【保存版】遺産分割調停の必要書類一覧|入手方法・書き方・注意点

遺産分割調停の必要書類
この記事の監修者
弁護士西村学

弁護士 西村 学

弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授

弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。

「遺産分割調停に必要な書類は何?」

「書類はどうやって記入すればいいの?」

遺産分割調停を検討している方は、親族間での遺産分割調停が思うように進まずに、頭を悩ませていることと思います。

遺産分割調停の申立をするには多くの書類が必要になるので、揃え方や書き方が分からないと、さらに悩んでしまいますよね。

この記事では取得元取得方法も記載したひと目で分かる一覧表を用いて、遺産分割調停の必要書類について紹介します。

★が付いた書類は、該当する財産や遺言がある場合、相続税申告を行った場合など、特定の場合に必要になるものです。

【遺産分割調停の必要書類一覧】
必要書類取得元取得方法


申立書類
遺産分割申立書

管轄の家庭裁判所

家庭裁判所の窓口
または
裁判所HPからダウンロード
当事者目録
遺産目録
相続相関図申立人・代理人が作成


















添付書類







書証番号をつけない
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本本籍地のある
市区町村役場

窓口・郵送

被相続人の住民票除票

被相続人の最後の住所地の市区町村役場
窓口・郵送
※廃棄済みの場合は本籍地の市区町村役場から戸籍の附票を取り寄せ
相続人全員の戸籍謄本(発行3か月以内)本籍地のある
市区町村役場
窓口・郵送
相続人全員の住民票(発行3か月以内)住所地の
市区町村役場
窓口・郵送
★登記簿謄本または登記事項証明書(発行3か月以内)
法務局

窓口・郵送

★固定資産評価証明書
所在地の市区町村役場、または市税(都税)事務所
窓口・郵送






書証番号をつける
★預貯金通帳、証書の写し
または
残高証明書等
被相続人の居宅、または金融機関等
残高証明書は金融機関で発行を依頼
★株式の預かり証
または
残高証明書等
証券会社等残高証明書は証券会社で発行を依頼
★自動車の登録事項証明書の写し
または
車検証の写し
自動車内・被相続人の居宅等自動車のダッシュボード内や被相続人の居宅内を捜索、運輸支局への請求
★相続税の申告書の写し相続人保管の控え相続税を申告した場合は、控えの写しを提出

★遺言書の写し
相続人、遺言執行者、公証役場、法務局自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合、検認済み証書の写しも提出
その他収入印紙郵便局・法務局・市区町村役場・コンビニ等被相続人1人につき1,200円分
郵便切手申立する裁判所に確認して用意

申立書類は無料で取得できますが、添付書類は取得するのに費用がかかるものもあります。

添付書類の取得費用は、以下のとおりです。但し、市町村や金融機関、証券会社によって異なるものもありますのでご注意ください。

【遺産分割調停の添付書類の取得費用】
添付書類取得費用





書証番号をつけない
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本1通750円
戸籍事項証明書は1通450円
被相続人の住民票除票1通300円または350円
相続人全員の戸籍謄本(発行3か月以内)1通450円
相続人全員の住民票(発行3か月以内)1通300円~400円
登記簿謄本または登記事項証明書(発行3か月以内)1通600円
固定資産評価証明書1通200円~400円




書証番号をつける
預貯金通帳・証書の写しまたは残高証明書等残高証明書は500円~1,000円程度
株式の預かり証、または残高証明書等残高証明書は1,000円程度
自動車の登録事項証明書の写しまたは車検証の写し登録事項証明書は1件あたり300円
相続税の申告書の写し
遺言書の写し

ただし、遺産分割調停の申立を1人で準備するのは時間と労力がかかるだけでなく、間違いがないか不安が付きまといますから、弁護士に依頼することをおすすめします。

この記事では、遺産分割調停の必要書類について詳しく知りたい方に向けて、以下のポイントを紹介します。

本記事のポイント
◎遺産分割調停の必要書類一覧を解説
◎遺産分割調停の申立書類の書き方を紹介
◎遺産分割調停の添付書類の取得費用・取得方法を解説
◎遺産分割調停の必要書類を提出する時の注意点を紹介

