遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)とは?請求方法と注意点を解説

弁護士法人サリュ代表弁護士 西村 学
この記事の監修者
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一定の法定相続人(配偶者・子ども・親等 )には最低限受け取れる財産の割合(=遺留分)が決められており、遺留分に相当する財産を受け取れていない場合、請求する権利があります。この請求のことを「遺留分侵害額請求」または「遺留分減殺請求」と言います。

なぜ2つの言葉があるかというと、2019年7月施行の民法改正により、内容とともに名称が変更になったからです。大きな変更点として、原則的な 返還方法が現物返還から金銭請求に変わり、遺留分の計算に含める生前贈与の時期にも変更がありました。

この記事では、遺留分侵害額請求と遺留分減殺請求の違いを含め、実際に遺留分侵害額(減殺)請求を行うにはどうしたら良いか、費用はいくらかかるのか、注意すべき点はどこかまで、網羅的に解説していきます。

なお、遺留分侵害額(減殺)請求には1年の時効があり、時効を迎えてしまうと請求できる権利が無くなってしまいます。そのため、侵害されている遺留分を取り戻したいならば、なるべく早く動くことをおすすめします。

詳しくは本文で解説しますが、遺留分侵害額(減殺)請求は、時効を迎える前に、「あなたに侵害されている遺留分の金額を請求します」という主張を相手方に行うだけで行使可能です。遺留分は、不公平な遺言や相続から相続人を守るための仕組みなので、正当な権利として実行すべきです。

この記事を最後まで読み、後悔が残らないよう早めに行動してみてください。

目次

遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)とは【基礎知識】

遺留分侵害額請求(または遺留分減殺請求)の具体的な方法は後で解説するとして、ここでは基礎知識として、遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)とは何かを正しく理解していきましょう。

遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)とは

冒頭でも述べた通り、「遺留分侵害額請求」と「遺留分減殺(げんさい)請求」はどちらも、本来受け取れるはずの相続財産(=遺留分)が受け取れなかった場合に、足りない分を取り戻すよう求めることを指します。

なぜ2つの名称があるかというと、2019年7月施行の民法改正により、それまで「遺留分減殺請求」と呼ばれていた手続きが、「遺留分侵害額請求」という名称に変わったからです。

内容にも変更があったのですが、基本的にはどちらも「遺留分を取り戻すための手段」と考えて問題ありません。例えば、不公平な遺言があった場合や、亡くなる前に行われた生前贈与などの行為により、本来受け取れるはずの遺産が受け取れないケースで検討すべき手段となります。

遺留分侵害額(減殺)請求の事例

例えば、故人Aの相続人が妻Bだけの場合、相続財産が2,000万円なら妻Bの遺留分は1,000万円です。このケースで、遺言書により300万円分しか相続の指定を受けられなかった場合には、700万円分の遺留分を侵害されているということになります。

