相続財産調査|漏れなく正確に行うための完全マニュアル

弁護士法人サリュ代表弁護士 西村 学
この記事の監修者
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「相続財産の調査って具体的に何をすればいいのか。」

相続手続きではまず財産調査が必要ですが、何から手を付けていいのか分からないですよね。

相続財産調査は、遺産分割協議や相続放棄の判断、相続税申告を正しく行うために必ず行わなければいけません

相続の財産調査とはどのようなものか、まずは調査の全体像を理解しましょう。

相続財産調査は思ったよりも大変な作業です。亡くなった人の財産を全て明らかにする簡単な方法は存在せず、地道に調査を進めていくしかありません。

さらに近年はネットバンキングの口座や仮想通貨などデジタル遺産も加わり、財産調査はより複雑化しています。

しかし財産調査を適切に行わなかった場合、相続放棄が認められなかったり、他の相続人と揉めたり、相続税申告でペナルティを課せられるリスクが高まります。

次のような場合はプロの手を借りることをおすすめします。

【専門家に依頼すべきケース】

◎財産調査が負担である
◎正確に行える自信がない
◎平日、役所や銀行の手続きをするための時間を確保できない
◎相続放棄(3ヶ月以内)まで時間的に余裕がない

本記事では次の内容をまとめました。

本記事のポイント
相続財産の調査を進めていくための基礎知識
相続財産調査の進め方
相続財産調査を専門家に依頼すべきケース・費用相場・専門家の選び方

本記事を読めば、相続財産調査がどのようなものか、自分で進めるか専門家に依頼するかを判断することができます 。また、相続財産調査の流れや注意点が具体的にわかり、実際に調査を進めていくことができます。

是非最後まで読んでいってくださいね。

目次

相続で財産調査を進めていくための基礎知識

相続における財産調査とは、亡くなった人が保有していた財産を全て洗い出し、財産額を確定させることです。

【財産調査の一例】

・亡くなった人の財布からキャッシュカードを探し出し、それを元に銀行で残高証明書を発行してもらい、死亡日の預貯金額が1,000万円であることを確定させる
・亡くなった人の自宅引き出しで見つけた権利証を元に固定資産評価証明書を取り寄せ、そこに記載の評価額1,000万円を土地の価格として確定させる

一般的には財産とその額を証明する書面を集めて財産目録を作成することが財産調査のゴールとなります。

この章では財産調査がなぜ必要なのか、いつまでに完了しないといけないのか、財産調査を始める前に知っておくべきことを解説していきます。

【相続財産調査を進めていくための基礎知識】

◎相続財産の重要性|3つの目的
◎相続財産調査は3ヶ月以内に終わらせるべき
◎相続財産調査の方法・費用・期間

相続財産の重要性|3つの目的

相続の財産調査は何のために行うのでしょうか。そこには3つの重要な目的があります。

相続財産調査を行う目的
  1. 遺産分割協議で必要になるため
  2. 相続放棄するか判断するため
  3. 相続税申告を正しく行うため

1.遺産分割協議で必要になるため

複数の相続人がいる場合は遺産分割協議で財産の分け方について話し合いをしなければいけません。そのためには遺産分割の対象となる財産を事前に確定しておく必要があります

遺産分割協議では財産目録を見ながら誰がどの財産を受け継ぐかを決めていきます。

2.相続放棄するか判断するため

相続人が財産を承継したくない場合は、一切の 相続財産を受け継がない「相続放棄」をすることができます。これは主にマイナスの財産が多いときに活用できる制度です。相続放棄をするかどうか適切に判断をするためには財産の全容を明らかにしないといけません

例えば、預貯金1,000万円と借金2,000万円が残されていることが判明した場合は、借金を背負いたくないなら相続放棄を選ぶべきでしょう。

3.相続税申告を正しく行うため

財産の時価額が一定額以上になると相続税が課せられます。しかし相続財産を全て洗い出さないと相続税申告が必要かどうかを正しく判断できません。そして申告内容にも不備が生じて、追徴課税が課せられるリスクも高まります。