本記事を読めば、遺産分割調停の必要書類を準備できるようになります。

遺産分割調停の申立をスムーズに進められるように、ぜひ最後まで読み進めていただければ幸いです。

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目次

【ひと目で分かる】遺産分割調停の必要書類一覧

遺産分割調停の必要書類は、たくさんあって複雑そうに見えますよね。

遺産分割調停に必要な書類を大きく分類すると、以下の3つです。

遺産分割調停の必要書類
申立書類遺産分割調停の申立をする意思を表示し、誰が当事者で、どのような遺産があるかを明らかにするための書類
添付書類申立書類に記入した事実関係を証明するための書類
その他収入印紙・郵便切手

遺産分割調停の申立の準備は、以下の流れで進めていきます。

遺産分割調停の申立の流れ
流   れすべきこと
① 申立書類を家庭裁判所の窓口で取得
  または 裁判所HPからダウンロードして記入する
・申立書類の取得
・申立書類の記入
② 添付書類を取得する・添付書類の取得 
 ※一番手間がかかる!
③ 申立書類と添付書類、その他(収入印紙・郵便切手)を合わせて  
  裁判所に提出する
・収入印紙・郵便切手の用意
・全書類の提出

添付書類は取得するだけですが、取得元の窓口を何か所も訪れたり郵送してもらう手配を整えなければならないので、一番大変です。

申立書類と添付書類についてさらに細かく説明すると、以下の一覧表にあるように申立書類は4種類添付書類は最大11種類が必要になります。

一覧表の取得元と取得方法を参考にして、揃えていきましょう。

★が付いている書類は、該当する財産や遺言がある場合や、相続税申告を行った場合など、特定の場合に必要になるものです。

【遺産分割調停の必要書類一覧】
必要書類取得元取得方法


申立書類
遺産分割申立書

管轄の家庭裁判所

家庭裁判所の窓口
または
裁判所HPからダウンロード
当事者目録
遺産目録
相続相関図申立人・代理人が作成


















添付書類







書証番号をつけない
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本本籍地のある
市区町村役場

窓口・郵送

被相続人の住民票除票

被相続人の最後の住所地の市区町村役場
窓口・郵送
※廃棄済みの場合は本籍地の市区町村役場から戸籍の附票を取り寄せ
相続人全員の戸籍謄本(発行3か月以内)本籍地のある
市区町村役場
窓口・郵送
相続人全員の住民票(発行3か月以内)住所地の
市区町村役場
窓口・郵送
★登記簿謄本または登記事項証明書(発行3か月以内)
法務局

窓口・郵送

★固定資産評価証明書
所在地の市区町村役場、または市税(都税)事務所
窓口・郵送






書証番号をつける
★預貯金通帳、証書の写し
または
残高証明書等
被相続人の居宅、または金融機関等
残高証明書は金融機関で発行を依頼
★株式の預かり証
または
残高証明書等
証券会社等残高証明書は証券会社で発行を依頼
★自動車の登録事項証明書の写し
または
車検証の写し
自動車内・被相続人の居宅等自動車のダッシュボード内や被相続人の居宅内を捜索、運輸支局への請求
★相続税の申告書の写し相続人保管の控え相続税を申告した場合は、控えの写しを提出

★遺言書の写し
相続人、遺言執行者、公証役場、法務局自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合、検認済み証書の写しも提出
その他収入印紙郵便局・法務局・市区町村役場・コンビニ等被相続人1人につき1,200円分
郵便切手申立する裁判所に確認して用意

申立書類の書き方については、遺産分割調停の申立書類の書き方で記入例や注意点を交えて説明します。

なお、申立書類はすべて無料で用意できるのに対して、添付書類は取得するのに費用がかかるものが少なくありません。

遺産分割調停の添付書類の取得費用では、取得元と合わせて取得費用について詳しく紹介します。

▼遺産分割調停の必要書類チェックシートの活用がおすすめ!
遺産分割調停の申立をするなら、ぜひ遺産分割調停の必要書類チェックシートをご活用ください。

青字の部分をクリックしていただくと、リンク先が見られ、印刷も可能です。

遺産分割調停の申立時によく起こりがちなのが書類の漏れです。提出しなければならない書類が漏れていれば、追って提出することになります。

遺産分割調停の必要書類チェックシートをダウンロードして活用すれば、チェックボックスに印を付けながら書類を揃えられるので、提出漏れを防げます。

書類を揃えていくなかで判断に迷った場合は、管轄の家庭裁判所に問い合わせましょう。

遺産分割調停の申立書類の書き方

遺産分割調停に必要な書類のうち、まずは申立書類の書き方について紹介します。

申立書類には、以下の4種類があります。

申 立 書 類
                  ① 遺産分割調停申立書
                  ② 当事者目録
                  ③ 遺産目録
                  ④ 相続相関図