この場合、700万円分の遺留分を取り戻すための請求を、遺留分を侵害している相手に対して行うことができます。

遺留分侵害額請求(現法)と遺留分減殺請求(旧法)の違い

ここからは、具体的に、遺留分侵害額請求(現法)と遺留分減殺請求(旧法)の違いを説明していきます。

繰り返しになりますが、民法改正前に「遺留分減殺請求」と呼ばれていた手続きが、2019年7月施行の民法から「遺留分侵害額請求」という新しい制度に変わりました

2019年6月30日以前に発生した相続遺留分減殺(げんさい)請求
2019年7月1日以降に発生した相続遺留分侵害額請求

そのため、今から発生する相続に関しては「遺留分侵害額請求」と考えて問題ありません。

遺留分侵害額請求(現法)と遺留分減殺請求(旧法)の大きな違いは、❶適用時期、❷返還方法、❸算入できる生前贈与の期間の3つです。

❶遺留分侵害額(減殺)請求の適用時期の違い

 遺留分侵害額請求(現法)遺留分減殺請求(旧法)
適用時期2019年7月1日以降の相続2019年6月30日までの相続

遺留分侵害額請求(現法)は、2019年7月1日以降に発生した相続に適用されます。つまり、この日以降に亡くなった方の相続には、遺留分侵害額請求が適用されます。

一方、2019年6月30日以前に亡くなった方の相続については、遺留分減殺請求(旧法)が適用されます。

❷遺留分侵害額(減殺)請求の返還方法の違い

もっとも大きな変更点が、返還方法です。簡単に言うと、旧法では「現物を返す」が原則だったのが、遺留分侵害額請求(新法)ではお金で解決できるようになりました

遺留分減殺請求(旧法)では「現物で返還」が原則でした。現物とは、相続で分け与えられた不動産や株式、現金そのもののことです。この場合、お金はきっちり分割できますが、不動産など分割できない財産を返還する場合は、共有状態となります。しかし、不動産を共有状態にするとその後のトラブルに発展することが多く、スムーズな解決につながりにくいものでした。

そこで、遺留分侵害額請求(現法)では、侵害された遺留分の返還方法が「金銭債権」のみとなりました。つまり、遺留分侵害額に相当する金銭を直接的に請求できるようになり、以前の共有状態の問題が改善されました。

❸算入できる生前贈与の期間

 遺留分侵害額請求(現法)遺留分減殺請求(旧法)
遺留分の計算に含める生前贈与の時期相続人への生前贈与は相続前10年以内が対象原則として相続人への 生前贈与は全て対象(判例)

遺留分減殺請求(旧法)では、法定相続人への特別受益にあたる生前贈与は全て(時期を問わず)、遺留分を算定するための財産の価額に算入できました。しかし全て対象となると、20年前や30年前などの古い生前贈与まで持ち出されてトラブルになるケースがありました。。

そのため、遺留分侵害額請求(現法)では「相続開始前10年以内」と期間が区切られました。

 遺留分侵害額請求(現法)遺留分減殺請求(旧法)
遺留分の計算に含める生前贈与の時期法定相続人への特別受益にあたる生前贈与は相続開始前10年以内が対象法定相続人への特別受益にあたる生前贈与は全て対象
※特別受益とは、特定の相続人だけが被相続人から受け取った利益をいいます。具体的には、婚姻のための贈与、養子縁組のための贈与、生計の資本としての贈与、多額の生命保険金が該当します。特別な利益を計算に入れることにより、不公平を解消することができます。

遺留分侵害額(減殺)請求できる人とその割合

遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)ができる人は、被相続人(亡くなった方)の配偶者、直系卑属(子どもや孫)、直系尊属(親や祖父母)のみです。それ以外の親族は遺留分を受け取ることができないので、あらかじめ知っておきましょう。

なお、兄弟姉妹は、被相続人に子も直系尊属(親など)もいない場合には相続人になれますが、遺留分は認められていない点に注意しましょう。

遺留分の割合は、上記の画像の通りとなります。相続で受け取れる金額が遺留分よりも少ない場合、遺留分が侵害されている状態となり、遺留分侵害額請求(旧法では遺留分減殺請求)が可能です。

遺留分の割合について、もっと詳しく知りたい方は、「あなたの遺留分割合が一目で分かる!どこよりも詳しく解説」の記事をご覧ください。

遺留分侵害額(減殺)請求の3つの具体例

遺留分侵害額請求(旧法では遺留分減殺請求)をするケースにはどのようなものがあるか、具体的に見ていきましょう。

相続人の間での遺留分侵害額(減殺)請求

被相続人A
相続人長男B・次男C・長女D
相続財産3,000万円
状況Aが亡くなり、長男B・次男C・長女Dが相続することになった。Aの配偶者(B・C・Dから見ると親)はすでに他界。「長男Bに遺産を全て渡す」旨の遺言が残されていた。