例えば、相続財産の時価総額を5,000万円として申告するとしましょう。後から3,000万円分の有価証券を保有していた場合、申告漏れとして過少申告加算税が課される可能性があります。

相続財産調査は3ヶ月以内に終わらせるべき

財産調査は相続が始まってから3ヶ月以内に終わらせなければいけません。なぜなら相続放棄の期限は相続があることを知ってから3ヶ月以内であるからです。

(参照:相続の承認又は放棄の期間の伸長 | 裁判所

前節でも述べたように、相続放棄をするかどうか決めるためには相続財産を全て把握している必要があります。

そのためにも相続が始まってからなるべく早く財産調査に取り掛かり、相続放棄に間に合うようにしましょう。

「3ヶ月」といっても実際にはそれほど猶予はありません

相続放棄を申し立てるには申述書を取り寄せて記入したり必要書類を揃えたりと、相続放棄の手続き期間がさらに必要だからです。

それらを考慮した上でできるだけ早く財産調査を終わらせるようにしましょう。

相続財産調査の方法・費用・期間

続いて相続財産調査の基礎知識について、基礎知識を下記にまとめました。

【相続財産調査の方法・費用・期間について】

進め方

遺産の手がかりを探して、それをもとに各機関に財産額を確認。

全ての財産を把握したら財産目録を作成

方法

・自分で行う【実践的】相続財産調査の進め方4ステップ

・専門家に依頼する専門家の選び方

費用の目安

数千円~数万円

《内訳》

・照会手数料数百円~数千円/

・書類発行料数百円~数千円/

・郵送代

※専門家に依頼する場合は別途調査代行費用(10万円~30万円)

期間の目安

12ヶ月

相続財産調査の進め方としては、コツコツと遺産を探し出して、各機関にひとつひとつ照会をかけていくことになります。

作業時間を確保できない場合は専門家に依頼することもできます。

どちらの方法にせよ残念ながら財産調査を一括で探し出すようなシステムはありません。泥臭く探し出していくのが最も確実な方法です。

そうした地道な作業の中にも効率的な手順はあるので、具体的な進め方は2章で紹介していきます。自分で行う場合も専門家に依頼する場合も、財産の種類や量にもよりますが平均して1~2ヶ月ほどかかると見込みましょう。

費用は実費の総額は数千円~数万円程度に収まりますが、専門家に依頼する場合は調査代行費用が発生します。

【実践的】相続財産調査の進め方4ステップ

本章では実際に相続の財産調査を進めていくための手順と方法をお伝えしていきます。

まずは全体の流れを確認しましょう。

《STEP1》

まずは最初に何を探すべきか把握するため、どの遺品が相続財産に該当するかを理解します。

《STEP2》

その後実際に遺品の中から相続財産の手がかりを探し出しましょう。

《STEP3》

相続財産の情報をつかんだら、次に死亡時の財産額がいくらだったかを各機関に問い合わせたり査定したりして確定させます。

《STEP4》

このようにして全ての相続財産を洗い出したら、最後はそれらを財産目録に一覧にまとめて完了です。

それではそれぞれの段階での進め方を見ていきましょう。

《STEP1》相続財産の範囲を理解する

まず財産調査を始める前に、遺品の中で何が相続財産になるかを把握してから取り掛かりましょう。

そもそも何を探せばいいのか分かっていなければ探しようがないですよね。

相続財産となるのは主に次のものです。

プラスの財産だけでなく借金などマイナスの財産も洗いだす必要があるので注意しましょう。

注意【生命保険金は対象?】
<原則>生命保険金は遺産分割の対象外であるが、相続税の課税対象になりうる
保険金の受取人が相続人の一人に指定されている場合、保険金はその者の固有財産とみなされるため、相続財産としてはみなされない 。よって遺産分割の対象にはならず、相続放棄しても受け取ることができる。
一方、亡くなった人が保険料を負担していた場合は相続税の課税対象となる。 (詳細:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁

近年は物的には存在しないデジタル遺産も増えているので、こちらも必ず確認するようにしましょう。

《STEP2》相続財産の手がかりを探す

調べるものが何か分かったら次は実際にその手がかりを見つけ出していきましょう。

ここで言う手がかりとは、財産の在り処を突き止めるための情報のことを指します。現物以外の財産の多くは亡くなった人の自宅にはないので、その所在を知るにはまず手がかりを探さないといけません。

例えば、亡くなった人が銀行口座に預貯金を持っていたとしても、周りの人がそのことを知らなければ財産を把握できませんよね。そこで通帳やキャッシュカードなどの手がかりを探し出すことで、銀行口座に預貯金があるという事実をつかむことができます。

主な相続財産の手がかりは下記の通りです。

【財産を見つけるための手がかり】

プラスの

財産

預貯金

・通帳、キャッシュカード

・金融機関のノベルティ

不動産

・固定資産税の納税通知書

・登記済権利証(登記識別情報)

有価証券

・株券

・取引報告書

・配当金の支払通知書

・株主総会招集通知書

・口座開設時の案内書

・株式発行会社の事業報告書

・証券会社等のノベルティ

マイナスの財産

・請求書

・督促状

これらを亡くなった人の自宅から探し出す必要がありますが、残念ながら探し方に必勝法はなく、地道に調べていくほかありません。

とはいえある程度探し方の手順は決まっているので、次の順で進めていくと効率がいいでしょう。

①代表的な保管場所を探す

まずは大事な書類を保管するのによく使う場所を探しましょう。

最初に確認すべきはカバン・財布・郵便受けです。次に代表的な場所といえば棚や引き出し、金庫ですが、他にも食器棚や冷蔵庫など意外な場所に保管していることも少なくありません。

【代表的な重要物の保管場所】

◎カバン
◎財布
◎郵便物受け
◎棚
◎引き出し
◎金庫
◎食器棚
◎冷蔵庫
◎仏壇

②通帳の入出金内容を確認する

亡くなった人の自宅を隈なく探したら、次は通帳の中を実際に見てみましょう。通帳がない場合は金融機関から取引履歴を取り寄せて確認することもできます。

通帳には入出金履歴が記帳されているので、そこから他の相続財産の情報をつかむことができます

【通帳の取引履歴から分かること:一例】

◎有価証券・投資信託等の払い込み
◎お金の貸し借り
◎不動産収入、等

③パソコン・スマホを確認する

亡くなった人がパソコン・スマホを所有していた場合は、財産やその情報もその中に詰まっている可能性が高いです。

下記のようなデジタル遺産が残されていないか、アプリや受信メールで探してみましょう。

【デジタル遺産例】

◎インターネットバンキングの口座
◎インターネットの株式・投資信託
◎仮想通貨
◎FX
◎電子マネーのチャージ残高
◎クラウドファンディングでの出資または資金調達

受信メールの量が多いときは「銀行・証券・明細・支払」などキーワード検索をかけると便利です。

注意【亡くなった人のパソコン・スマホを見るのは違法?】
デジタル遺品は近年登場したものであるため、現状法整備が追いついていません。亡くなった人の家族が調べられる範囲は定義できていない部分が多いですが、下記の行為はトラブルの元になるので注意しましょう。
 