初めての方でも正確に記入できるように、記入例を交えて詳しく紹介していきます。

遺産分割調停申立書

遺産分割調停申立書とは、遺産分割調停の申立をする意思を示すための書類です。

遺産分割申立書の取得元・記入例は、以下のとおりです。

遺産分割調停申立書の取得元・記入例
取得元・管轄の家庭裁判所の窓口でもらう
裁判所のHPからダウンロードする
記入例遺産分割申立書の記入例(1ページ)

書式に従って、主に以下の事項を記入します。

・申立人の氏名
・添付書類の通数
・被相続人の本籍・最後の住所・死亡年月日
・申立の趣旨(被相続人の遺産分割調停を求めるということ)
・申立の理由(分割方法が決まらない、相続人の資格で揉めているなど)

記入例を参考に、記入しましょう。

当事者目録

当事者目録とは、その遺産分割調停に関わる相続人が誰なのかを明らかにするための書類です。

当事者目録の取得元・記入例は、以下のとおりです。

当事者目録の取得元・記入例
取得元・管轄の家庭裁判所の窓口でもらう
裁判所のHPからダウンロードする
記入例当事者目録の記入例(2ページ)

書式に従って、相続人全員につき以下の事項を記入しましょう。

・住所
・氏名
・生年月日
・本籍
・被相続人との続柄

この書類をもとに裁判所は他の相続人に連絡することになります。

記入例を参考に正確に記入しましょう。

遺産目録

遺産目録とは、遺産の内容や金額を明らかにするための書類です。

遺産目録の取得先・記入例は、以下のとおりです。

遺産目録の取得元・記入例
取得元・管轄の家庭裁判所の窓口でもらう
裁判所のHPからダウンロードする
記入例遺産目録の記入例(2~3ページ)

遺産目録は遺産の内容によって書式が異なるので、それぞれ以下の事項を記入しましょう。

遺産内容ごとの記入事項
土 地所在、地番、地目、地積
不動産の登記事項証明書(不動産登記簿謄本)の記載どおりに記入
建 物所在、家屋番号、種類、構造、床面積
不動産の登記事項証明書(不動産登記簿謄本)の記載どおりに記入
未登記の場合は、固定資産評価証明書の記載を参考に記入
現金・預貯金・株式等品目、単位、数量(金額)

なお、以下に当てはまる場合は、特別受益目録または分割済遺産目録が必要です。

特別受益目録と分割済遺産目録
特別受益目録被相続人から生前贈与を受けたなど、特別な利益を得た相続人がいる場合に提出
分割済遺産目録遺産の一部について、遺産分割協議が成立し、分割済みの財産がある場合に提出

遺産目録と同じ書式を利用して、「特別受益目録」または「分割済遺産目録」のチェック欄にチェックのうえ、記入例(4ページ)を参考に記載しましょう。

相続相関図

相続相関図とは、被相続人とすべての相続人との関係が分かるように図にしたもののことです。

相続相関図の取得元・記入例は、以下のとおりです。

相続相関図の取得元・記入例
取得元申立人または代理人(弁護士など)が作成する
記入例相続相関図の記入例

相続相関図については、正確に記載できていれば、どのような形式でも問題ありません

記入例を参考に作成しましょう。

遺産分割調停の添付書類の取得費用

申立書類は無料でそろえることができますが、添付書類は取得費用がかかるものが少なくありません。

なお、添付書類には書証番号をつけないものとつけるものがあります。

書証番号とは、裁判所に提出する際に右上部余白に「第〇号証」と記載するもののことです。

遺産分割調停の添付書類の取得費用は、以下のとおりです。

【遺産分割調停の添付書類の取得費用】
添付書類取得費用





書証番号をつけない
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本1通750円
戸籍事項証明書は1通450円
被相続人の住民票除票1通300円または350円
相続人全員の戸籍謄本(発行3か月以内)1通450円
相続人全員の住民票(発行3か月以内)1通300円~400円
登記簿謄本または登記事項証明書(発行3か月以内)1通600円
固定資産評価証明書1通200円~400円