この場合、遺言に従えば次男C・長女Dは一切遺産を受け取ることができません。しかし、次男C・長女Dには遺留分(それぞれ500万円)があり、侵害されている遺留分を請求する権利があります。

相続人以外への遺留分侵害額(減殺)請求

被相続人A
相続人長男B・次男C・長女D
相続財産3,000万円
状況Aが亡くなり、長男B・次男C・長女Dが相続することになった。Aの配偶者(B・C・Dから見ると親)はすでに他界。しかし、「愛人Eに遺産を全て渡す」旨の遺言書が発見された。

この場合、遺言に従えば長男B・次男C・長女Dは遺産を受け取ることができません。しかし、長男B・次男C・長女Dには遺留分(それぞれ500万円)があり、侵害されている遺留分(合計1,500万円)を愛人Eに請求する権利があります。

生前贈与についての遺留分侵害額(減殺)請求

被相続人A
相続人長男B・次男C
相続財産3,000万円
状況Aが亡くなり(Aの配偶者はすでに他界)、長男B・次男Cが相続することになり、それぞれ1,500万円を相続した。しかし亡くなる5年前に、長男Bが投資物件をAから受け取っていたことが分かった。次男Cは不公平感を覚え、遺留分を取り戻そうと考えた。

相続開始後、相続財産3,000万円で相続人が子2名だけなので、法定相続分としてそれぞれ1,500万円を相続しました。しかしその後に、長男Bが投資物件(相続時5,000万円の価値)を生前に受け取っていたことが明らかになったケースです。

この場合、遺留分の基礎となる相続財産の金額は3,000万円+5,000万円=8,000万円となり、全体の遺留分合計が2分の1なので、それぞれの遺留分は4,000万円×2分の1=2,000万円となります。

次男Cは相続分を1,500万円しか受け取っていないため、侵害されている遺留分(500万円)を長男Bに請求する権利があります。

遺留分侵害額(減殺)請求できる金額を計算する3ステップ

「自分のケースでは遺留分侵害額(減殺)請求ができそうだ」と判断できたら、実際に「遺留分の金額はいくらか」「侵害額がいくらか」を計算してみましょう。

遺留分の計算式はとてもシンプルで、【遺留分の基礎となる財産】×【個別の遺留分の割合】で表されます。

遺留分=【遺留分の基礎となる財産】×【個別の遺留分の割合】

ただし、遺留分の基礎となる財産の金額が正確でなければ、正確な遺留分額を算出できません。「遺産がいくらか分からない」「生前贈与の存在が不明」という場合は、弁護士に相談してみることも視野に入れると良いでしょう。

【遺留分計算ステップ1】遺留分の基礎となる財産を確認する

遺留分の基礎となる財産には、相続開始時の遺産合計だけでなく、生前に贈与された財産なども含まれます。それらを合計した後、負債(借金など)があれば差し引いて、合計を出します。

遺留分の基礎となる財産❶不動産・金融資産・動産などのプラスの遺産
❷生前贈与(相続開始前1年以内)
❸相続人に対する特別受益にあたる生前贈与(相続開始前10年以内)
❹遺留分を侵害すると知って行われた贈与(期間制限なし)
❺遺留分権利者に損害を与えることを知って行われた不相当な対価による有償行為(期間制限なし)

❶+❷+❸+❹+❺から、負債(借金など)を差し引く
※遺留分権利者に損害を与えることを知って行われた不相当な対価による有償行為とは、例えば、1億円の価値がある土地を1,000万円で売ってもらったような行為が該当します。この場合、差額の9,000万円の贈与を受けたものとみなして遺留分侵害額(減殺)請求できる可能性があります。
※遺留分減殺請求(民法改正前である2019年6月30日以前に開始した相続)の場合は、相続人への特別受益にあたる生前贈与の期間に制限はありません。

預貯金は通帳や残高証明書などを用意すれば明らかになりますが、不動産などは相続人で評価方法を決めて評価額を算定する必要があります。その他、生前贈与などが無かったかどうかも、相続財産調査によって明らかにすると良いでしょう。

