弁護士 西村 学
弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授
弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。
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同志社大学法科大学院客員教授
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法律上の婚姻関係を結んでいないものの、長期間にわたり夫婦同然のように生活してきた関係(内縁関係)がある場合、内縁の配偶者に遺産を残すことはできるのでしょうか。
法的なつながりがないとしても、家族と同様に過ごしてきた人に対して遺産を残したいという方はいるでしょう。
本記事では、
を解説します。本記事は5分程度で読むことができますので、ぜひ最後までご一読ください。
本テーマについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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法律上、法定相続人(遺産を相続することができる人)は、限定されており、婚姻をしている配偶者は、子や兄弟の有無にかかわらず、常に相続人になることができます。
(配偶者の相続権)
被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
民法890条
一方で、婚姻関係がなく、内縁関係に過ぎない場合、民法の「配偶者」には該当しないため、相続人にはなりません。
令和元年7月1日以降の相続については、相続人以外の「親族」が無償で療養看護などをしていた場合に、一定の金銭を相続人に請求できるという「特別寄与料」の制度が設けられました(民法1050条)が、この制度で請求できる人も「親族」に限られており、内縁関係は含まれません(民法725条)。
そのため、内縁の妻(夫)に遺産を残すことは原則として難しいといえます。
仮に、内縁関係があるに過ぎない場合、内縁の妻(夫)に遺産を残すことは一切できないのでしょうか。
実は、法定相続人でなくとも、内縁の妻(夫)が遺産を取得する方法はあります。
遺言の方法によれば、誰に対しても遺言書で遺産を贈与することは可能です。もっとも、遺言によっても他の相続人の遺留分を侵害することはできません。
遺言書はいつでも書き直しができてしまうので、確実に遺産を受け取りたいのであれば、生前贈与をしてもらうという方法もあります。
遺言や生前贈与が難しい場合は、内縁関係の解消し、二人の財産を半分に分けることを求める財産分与を請求する方法があります。内縁の妻(夫)に相続権は認められていませんが、生前の財産分与は認められています。
遺産は、必ず法定相続人間で分けなければいけないというわけではありません。相続人が納得すれば、内縁関係があるに過ぎない妻や夫であっても遺産を譲ってもらえる可能性はあります。
法定相続人が1人もいない場合、その遺産は国庫に帰属することになります。しかし、国庫に帰属する前に、生前に特別の縁故がある者に遺産を分配する手続きがあり、特別縁故者への分与という制度です(民法958条の3)。これは、相続財産管理人の選任が前提となります。
内縁の妻(夫)は、遺産を受け取ることは難しいですが、受け取る方法はあります。生前の話し合いが重要ですので、あらかじめ対策しておきましょう。生前対策でお悩みがあれば、当事務所の無料相談をご利用ください。