相続廃除とは┃手続き方法と成功率15%の申立を認めてもらう方法

相続廃除とは
この記事の監修者
弁護士西村学

弁護士 西村 学

弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授

弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。

「さんざん迷惑を掛けられた息子には遺産を渡したくない」

「親とは縁を切りたいし、自分の遺産を一円たりとも相続させたくない」

「家庭を顧みなかった夫が憎くて、財産をびた一文もあげたくない」

特定の相続人から生前ひどい扱いを受けていた場合、自分の財産を絶対に渡したくない…と思うのは当然のことでしょう。精神的苦痛を受けていた相手に、あなたの財産が渡るなんて考えたくもないですよね。

このようなケースで、特定の相続人に財産を渡したくない場合に行うのが「相続廃除」という手続きです。家庭裁判所への申し立てが認められれば、相続権を剥奪できます。

例えば以下のようなケースで、相続廃除の申し立てが行われます。

・息子から、長年にわたり暴力や虐待を受けていた
・仲の悪かった母親から、日常的に重大な侮辱を受けていた
・息子に著しい非行があり、大きな事件を起こして有罪判決を受けている
・自分の財産を、父親が勝手に処分した
・娘が賭博を繰り返して多額の借金を作り、それを代わりに払わされた
・夫が家庭を顧みずに愛人と同棲している
・夫から日常的に嫌がらせを受けていて、婚姻を継続しがたい重大な事由がある

ただし、申し立てのうち、相続廃除が認められるのは15%程度と低い割合に留まっています。

この記事では、「特定の相続人に絶対に財産を渡したくない!」という方向けに、相続廃除とは何か、制度の概要、そして「相続廃除が認められたケースと拒否されたケース」を具体的に示し、相続廃除を家庭裁判所に認めてもらうための情報を詳しく解説していきます。

相続廃除を成功させたい方は、ぜひ最後までお読みください。

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目次

相続廃除とは特定の相続人から相続権を奪う制度

冒頭でも解説した通り、相続廃除とは、長年の暴力や虐待があったり、多額の借金を返済させられていたり、重大な犯罪を犯したりして迷惑を掛けられていた場合に、その相続人から相続権を剥奪できる制度です。

民法では以下のように書かれています。

(推定相続人の廃除)
第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

引用:民法第892条

被相続人(財産をのこす人)が家庭裁判所に「相続廃除」を申し立てて、認められれば相続廃除が可能です。

相続廃除が確定すると、相続廃除された相続人の戸籍にその旨が記載され、遺産を相続できなくなります。また、相続権が無くなるため、遺留分(最低限の財産を相続できる権利のこと)も無くなります。

相続廃除における遺留分については、詳しくは「相続廃除の対象者は「遺留分を持つ」推定相続人」で後述しています。

相続廃除が認められるかは家庭裁判所の判断にゆだねられますが、「この相続人には相続させたくない!」という相手がいる場合は、相続廃除の申し立てをすることをおすすめします。

【注意】相続欠格との違い

相続廃除に似た制度に「相続欠格」があります。

相続欠格は、「被相続人や他の相続人を殺そうとした」「遺言書を捨てたり偽造したりした」など相続欠格事由にあたる行為があった場合に、申し立てなどの手続きをしなくても、相続権が剥奪される制度です。

相続廃除とは違う制度なので、混同しないようにしましょう。

相続欠格について知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

相続廃除の申し立てができるのは被相続人のみ

相続廃除を指定できるのは、遺産をのこす側の立場である被相続人のみです。被相続人が「この相続人には遺産をのこしたくない」という意思を持って申し立てを行います。

つまり、例として他の相続人が「兄は長年父に暴力を振るっていたのだから、相続廃除しよう」ということは勝手にできない、ということです。あくまで被相続人の意思が必要となる点に注意しましょう。

相続廃除の申し立てを行う主なケース
・特定の相続人から、長年にわたり暴力や虐待を受けていた
・特定の相続人から、重大な侮辱を受けた
・特定の相続人に、著しい非行があった
・特定の相続人が、重大な犯罪行為をおかして有罪判決を受けている
・自分の財産を、特定の相続人が勝手に処分した
・賭博を繰り返して多額の借金を作り、それを代わりに払わされた
・配偶者が家庭を顧みずに愛人と同棲しているなどの不貞行為がある
・婚姻を継続しがたい重大な事由がある