例:相続財産(1億3,700万円)+生前贈与(1,000万円)-負債(200万円)=1億4,500万円

【遺留分計算ステップ2】個別の遺留分割合を掛ける(乗算する)

遺留分の基礎となる財産の合計が出たら、個別の遺留分割合を掛けて計算しましょう。

遺留分の割合・配偶者のみの場合は、2分の1
・配偶者と子の場合は、4分の1ずつ
・配偶者と父母の場合は、配偶者3分の1・父母12分の1ずつ
・子どものみの場合は、2分の1
・父母のみの場合は、6分の1ずつ

  ※被相続人の兄弟姉妹には遺留分が無いため、兄弟姉妹の遺留分はゼロ

例えば、遺留分の基礎となる財産が1億4,500万円、自分の遺留分が4分の1の場合、遺留分額は3,625万円となります。

【遺留分計算ステップ3】侵害されている遺留分額を算出する

最後に、侵害されている遺留分額がいくらになるか計算します。

侵害されている遺留分額=【遺留分額】-【相続で受け取る金額】

例えば、Aが亡くなり、相続人が妻Bと子どもCのみで、遺言書に「妻Bには不動産全てを、子どもCに現金全てを与える」という旨が書かれていたケースを考えます。遺留分の基礎となる財産は1億4,500万円、自分(妻B)の遺留分が4分の1の場合、遺留分額は3,625万円となります。

このケースでは、自分が受け取る不動産評価額が3,625万円を下回っている場合、遺留分が侵害されているため遺留分侵害額(減殺)請求を行えます。

例えば、不動産評価額が2,000万円の場合、

侵害されている遺留分額=3,625万円-2,000万円=1,625万円となります。

遺留分侵害額(減殺)請求できる金額が分かったら、準備は完了です。あとは、次の章で具体的に請求する流れを詳しく解説していきます。

遺留分の計算方法についてもっと詳しく知りたい方は、「遺留分の計算方法|3ステップで誰でも遺留分を求められる【計算例付き】」の記事をご覧ください。

遺留分侵害額(減殺)請求を行う4ステップ

ここからは、遺留分侵害額(減殺)請求を行う4ステップを詳しく解説していきます。

実は、遺留分侵害額(減殺)請求には、法律で決められた手順はありません。そのため、必ずしも裁判所を介する必要はなく、相手方との交渉をベースに進めていく流れとなります。

遺留分侵害額(減殺)請求を行う4ステップ
❶遺留分を侵害している相手方との話し合い
❷話がまとまらない場合は、配達証明付き内容証明を送る(相続開始から1年以内に)
❸それでも決着しない場合は、調停
❹それでも決着しない場合は、訴訟

遺留分侵害額(減殺)請求をするためのステップには、❶話し合い、❷配達証明付き内容証明を送る、❸調停、❹訴訟という4ステップがあります。

それぞれのステップについて、詳しく解説していきます。

【遺留分の請求ステップ1】まずは相手方と話し合い

まずは遺留分を侵害している相手方と話し合ってみましょう。侵害されている遺留分があることを伝えて、相手に支払う意思があるかどうかを確認します。

直接話し合っても良いですが、話し合いを有利に進めるために、早い段階から弁護士に間に入ってもらう方法も有効です。話し合いで合意が得られれば、合意書を作成し、約束通りに支払いを受けてください。

【遺留分の請求ステップ2】配達証明付き内容証明郵便を送る(時効に注意)