書証番号をつける
預貯金通帳・証書の写しまたは残高証明書等残高証明書は500円~1,000円程度
株式の預かり証、または残高証明書等残高証明書は1,000円程度
自動車の登録事項証明書の写しまたは車検証の写し登録事項証明書は1件あたり300円
相続税の申告書の写し
遺言書の写し

書証番号をつけない書類

添付書類のうち、書証番号をつけない書類は以下のとおりです。

・戸籍謄本等
・不動産に関する資料(登記簿謄本または登記事項証明書と固定資産評価証明書)

但し、不動産に関する資料は書証を兼ねるため、書証番号を付けることもあります。

戸籍謄本等

遺産分割調停の申立をする際には、申立書類に以下の戸籍謄本等を添付して提出する必要があります。

戸籍謄本等を窓口で取得する場合の費用は、以下のとおりです。

添付書類の戸籍謄本等の取得費用・方法

必要書類

取得費用
(窓口の場合)
取得場所・取得方法
市区町村の窓口郵送コンビニ交付
①被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本1通750円
(本籍地)
②被相続人の住民票除票1通300円
または350円

(被相続人が最後に住んでいた地)


③相続人全員の戸籍謄本1通450円
(本籍地)
➃相続人全員の住民票1通300円
~400円

コンビニ交付が利用できる自治体の場合は、利用することで取得費用を抑えられます。

被相続人の住民票除票が廃棄済みの場合は、本籍地の市区町村役場から戸籍の附票を取り寄せることができる場合もあります。

相続人全員の戸籍謄本と住民票については、発行3か月以内のものでなければならないので、注意しましょう。

不動産に関する資料

分割を希望する遺産に不動産が含まれる場合は、以下の書類を申立書類に添付しなければなりません。

不動産に関する資料を窓口で取得した場合の費用は、以下の通りです。

添付書類の戸籍謄本等の取得費用・方法

必要書類

取得費用
(窓口の場合)
取得場所・取得方法
窓口郵送コンビニ交付
①登記簿謄本または登記事項証明書1通600円法務局×

②固定資産評価証明書

1通200円~400円
所在地の市町村役場
または市税(都税)事務所


×

固定資産評価証明書のコンビニ交付が利用できる自治体の場合は、利用することで取得費用を抑えられます。

一戸建てのように土地と建物が遺産になっている場合、土地建物が1枚にまとめて記載されていることもありますが、そうでなければ各1枚ずつ、合計2枚取得しなければなりません。

登記簿謄本または登記事項証明書は発行3か月以内のものでなければならず、固定資産評価証明書は当年度のものでなければならないので、注意しましょう。

書証番号をつける書類

添付書類のうち、書証番号をつける書類は以下のとおりです。

・預貯金通帳、証書の写しまたは残高証明書
・株式の預かり証または残高証明書
・自動車の登録事項証明書の写しまたは車検証の写し
・相続税の申告書の写し
・遺言書の写し

なお、これに加えて不動産関係の書類も書証として番号をつけて提出することがあります。

預貯金通帳・証書の写し、または残高証明書

分割を希望する遺産に預貯金等が含まれる場合は、申立書類に預貯金通帳と証書の写しを添付する必要があります。

預貯金通帳と証書が見つからない場合は、金融機関から残高証明書を取り寄せましょう。

残高証明書の発行手数料は500~1,000円程度で、金融機関によって異なります。

残高証明書を取り寄せる際には、以下のポイントに注意しましょう。

残高証明書の取り寄せ時のポイント
死亡日の残高を記載してもらう
口座番号を記載してもらう
・同一支店に複数の口座がある場合、口座番号ごとの残高を記載してもらう
・定期預金等がある場合、発行日現在の元本と税引き後の利息額も記載してもらう