なお、このようなケースで相続廃除が認められるかどうかは、家庭裁判所が個別に判断します。詳しくは後述しますが、相続廃除が実際に認められる確率は少なく、15%程度に留まります。

相続廃除の対象者は「遺留分を持つ」推定相続人

相続廃除の対象者は、「遺留分を持つ」推定相続人です。

推定相続人とは、現時点で相続が発生した場合に遺産を相続するはずの人をいいます(つまり、相続廃除されるかも知れない人も含みます)。

つまり、遺留分を持たない兄弟姉妹は、相続廃除の対象者とはなりません。

【相続廃除の対象になる相続人・ならない相続人】

相続廃除の対象になる相続人

相続廃除の対象にならない相続人

配偶者、直系尊属(親や祖父母)、

直系卑属(子どもや孫)

兄弟姉妹

※遺留分とは、遺言の指定があったとしても最低限受け取れる相続割合のことです。

例えば相続人が配偶者のみの場合、遺言で「全額慈善団体に寄付する」と指定があったとしても、配偶者には遺産の2分の1を受け取る権利が保障されています。

遺留分について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

遺留分を持つ推定相続人に遺産を1円も渡したくない場合、遺留分も奪わなければなりません。遺言で指定したとしても、遺留分侵害額請求をされてしまうと、遺産を渡さなければならなくなるからです。

遺留分すら渡したくない場合に有効な制度が、この「相続廃除」なのです。

一方、遺留分を持たない兄弟姉妹に相続させたいなら、遺言書でそのような内容を指定すれば問題ありません。

兄弟姉妹には遺留分がないため、遺留分侵害額請求をすることができず、相続分をゼロにできます。

相続廃除が認められる3つの要件(虐待・侮辱・非行)

相続廃除を請求できる要件については、民法第892条で以下の3つが定められています。

相続廃除を請求できる3つの要件
❶被相続人に対して虐待をしたとき
❷被相続人に重大な侮辱を加えたとき
❸推定相続人にその他の著しい非行があったとき

なお、このような行為があった場合に相続廃除が認められるかどうかは、言動の詳しい内容や責任の所在、一時的なものかどうかなど。さまざまな事情が考慮されます。

事例を「相続廃除が認められた判例・認められなかった判例」で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

❶被相続人に対して虐待をしたとき

虐待とは、殴る、蹴る、叩く、骨折させる、やけどを負わせるなどの身体を傷つける暴力行為をいいます。

被相続人に対してこのような行為を行っていた推定相続人がいる場合、被相続人は相続廃除の申し立てができます。

❷被相続人に重大な侮辱を加えたとき

被相続人に「重大な侮辱」を加えたときも、相続廃除の申し立てができる事由となります。

重大な侮辱とは、家族の共同生活を不可能にするほどに名誉や感情を害するものです。ただし、そのような侮辱をするに至った理由が被相続人にある場合には認められないケースもあります。

❸推定相続人にその他の著しい非行があったとき

「その他の著しい非行」があったときにも、相続廃除の申し立てができます。

「その他の著しい非行」とは何か、民法には詳しい記述が無いため分かりにくいですが、虐待や侮辱に相当する程度の非行を意味すると考えられています。

上記の2要件とは異なり被相続人以外への行為も対象で、犯罪、浪費、ギャンブル、暴力などが挙げられるでしょう。

相続廃除の2つの手続き方法は「生前廃除」と「遺言廃除」の2種類

特定の推定相続人を相続廃除するための手続きには、「生前廃除」と「遺言廃除」の2種類があります。

生前に申し立てを行っておくか、遺言で廃除の申し立てを行うよう指定するか、の点に違いがあります。

生前排除と遺言排除の申立人の違い

生前に被相続人本人が申し立てる「生前廃除」とは

生前廃除は、被相続人が亡くなる前に行う相続廃除の手続きです。

被相続人自身が家庭裁判所に相続廃除の申し立てを行い、家庭裁判所での審判を経て、相続廃除を認めてもらう方法です。

生前廃除の手続きの流れ

❶ 相続廃除に必要な書類を用意する

・申立人(被相続人)の戸籍謄本(全部事項証明書)

・廃除したい相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)