✕ メールの中身まで見る…電気通信事業法の通信の秘密に抵触のおそれ
✕ SNSやクラウドにアクセス…不正アクセス禁止法に抵触のおそれ  

※個人情報保護法の観点では亡くなった人は対象にならない

④手がかりが見つからない場合

遺品から預貯金の手がかりを見つけ出せなかった場合は、次の方法で調べることができます。

■預貯金:片っ端から問い合わせる

地道でアナログな作業にはなりますが、近くの銀行に片っ端から問い合わせるという手もあります。

その際は下記の書類を求められる(金融機関によって異なる)ので、必要に応じて準備しましょう。

戸籍関係は集めるのが大変ですが、後々の段階(預貯金引き出しや不動産の名義変更)で結局必要になるものなので、この段階で揃えておいても損はありません。

【問い合わせに必要な書類の例】

◎亡くなった人の死亡が分かる戸籍または除籍
◎問い合わせする者の戸籍
◎問い合わせする者の本人確認書類、等

■不動産:名寄帳(固定資産課税台帳)取得する

名寄帳とはその人が所有している不動産を一覧にまとめたもので、固定資産税の納税通知書には載っていない墓地や私道などの非課税不動産も調べることができます。

取得方法は主に下記の通りですが、詳細は役所に問い合わせるかホームページを確認しましょう。

【名寄帳の取得方法】

申請先 不動産が所在する市町村役場
必要書類

・申請用紙(各市町村役場のホームページまたは窓口から入手)

・亡くなった人の死亡の事実が分かる戸籍または除籍謄本

・申請者が相続人であることが確認できる戸籍謄本

・申請者の本人確認書類 ・切手貼付済の返信用封筒(郵送の場合)

・手数料分の定額小為替(郵送の場合)

費用の目安 200円~300円
期間の目安 数週間
注意【名寄帳について】
名寄帳は発行する役所の管轄内の不動産しか記載されていないので、それを理解した上で活用するようにしましょう。

■有価証券:証券保管振替機構に問い合わせる

証券保管振替機構(通称ほふり)とは、株など有価証券の保管・管理を行っている機関です。同機構に開示請求すると亡くなった人が預託していた証券会社をつきとめることができます。

開示請求の手続きは下記を参考に行いましょう。

【証券保管振替機構への開示請求方法】

請求方法 郵送のみ
必要書類

・開示請求書(登録済加入者情報開示請求書 留意事項をダウンロード)

・亡くなった人の本人確認書類(住所が分かるもの)

・申請者の本人確認書類

・申請者の印鑑証明書または住民票

・亡くなった人の死亡の事実が分かる戸籍または除籍謄本

・申請者が相続人であることが確認できる戸籍謄本

費用の目安

6,050円/件

2件目以降は1件あたり1,100円追加

期間の目安 数週間
詳細URL ご本人又は亡くなった方の株式等に係る口座の開設先を確認したい場合

■借金:3つの信用情報機関に問い合わせる

マイナス財産は後から発覚すると特に厄介なので、漏れなく調べるようにしましょう。マイナス財産がないと思い込み相続を進めてしまうと、後から知ったときに相続放棄できなくなるリスクが高まるからです。

借金に関しては、借入情報を管理している下記3つの信用情報機関に開示を求めることでその有無を確認することができます。

【借入状況が分かる信用情報機関】

信用情報機関確認できる借入状況開示請求方法
株式会社日本信用情報機構(JICC)消費者金融系の契約内容郵送による開示手続き
株式会社シー・アイ・シー(CIC)クレジット系の契約内容郵送による法定相続人開示(死亡開示)の申込手続き
全国銀行個人信用情報センター(KSC)銀行系のローン(住宅ローン等)やキャッシング本人開示の手続き | 全国銀行個人信用情報センター