話し合ってもまとまらない場合や早期解決が難しそうな場合は、必ず相続が開始してから1年以内に、配達証明付き内容証明郵便を送りましょう

遺留分侵害額(減殺)請求できる権利には2つの時効があり、相続開始と遺留分侵害の事実を知ってから1年以内、なおかつ、相続開始10年以内に請求しなければなりません。

遺留分侵害額(減殺)請求権の消滅時効・相続が開始したこと
・遺留分が侵害されていること
の両方を知ってから1年経つと、 遺留分侵害額(減殺)請求する権利が消滅する
遺留分侵害額(減殺)請求権の除斥期間相続が開始してから(被相続人が亡くなってから)10年経つと、
遺留分侵害額(減殺)請求する権利が消滅する

「被相続人が亡くなったのを知らなかった」「遺留分が侵害されている事実を知らなかった」という場合は、相続開始後1年経った後のタイミングで時効を迎えます。しかし、「知らなかった」ということを証明するのは難しいので、できるだけ被相続人が亡くなって1年以内に必ず請求しましょう。

請求の方法に決まりはなく口頭でも良いことになっていますが、確固たる証拠を残すため、配達証明付き内容証明郵便を利用するのが確実です。時効を迎える前に、しっかりと「遺留分侵害額(減殺)請求を行使する意向」を伝えることが大切です。

これらが分かるよう、以下の要素が含まれるような書式を作り、配達証明付き内容証明を送ってください。

・請求する人の名前(あなた)
・請求する相手(送付先)
・請求の対象となる遺贈・贈与・遺言の内容
・遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求する旨
・請求する日時

配達証明付き内容証明を送った後は、相手方と協議します。協議の方式も特に定められていないため、直接会っても良いですし、電話やメール、手紙でも構いません。協議がまとまったら、合意書を取り交わして、侵害された遺留分を返還してもらいます。

【遺留分の請求ステップ3】遺留分侵害額(減殺)請求調停を申し立てる

内容証明郵便で請求しても無視される場合や合意できない場合は、家庭裁判所での手続きが必要です 。家庭裁判所で「遺留分侵害額(減殺)請求調停」を申し立て、相手と話し合います。

【遺留分の請求ステップ4】遺留分侵害額(減殺)請求訴訟を起こそう

調停で話し合っても合意できない場合には、訴訟に発展します。地方裁判所で「遺留分侵害額(減殺)請求訴訟」を起こして争います。

訴訟の中で、あなたの遺留分の主張と証明ができれば、裁判所が相手方に支払い命令を出してくれます。相手方が支払わなければ差し押さえも可能です。

遺留分侵害額(減殺)請求にかかる費用

遺留分侵害額(減殺)請求にかかる費用には、最低限必要な費用(実費)と、弁護士に依頼する場合の費用があります。

遺留分侵害額(減殺)請求で最低限必要な実費

遺留分侵害額(減殺)請求を行う場合の費用は以下のとおりです。

 費用
口頭で 遺留分侵害額(減殺)請求する場合費用は無し ※交渉を弁護士に依頼する場合は、別途弁護士依頼費用がかかります。
配達証明付き内容証明を送って 遺留分侵害額(減殺)請求する場合1通1,279円
・定形郵便物の基本料:84円(25g以内)
・内容証明の加算料金:440円(2枚目以降1枚当たり260円)
・一般書留の加算料金:435円
・配達証明の加算料金:320円
  ※弁護士に依頼する場合は、別途弁護士依頼費用がかかります。

なお、口頭での遺留分侵害額(減殺)請求も可能ですが、証拠に残す意味で、配達証明付き内容証明がおすすめです。また、調停・訴訟に発展した場合は、以下の料金が最低限かかります。

相手が応じず、 調停を申し立てる場合収入印紙1,200円分+郵便切手代
※弁護士に依頼する場合は、別途弁護士依頼費用がかかります。
相手が応じず、 訴訟を起こす場合金額に応じた裁判所手数料
100万円まで:10万円ごとに1,000円
500万円まで:20万円ごとに1,000円
1,000万円まで:50万円ごとに2,000円
1億円~10億円まで:100万円ごとに3,000円
10億円を超える部分:500万円ごとに1万円
50億円を超える部分:1,000万円ごとに1万円
※弁護士に依頼する場合は、別途弁護士依頼費用がかかります。