❷ 家庭裁判所に申し立てを行う

被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所で「推定相続人廃除の審判申立書」を取得し、必要書類と一緒に提出して申し立てます


❸ 家庭裁判所での審判を行う

申立人と廃除対象者である相続人の間で、廃除理由についての主張や立証を行い、裁判所が廃除を認めるかどうかの判断を下します


❹ 認められた場合は市区町村役場に届け出る

家庭裁判所に相続廃除が認められた場合は、確定日から10日以内に、被相続人の戸籍がある市町村役場に以下の届け出を行います

・推定相続人廃除届(市区町村役場で入手)

・審判書の謄本と確定証明書(家庭裁判所で入手)

・届出人の印鑑


❺相続廃除が完了

届け出をもって相続廃除が完了し、相続廃除された相続人の戸籍の身分事項欄に、相続排除された旨が記載されます

なお、生前廃除が完了しても、被相続人本人が取り消し請求を行うことや、遺言で取り消し請求の意思表示を行うことが可能です。

遺言で指定する「遺言廃除」とは

遺言廃除は、遺言で相続廃除したい意思と具体的な理由や根拠をのこし、死後に遺言執行者に申し立ててもらう方法です。

遺言廃除の手続きの流れ

❶遺言書に、相続廃除に関する事柄を詳しく記載する

・誰を相続廃除するか

・虐待や暴言、非行などの具体的な理由

・遺言執行者の指定(生前に承諾をもらっておくことが望ましい)


❷被相続人が死亡


❸遺言執行者が相続廃除に必要な書類を用意する

・被相続人の死亡が記載されたの戸籍謄本(全部事項証明書)

・廃除したい相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)

・遺言書の写し、または検認調書謄本の写し


❹家庭裁判所に申し立てを行う

被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所で「推定相続人廃除の審判申立書」を取得し、必要書類と一緒に提出して申し立てを行います


❺家庭裁判所での審判を行う

申立人(遺言執行者)と廃除対象者である相続人の間で、廃除理由についての主張や立証を行い、裁判所が廃除を認めるかどうかの判断を下します


❻認められた場合は市区町村役場に届け出る

家庭裁判所に相続廃除が認められた場合は、確定日から10日以内に、被相続人の戸籍がある市町村役場に以下の届け出を行います

・推定相続人廃除届(市区町村役場で入手)

・審判書の謄本と確定証明書(家庭裁判所で入手)

・届出人の印鑑


❹相続廃除が完了

届け出をもって相続廃除が完了し、相続廃除された相続人の戸籍の身分事項欄に、相続排除された旨が記載されます

遺言による相続廃除を行う場合には、相続廃除が認められるように具体的な相続廃除理由を書き残しておくことが大切です。
また、遺言が無効になるようなことがないよう、入念に準備をしておきましょう。

遺言の内容に迷う場合には、弁護士に相談することをおすすめします。

相続廃除が認められるのは「15%程度」しかない

相続廃除の要件に該当する行為があった場合、申し立てること自体は可能です。しかし、残念ながら、相続廃除が家庭裁判所に認められるケースは15%程度と、決して高くない割合に留まっています。

相続廃除が認められる割合は年ごとに異なりますが、例えば令和2年度の司法統計を見ると、「推定相続人の廃除及びその取消し」の受理総数が310件のところ、「認容」(許可)は43件となっています。

※出典:令和2年度「3  家事審判事件の受理,既済,未済手続別事件別件数 全家庭裁判所」

この数には「相続廃除の取り消し」も含まれているため、厳密には相続廃除だけの認容数は分かりませんが、最大でも43件(約13.9%)しか相続廃除が認められていないことが分かります。

相続廃除には「本来あるべきはずの相続人の権利を剥奪する」という強力な効果があるため、家庭裁判所は廃除を認めていいかどうかを、かなり慎重に見極めて判断を下しているのです。

また、廃除の対象となる相続人が「そんなことをやっていない」と反論した場合には、廃除が認められないケースも多くあります。特に遺言で行う相続廃除(遺言廃除)は、具体的な事実の指摘や客観的な証拠が不足しているケースが多く、廃除対象の相続人が否定すると、廃除が認められないケースがほとんどだと言われています。