開示請求に必要な書類は亡くなった人と請求人の本人確認書類ですが、各機関によって異なるので詳細はホームページからご確認ください。

《STEP3》死亡時の財産額を確認する

遺産の手がかりを発見したらそれを元に各機関に問い合わせて死亡時の財産額を確認しましょう。

ここでは主な遺産内容別に確認方法をお伝えしていきます。

相続税申告を予定している場合はこの時点で申告の必要書類も取得しておくといいでしょう。(詳細:(参考) 相続税の申告の際に提出していただく主な書類

遺産分割協議を行う場合もトラブルを防止するために財産額を証明できる書面を発行してもらっておくのがおすすめです。

預貯金

通帳がない場合は金融機関から残高証明書を取得して財産額を確認してください。その際日付は必ず死亡日を指定して発行してもらいましょう。

残高証明書は次の方法で発行を依頼します。金融機関によって詳細は異なるので、事前にホームページで確認するか電話で問い合わせてから窓口に向かってください。

【残高証明書の取得方法】

申請先 口座がある金融機関
必要書類

・残高証明書発行依頼書

・亡くなった人の死亡の事実が分かる戸籍または除籍謄本

・申請者が相続人であることが確認できる戸籍謄本

・申請者の本人確認書類

・申請者の実印

・申請者の印鑑証明書

費用の目安 約500円~1000円
期間の目安 1~2週間

相続税の申告でも残高証明書は必須書類となっています。過去5年分の取引履歴も必要なので、併せて取得しておきましょう。有価証券

株や証券なども預貯金と同じく、証券会社等に問い合わせて残高証明書を発行してもらいます。

残高証明書の取得については下記方法が一般的ですが、詳細は各機関・会社のホームページでご確認ください。

【残高証明書の取得方法】

申請先 取引のある証券会社等
必要書類

・申請書

・亡くなった人の死亡の事実が分かる戸籍または除籍謄本

・申請者が相続人であることが確認できる戸籍謄本

・申請者の印鑑証明書

費用の目安
期間の目安 郵送:1、2週間

不動産

不動産を保有している場合、まずは登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して権利関係を確認します。その後不動産の評価額について調べます。

登記事項証明書は次の内容に沿って取得してください。

【登記事項証明書の取得方法】

申請先

最寄りの法務局またはオンライン

登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です :法務局

必要書類 申請書
費用の目安

窓口:600円

オンライン:500円(窓口受取なら480円)

期間の目安

窓口:即日

オンライン:数日~1週間

次に評価額について、固定資産税の納税通知書でも確認することはできますが、ない場合は固定資産評価証明書を取り寄せましょう。

取得方法は主に下記の通りですが、役所によって異なるので事前に確認する必要があります。

【固定資産評価証明書の取得方法】

申請先 不動産が所在する市町村役場
必要書類

・申請書

・申請者の本人確認書類

・申請者の戸籍謄本

・亡くなった人の死亡が分かる戸籍または除籍謄本

・切手貼付済の返信用封筒(郵送の場合)

・手数料分の定額小為替(郵送の場合)

費用の目安 約300円
期間の目安

窓口:即日

郵送:1、2週間

注意【相続における不動産の評価方法】
相続で不動産を評価する方法は固定資産税評価額以外にもいくつかあり、どの評価方法を採用すべきかは立地条件によっても異なります。相続人の中でも不動産を取得する人とそうでない人にとって不公平にならないよう、よく話し合って決めましょう。
詳細は国税庁のホームページでご確認ください。→No.4602 土地家屋の評価|国税庁

尚、登記事項証明書、固定資産評価証明書ともに相続税申告にも必要な書類です。

車・貴金属

自動車や貴金属も財産的な価値があるなら相続財産に含まれます。どれほどの価値があるのか査定業者に依頼しましょう。

インターネットだと質問事項を入力するだけで査定価格が表示されるサイトもあるので、相続税申告が不要な場合はこちらも手早く査定できて便利です。

借金

借入先の金融業者に問い合わせて借入金残高証明書を取得し、借入額を確認します。

取得方法については一般的には預貯金の残高証明書と変わりませんが、詳細は各業者に問い合わせてください。

【借入金残高証明書の取得方法】

申請先 取引のある金融機関
必要書類

・残高証明書発行依頼書

・亡くなった人の死亡の事実が分かる戸籍または除籍謄本

・申請者が相続人であることが確認できる戸籍謄本

・申請者の本人確認書類

・申請者の実印

・申請者の印鑑証明書

費用の目安
期間の目安 1~2週間
注意【金融業者に返済を求められたら…】
手続きのとき、金融業者に返済の約束をしてはいけません。相続放棄する可能性もあるため、「財産調査をしている」とだけ伝えるようにしましょう。

