抄本 | 相続人の現在の本籍地の市区町村役場 | 1通450円 |
❹相続人全員の住民票 | 相続人の住所地の市区町村役場 | 1通200円~400円 |
❺遺産分割協議書(相続人全員の実印押印および、全員の印鑑証明書の添付が必要) | ー | ー |
❻固定資産税納税通知書など(固定資産税評価額が分かるもの) | 被相続人が保管していたものなど | ー |
※代理人が申請する場合には、別途委任状が必要です。
ここからはいよいよ、名義変更するための「登記申請書」を作成します。相続した土地の名義変更は、法務局の手続き上、「所有権移転登記」という名称になりますので注意しましょう。
登記申請書の雛形は法務局の公式サイトに用意があります。以下の「2-1 相続」の部分が、相続した土地の名義変更の際に必要な申請書となります。
法定相続の場合と遺産分割の場合、数次相続の場合、公正証書遺言の場合、自筆証書遺言の場合、そして相続人に対する遺贈の場合で様式が別になっているので、ご自分に該当する申請書を見つけてください。
一太郎・Word形式・PDF形式のうち好きなものをダウンロードしましょう。記載例もあるので参考にしてください。
以下は、公正証書遺言により、2名が2分の1ずつ相続した場合の登記申請書の記載例です。
課税価格には「固定資産税評価額」を記載し、登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」を計算して記載しましょう。なお、評価額の1,000円未満の端数は切り捨ててから計算し、求めた金額の100円未満を切り捨てます。
例:土地の評価額が12,345,678円の場合 ①評価額の1,000円未満を切り捨てる(12,345,000円) ②相続登記の税率0.4%を掛ける(12,345,000円×0.4%=49,380円) ③計算した金額の100円未満を切り捨てる(49,380円→49,300円) |
ただし、相続人以外の方が遺言によって不動産を取得した場合など、税率が異なる場合・免除される場合もあります。
「不動産の表示」の部分には、不動産番号・所在・地番・地目・地積を記載します。
不動産番号とは、不動産を識別するための13桁の数字であり、登記事項証明書の表題部や登記簿謄本に記載されているものです。不動産番号を記載した場合には、所在・地番・地目・地積を省略できます。
これでようやく準備が整いましたので、いよいよ法務局に手続きに向かいます。
自分で相続登記(名義変更)をする場合、申請前に予約制の登記手続案内を利用するのがおすすめです。必要書類に不備が無いかや、申請書の記載方法などで分からない部分を教えてもらえます。
土地の所在地を管轄する法務局名(例えば東京法務局)と「登記手続案内」で検索すると、予約できる電話番号が分かるので、その電話番号に電話しましょう。
全ての準備が整ったら、費用(登録免許税)と必要書類を添えて、管轄の法務局に提出します。提出方法は、窓口に提出、郵送で提出、オンラインで提出の3種類があります。
窓口に提出 | 管轄の法務局窓口に直接書類を提出する 【メリット】間違いがあった場合にその場で訂正できる 【デメリット】平日の日中しか窓口が空いていない/混んでいることがある |
郵送で提出 | 管轄の法務局に書類を郵送する 【メリット】時間が無くても自分のタイミングで送付できる 【デメリット】不備があった場合は再度送付する必要がある |
オンラインで提出 | インターネット上で書類を提出する(提出先や詳しい方法は法務局公式HP) 【メリット】住民票の写しを省略できる 【デメリット】マイナンバーカードとICカードリーダーが必要/添付書類は別途郵送か窓口に持参しなければならない |
どの方法もメリット・デメリットがあるので、自分に合う方法で提出しましょう。
相続した土地を自分で名義変更(相続登記)する場合には、以下のような料金がかかります。
登録免許税 | 名義変更の申請時に必ずかかる費用(相続する土地の固定資産税評価額×0.4%) 例:評価額3,000万の土地なら12万円、1億円なら40万円 |
登記簿謄本 | 1通480円~600円 |
遺言書を検認する場合の費用 | 遺言書1通につき収入印紙800円分+連絡用の郵便切手 |
戸籍謄本の取得費用 | 1通450円(除籍謄本・改製原戸籍謄本は750円) |
住民票の取得費用 | 1通200円~400円 |
印鑑証明書(遺産分割協議書に必要) | 1通300円 |
申請時に必ずかかる「登録免許税」の他に、申請に必要な書類を集めるための費用がかかります。これ以外に、固定資産税納税通知書が無い場合には「固定資産評価証明書」取得費(300円~400円程度)、名寄帳を取り寄せる場合にも取得費(300円~400円程度)がかかります。
相続する土地の評価額や相続人の数によって実際にかかる費用は前後しますが、数万円~50万円程度が一般的でしょう。
相続した土地の名義変更をするためには、被相続人および全ての相続人の戸籍謄本や住民票を集め、法務局に申請に行くなど、準備にも手続きにも時間がかかります。
特に、被相続人の転籍回数が多い場合や相続人の数が多い場合などは、複数の市区町村にいくつもの書類を請求することになります。
こうした書類の収集が面倒な方や、役所に行く時間が無い方は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼すると良いでしょう。
相続した土地の名義変更を司法書士に依頼する場合は、「相続した土地の名義変更を自分で行う場合の費用」で示した実費にプラスして、司法書士に支払う報酬が必要となります。
依頼する司法書士や状況によって価格は前後しますが、司法書士報酬は5万円〜10万円程度が一般的です。別途、登録免許税や書類取得費がかかります。
手続きだけ依頼するなら司法書士、遺産の分け方など相続全般について相談したい場合は弁護士に依頼するとスムーズに名義変更を進めることができます。
この記事では、相続した土地の名義変更を自分で行う方法について、詳しく解説しました。最後に、名義変更のための手順を再掲します。
相続した土地の名義変更(相続登記)を行う7ステップ 【ステップ1】相続する土地を特定して登記事項証明書を取得しておく 【ステップ2】相続する土地の固定資産税評価額を確認しておく 【ステップ3】遺言書の有無で書類が変わるのでしっかり準備しておく 【ステップ4】相続した土地の名義変更に必要な書類を集める 【ステップ5】登記申請書を作成する 【ステップ6】管轄の法務局を調べて登記手続き案内を予約する 【ステップ7】登録免許税と必要書類を持参して法務局で手続きを行う |
この記事の内容を読んで「土地の名義変更は自分では難しそう…」と感じた方は、司法書士や弁護士などプロに手続きを依頼するのも良いでしょう。
当事務所では、名義変更も含めた相続全般の相談を受け付けております。何か疑問があれば、ぜひお気軽にお問合せください。