調停・訴訟に発展するような場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

遺留分侵害額(減殺)請求を弁護士に依頼する場合の費用相場

遺留分侵害額(減殺)請求を弁護士に依頼する場合の費用相場は以下です。ただし、弁護士費用は自由化されているため、依頼する事務所によりかなり幅があります。

弁護士法人サリュの遺留分侵害額(減殺)請求の弁護士費用は「遺産相続の弁護士費用」のページをご覧ください。

内訳費用の相場
初回の相談料  5,000円~1万円程度(30分~1時間程度) ※相談無料の弁護士事務所もあり
着手金(初期費用)10万円~30万円程度の弁護士事務所が多い ※請求額に応じて価格を細かく設定している場合もあり
成功報酬(回収できた場合)回収額や弁護士事務所により変動 日弁連の旧報酬基準に従った目安は以下
・回収額が300万円以下:回収額の17.6%
・回収額が300万円超3,000万円以下:回収額の11%+19万8,000円
・回収額が3,000万円超3億円以下:回収額の6.6%+151万8,000円
・回収額が3億円超:回収額の3.3%+811万8,000円
  ※回収額にかかわらず、固定で経済的利益の〇%としている事務所もあり
調停に発展した場合追加の着手金(10万円~30万円程度) が必要になる場合が多いが、発生しない事務所もある
裁判に発展した場合追加の着手金(10万円~30万円程度) が必要になる場合が多いが、発生しない事務所もある
その他出張費や日当、事務手数料、実費(印紙代や切手代など)

弁護士費用についてもっと詳しく知りたい方は、「相続にかかる弁護士費用の相場が分かる!費用を抑えるコツも紹介」の記事をご覧ください。

遺留分侵害額(減殺)請求を行う上での注意点

ここまで、遺留分侵害額(減殺)請求の内容、自分で遺留分侵害額(減殺)請求を進めるための方法について解説してきました。ここからは、請求する上での注意点について解説します。

事前に知っておかないと、最悪の場合、受け取れるはずの遺留分がもらえない事態に発展してしまうことも。必ず目を通して理解しておきましょう。

3つの時効(除斥期間)に注意しよう

遺留分を取り返す上で気を付けなければならない時効が3つあります。それぞれの時効を迎える前にしかるべき対処を行い、侵害されている遺留分を確実に取り戻せるようにしましょう。

❶遺留分侵害額(減殺)請求権の消滅時効:1年

「相続が開始したこと」「遺留分が侵害されていること」の両方を知ってから1年以内に遺留分侵害額(減殺)請求を行わなければ、時効により請求権が消滅してしまいます

「遺留分を請求しますよ」という意思を相手方に伝えることで時効を中断できます。いつ請求したか証拠を残すために、配達証明付き内容証明郵便を活用して、相手方に意思を伝えましょう。

❷遺留分侵害額(減殺)請求権の除斥期間:10年

相続が開始してから(被相続人が亡くなってから)10年経つと、遺留分侵害額(減殺)請求権は除斥期間を迎え、権利が消滅します。除斥期間は自動的に進行し、中断や更新する方法はありません。

「相続が開始したことを知らなかった」という場合、相続開始から10年が経過する前に、遺留分侵害額(減殺)請求を行使しましょう。

❷金銭請求権の消滅時効:5年

遺留分侵害額請求を行った後にも、気を付けなければならない時効があります。それが、金銭請求権の消滅時効です。金銭請求権(つまり、侵害されている遺留分額を請求できる権利)は、遺留分侵害額請求を行った時から発生します。

5年後に時効を迎えてしまい、相手方に消滅時効を援用(主張)されてしまうと、金銭請求権が消滅し、請求できなくなってしまいます。相手方に支払うつもりが無い場合は、時効完成前に時効中断(完成猶予)の手続きを行う必要があります。遺留分侵害額請求をした後にも、5年以内に時効の完成を止める必要がある点に注意が必要です。