相続廃除が認められた例・認められなかった例

ここからは具体的に、相続廃除が認められた例と、認められなかった例をそれぞれ紹介します。

どんなケースでは相続廃除が認められているのか、そしてどんなケースでは請求が否定されているのか、その理由の考察も参考にしてみてください。

相続廃除が認められた例4つ

相続廃除の申し立てが認められた例を4つ紹介します。

「虐待」による相続廃除が認められた判例
末期がんを宣告されて手術後に自宅療養中の妻に対し、療養に極めて不適切な環境での生活を強いた上、人格を否定するような発言を行った夫について、「虐待」による廃除を認めた。
(釧路家裁北見支部平成17年1月26日審判)
 
【ポイント】複数の「虐待」に該当するような行動があり、その程度も重かったため、廃除が認められたと考えられます。
「重大な侮辱」による相続廃除が認められた判例
病気がちだった被相続人の面倒を見ずに無視し、「80まで生きれば十分だ。早く死んでしまえ。」などの罵倒を繰り返した息子について、一過性ではなかったことも鑑みて、「重大な侮辱」による相続廃除を認めた。 (東京高裁 平成4年10月14日)  

【ポイント】一時的な罵倒ではなく、断続的に長い間行われたことがポイントで、廃除が認められたと考えられます。
「その他の著しい非行」による相続廃除が認められた判例
被相続人(母)の長男について、70歳を超えて介護が必要な状態であった被相続人の介護を妻に任せたまま行方をくらまし、父から相続した田畑を勝手に売却し、妻と離婚した後も所在を知らせず扶養料も全く支払わなかったとして、悪意の遺棄に該当するとして「著しい非行」による相続廃除を認めた。 (福島家裁平成19年10月31日審判)  

【ポイント】当該相続人が親子間の扶養義務を全うしていないこと、相続的協同関係を破壊するに足りることと判断され、廃除が認められたと考えられます。
「その他の著しい非行」による相続廃除が認められた判例
借金を重ねて被相続人に2,000万円以上を返済させ、押しかけてきた債権者の対応をさせるなど、約20年間にわたり経済的や精神的に苦しめた長男について、「著しい非行」による相続廃除を認めた。 (神戸家裁伊丹支部平成20年10月17日審判)  

【ポイント】20年間という長い間、継続的に経済的・精神的苦痛を与えられたことがポイントとなり、廃除が認められたと考えられます。

相続廃除が認められなかった例3つ

今度は、相続廃除の申し立てを行ったものの認められず否定された例を紹介します。否定された理由の考察にも着目して、参考にしてみてください。

被相続人にも非があることを理由に、相続廃除が否定された判例
被相続人Xに暴行を働いた息子Yについて相続廃除を申し立てた事例です。 このケースでは、息子Yが暴行をした原因として、被相続人Xが妻(Yの母親)が生存中から愛人を囲い、妻の死後に周囲の反対を押し切って愛人と再婚したという自己中心的な態度があったことがありました。裁判所は、Yの相続廃除を否定しました。 (名古屋高裁金沢支部昭和61年11月4日決定)  

【ポイント】暴行などの原因が被相続人にある場合、相続廃除が認められないことがあります。
一過性な行為に過ぎないことを理由に、相続廃除が否定された判例
被相続人に対しての激しい暴行があった子について、相続廃除を申し立てた事例です。 このケースでは、両親の不仲が根底の原因にあり、母を擁護しようとした一時的な行為に過ぎないとして、子に対する相続廃除を否定しました。 (旭川家庭裁判所 昭和43年4月23日)  

【ポイント】継続的なものではなく一時的な暴行に対しては、相続廃除が認められないことがあります。
重大性がないことを理由に、相続廃除が否定された判例
長男や長男の嫁から、扇風機を投げつけられたり右手首裂傷などの怪我をさせられたり、侮辱するような言葉を言われたりしたことについて相続廃除を申し立てた事例です。 裁判所は、「虐待、侮辱、非行はいずれも被相続人との相続的協同関係を破壊する可能性を含む程度のものでなければならないと解すべき」としていますが、このケースではそこまでの重大なものと評価するに至らないとし、相続廃除を否定しました。 (名古屋高裁 平成2年5月16日)  