《STEP4》財産目録を作成する

遺産を整理して財産額も確定したら財産目録を作成しましょう。

財産目録とは相続財産の情報を一覧にまとめたもので、相続税申告では必要書類です。遺産分割協議においては必須ではありませんが、遺産分割調停に移行する場合は裁判所への提出書類になります。

それ以外の場合でも遺産の情報を整理するために財産目録は作っておくと大変便利です。

財産目録作成には特に決まった書式はありませんが、2点のポイントを押さえて作成しましょう。

【財産目録作成の2つのポイント】

◎相続財産を特定できるよう正確に記入
◎評価額の根拠を記入または添付

裁判所のホームページからテンプレートと記載例をダウンロードできるので、是非こちらをご活用ください。

相続財産目録

財産目録記載例

財産調査は地道な作業!専門家に依頼すべきケースと費用相場

前章を読んでいただいて分かる通り、相続財産の調査は意外に労力のかかる作業です。

ひとつひとつは自分でも行うことのできる作業ですが、負担に感じる場合は専門家に依頼しましょう。

特に下記のケースにあてはまる場合はプロの力に頼ることをおすすめします。

【専門家に依頼すべきケース】

◎財産調査が負担である
◎正確に行える自信がない
◎平日、役所や銀行の手続きをするための時間を確保できない
◎相続放棄(3ヶ月以内)まで時間的に余裕がない

専門家に依頼した場合にかかる費用の目安は下記の通りです。

実際には事務所や業務範囲によって大きく異なるので、必ず見積もりをとって確認するようにしましょう。

専門家の選び方

財産調査は弁護士・司法書士・行政書士・税理士に代行依頼することができます。どの専門家に相談するかは下記を参考にしてみてください。

この中で相続税申告がある場合は必ず税理士に相談するようにしましょう。

その他の専門家については、財産調査だけならばどの専門家でも大差はありません。しかし他の相続手続きと併せて相談したい場合は、各専門家には下記得意分野があるため、内容別に選ぶ必要があります。

【各専門家の特徴・専門領域】

税理士 税金のプロ。
相続税申告に向けて過不足ない財産調査を行ってくれる。
弁護士 交渉のプロであり法律の専門家。
相続人同士のトラブル解決に向けてサポートしてもらえる。
司法書士

法律と書類作成に詳しい。

不動産の名義変更等を依頼することができる。

行政書士

書類作成に詳しい。

対応業務の範囲が狭い(登記申請代行業務や紛争性のある業務を依頼することができない)ため、他の専門家に比べると料金が低めに設定。

各専門家の詳細な特徴についてはこちらの記事で解説しています。探し方や選び方についても紹介しているので、併せてご一読ください。

まとめ

最後に、あらためて本記事でお伝えした内容をおさらいしましょう。

まずは相続の財産調査をする上で必要な基礎知識をお伝えしました。

相続財産調査を進めていくための基礎知識
相続財産の重要性|3つの目的
相続財産調査は3ヶ月以内に終わらせるべき
相続財産調査の方法とかかる費用

次に、実際に相続財産調査を行うための方法をSTEPごとに解説しました。

【実践的】相続財産調査の進め方
STEP1.相続財産の範囲を確認する
STEP2.相続財産の手がかりを探す
STEP3.死亡時の財産額を確認する
STEP4.財産目録の作成

そして、専門家に依頼する場合について紹介しました。

専門家に依頼する場合
専門家に依頼すべきケース
専門家に依頼する場合の費用
税理士・弁護士・司法書士・行政書士、どの専門家に依頼すべきか

以上、本記事を元に相続の財産調査をトラブルなくスムーズに終わらせられることを願っております。


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