遺言無効を主張する場合も遺留分侵害額(減殺)請求しておこう

遺言書の内容によっては、遺留分侵害額(減殺)請求ではなく、遺言書そのものの無効を主張して争うケースがあります。しかし、遺言書の効果の有無について争っている間も、遺留分侵害額(減殺)請求権の時効が進行してしまう可能性がある点に注意しましょう。

遺言の無効について調停や訴訟で争っているうちに遺留分侵害額(減殺)請求の消滅時効を迎えてしまうと、遺言の有効性が認められた時に遺留分を主張しても間に合いません。遺言の有効性を争う場合も、念のため、遺留分侵害額請求権を行使しておくと安心です。同様に、養子縁組の無効を求める場合も、遺留分侵害額請求を忘れずに行いましょう。

遺留分侵害額(減殺)請求が不安なら弁護士へ相談してみよう

遺留分侵害額(減殺)請求について不安があるならば、弁護士に相談することを検討してみましょう。弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあるからです。

遺留分の請求を弁護士に依頼する4つのメリット
❶侵害されている遺留分を取り戻す上での確実性が高まる
❷交渉を任せられるため精神的ストレスを軽減できる
❸侵害されている遺留分の金額を、より正確に計算できる
❹調停や訴訟に発展しても安心

弁護士に依頼すると、手続きをスムーズに進められるだけでなく、侵害されている遺留分の金額をより正確に計算できます。場合によっては、見えにくかった生前贈与の存在を発見し、それらを遺留分の基礎となる財産に算入することで、取り戻せる遺留分が増額するケースもあります。

弁護士法人サリュの解決事例
遺産を生前に他の相続人に移されていても、遺留分侵害額請求によって回復!

遺産の内容が聞いていたものと違っていた。
Vさんは、兄弟のWさんとの間で、お父様の遺産をめぐり相続トラブルになっていました。
Vさんは、お父様の遺産が聞いていた金額と比べ物にならないほど減っていたことに気づき、大変驚かれていました。
しかも、お父様が作られた遺言書は、遺産をすべてWさんに相続させる内容になっていました。
そこで、Vさんは遺産がもらえないかもしれないと不安になり、サリュへ相談して、Wさんとの交渉をお任せいただきました。

サリュのサポート
生前贈与が無いか調査
サリュは、Wさんに対して、遺留分侵害額請求を行いました。また、並行して、お父様の生前の預金の流れを調査しました。
すると、Wさんが、お父様の生前に、お父様から多額の贈与を受けていたことが明らかになったのです。
そこで、サリュは、Wさんへの生前の贈与の額を遺産に加えて遺留分侵害額を計算し、Wさんと交渉し、無事、返還を受けることができました。

また、相手方が支払いを拒否する姿勢を見せる場合は、できるだけ弁護士に依頼することをおすすめします。なぜならば、相手方もできるだけ遺留分を払いたくないため、時効の完成を主張したり、請求額を減額する方法を考えたりしてくると予想されるからです。

交渉を有利に進めたい方は、遺留分侵害額(減殺)請求について弁護士に早期から相談すると良いでしょう。

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まとめ

この記事では、遺留分侵害額請求(旧法では遺留分減殺請求)の基礎知識から具体的な進め方まで詳しく解説しました。法律に詳しくない方が読んでも理解できるよう、なるべく簡単な言葉で解説したつもりです。

しかし、遺留分侵害額(減殺)請求は、その手続きの進め方や時効についての考え方、計算方法、そもそも相続財産がいくらあるのかを見極める方法など、専門家でなければ難しい点がたくさんあります

もし「侵害されている遺留分があるはずだけど、自分だけでは不安だ」と感じるのであれば、ぜひ法律のプロである弁護士に相談してみることをおすすめします。あなたの悩みが解決することをお祈りしております。

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