【ポイント】相続的協同関係を破壊するか否かという観点から、相続廃除を認めるほど重大ではないと判断された場合、相続廃除が認められないことがあります。

相続廃除を認めさせたいなら弁護士に相談がおすすめ

遺産を渡したくない相続人がいて相続廃除の申し立てを行ったとしても、申し立てのうち15%程度しか認められる割合はありません。約85%は相続廃除の申し立てが否定され、相続廃除できないという結果になっています。

相続廃除の申し立てを認めさせたいならば、裁判所が審判において重視するポイントを理解した上で、申立書や審判でその旨を主張・立証する必要があります。弁護士の手腕や証拠集めがとても重要になるため、どの弁護士に依頼するかが「相続廃除できるか」を決めるポイントとなります。

相続廃除に強い弁護士に依頼すれば、相続廃除の要件を満たすような主張・立証をしてもらうことができ、申し立てが認容される可能性が高まるでしょう。

「相続廃除を認めさせたい」「できるだけ遺留分を請求されたくない」「効果的な遺言の書き方を知りたい」など、相続廃除だけに限らず相続に関するお悩みがあればぜひご相談ください。

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相続廃除についての注意点

最後に、相続廃除についての注意点を3つ解説します。重要な注意点もあるので、必ず目を通しておくことをおすすめします。

相続廃除しても子がいれば子が代襲相続できる

特定の相続人を相続廃除したとしても、その相続人に子どもがいれば、その子どもが代襲相続(代わりに相続すること)できます

例えば、長期間継続的に虐待を受けていた長男を相続廃除したとしても、長男に子ども(あなたから見ると孫)がいれば、孫が代わりに財産を相続することになります。つまり、間接的に、相続廃除した相続人の元に財産が渡る可能性がある点には注意が必要です。

代襲相続もできるだけさせたくない場合には、相続に詳しい弁護士に相談し、遺言の書き方などのアドバイスをもらうことをおすすめします。

相続廃除は取り消しができる

相続廃除が家庭裁判所で認められて確定したとしても、被相続人が望めば、取り消しすることが可能です

そもそも相続廃除は、被相続人の「この相続人には相続させたくない」という意思を尊重するものです。被相続人に心変わりがあり、相続人を許して遺産を相続させたいという意思に変わったならば、取り消すことができるのです。

相続廃除を取り消す場合には、存命中に家庭裁判所に「相続人廃除の審判の取り消し」を申し立てるか、遺言にその旨をのこして手続きしてもらう方法があります。

※なお、相続廃除と似た制度である「相続欠格」の場合は、取り消しは一切できません。相続欠格は、被相続人の意思とは関係なく、法律(民法891条)で定められた欠格事由により相続権を奪われるからです。  

相続欠格については、以下の記事で解説しています。

相続廃除した後も「遺贈」はできる

相続廃除した相続人は相続から廃除されますが、遺言で財産を遺贈することはできると解されています。

これは、先ほど解説した相続廃除の取り消しと同様で、一度は「こいつに遺産はやらん」と思っても、時間が経って財産を遺そうという気持ちが芽生えたと解釈されるからです。

そのため、相続廃除が確定した相続人がいて、その相続人に遺言で遺贈があった場合には、遺贈の内容が有効になります相続廃除があったからといって、遺贈が無効となるわけではないので注意しましょう。

まとめ

本記事では「相続廃除」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。

▼相続廃除とは

以下のような3つの要件があった場合に、家庭裁判所に申し立てをし、認められれば相続から廃除できる制度のこと
❶被相続人に対して虐待をしたとき
❷被相続人に重大な侮辱を加えたとき
❸推定相続人にその他の著しい非行があったとき

相続廃除するための手続きには2つがある

・生前に被相続人本人が申し立てる「生前廃除」
・遺言で指定する「遺言廃除」

相続廃除が認められるケースはそれほど多くない

・相続廃除が認められるのは「15%程度」しかない

相続廃除が認められなかった例のポイント

・原因が被相続人にある場合、相続廃除が認められないことがある
・一時的な行為に対しては、相続廃除が認められないことがある
・相続的協同関係を破壊するかどうかの点から重大ではないと判断された場合、相続廃除が認められないことがある

相続廃除を家庭裁判所に認めてもらうためには、弁護士に相談して、認めてもらうための主張や証拠をしっかり用意することが大切です。まずはぜひお気軽にご相談ください。

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