株式の預かり証または残高証明書

分割を希望する遺産に株式が含まれる場合、申立書類に株式の預かり証または残高証明書を添付する必要があります。

株式の預かり証が見つからない場合は、株式を預託している証券会社から残高証明書を取り寄せましょう。

残高証明書の発行手数料は1,000円程度で、証券会社によって異なります。

自動車の登録事項証明書の写しまたは車検証の写し

分割を希望する遺産に自動車が含まれる場合は、申立書類に自動車の登録事項証明書の写しまたは車検証の写しを添付する必要があります。

どちらも自動車のダッシュボード内被相続人の居宅内に保管されていることがほとんどなので、捜索しましょう。

見つからない場合は、各地の運輸支局窓口にて1件300円の手数料で証明書を取得できます。

国土交通省HPの「第3号様式」をダウンロードして申請しましょう。

相続税の申告書の写し

相続税の申告をしている場合は、申立書類に相続税の申告書の写しを添付します。

遺言書の写し

遺言書がある場合は、申立書類に遺言書の写しを添付します。

遺言書には以下の3種類があり、自筆証書遺言と秘密証書遺言で検認手続きをしている場合は、検認済み証書の写しも合わせて提出しましょう。

遺言書の種類別に見た次にすべきこと
公正証書遺言公証役場で公証人の確認のもと作成された遺言書で、相続発生時点で効力を持つ
→遺言書の写しだけを提出
自筆証書遺言・故人が自身で書いた遺言書で、家庭裁判所の検認が必要(法務局保管なら不要)
→遺言書の写し・検認済み証書の写しを提出
秘密証書遺言・存在のみを公証人に証明してもらう遺言書で内容は確認されていないため、家庭裁判所の検認が必要
→遺言書の写し・検認済み証書の写しを提出

検認済み証書を受け取ることができる検認手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所で行います。

その際には遺言書1通ごとに収入印紙800円と、検認済み証書の収入印紙150円の合計950円がかかります。

▼遺産分割調停の必要書類チェックシートの活用がおすすめ!
遺産分割調停の申立をするなら、ぜひ遺産分割調停の必要書類チェックシートをご活用ください。

青字の部分をクリックしていただくと、リンク先が見られるので、印刷も可能です。

遺産分割の申立時によく起こりがちなのが、書類の漏れです。

特に添付書類は最大11種類が必要になるので、自身では揃えたつもりでいても、いざ提出して不足が見つかった場合は、追って提出しなければなりません。

遺産分割調停の必要書類チェックシートをダウンロードして活用すれば、チェックボックスに印を付けながら書類を揃えられるので、追加で提出する事態になるのを防げます。

書類を揃えるなかで判断に迷う場合は、管轄の家庭裁判所に問い合わせましょう。

遺産分割調停の申立書類を提出する時の注意点

申立書類と添付書類のすべてが揃ったら、被相続人1人につき1,200円分の収入印紙と申立先の裁判所に確認した金額の切手を用意しましょう。

これらの遺産分割調停の申立書類を提出する際には、以下の2点に注意することが大切です。

遺産分割調停の申立書類を提出する時の注意点
          ① 申立書類を提出する裁判所はよく考えて決める
          ② 自身に合った必要書類の提出方法を選ぶ

申立書類を提出する裁判所はよく考えて決める

遺産分割調停の必要書類を提出する裁判所は、よく考えて決めましょう。

なぜなら、裁判所HPに記載されているように、提出する裁判所は、「自身以外の相続人のうちの1人の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所」という決まりがあるからです。

つまり、基本的には相手方のうちの1人が住んでいる場所を管轄する裁判所に提出しますが、当事者同士の合意があるなら、申立人が住んでいる場所の裁判所相手方との中間地点にある裁判所に提出することもできます。

相手方が遠方に住んでいる場合やこちらが多忙な場合、裁判所に出向くだけでも非常に大変です。

当事者同士で合意できそうでであれば、どこの裁判所に提出するかよく協議しましょう。

自身に合った必要書類の提出方法を選ぶ

裁判所への提出方法は以下の2つがあるので、自身に合った方法を選びましょう。

遺産分割調停の申立書類の提出方法
メリットデメリット
持参・その場で書類を確認してもらえるため、間違いを確認しやすい・時間や交通費がかかる
郵送・裁判所に行く手間がかからない・電話で間違いを指摘されても分かりにくい

持参するとその場で確認してもらえるので記入ミスや必要書類の不足がすぐに分かります。

郵送する場合、間違いがないよう不明点を事前に確認しておきましょう。非常に重要な書類なので、普通郵便ではなく書留郵便で送るのがおすすめです。

遺産分割調停の申立は想像以上に大変

実は遺産分割調停の申立をするのは想像以上に大変なことです。

「とにかくやってみよう!」とチャレンジしても、以下の4点で苦労する方が非常に多くいます。

遺産分割調停の申立で大変なこと
            ① 必要書類の収集は時間と労力を要する
            ② 平日に何度も裁判所に出廷しなければならない
            ③ 専門的な知識が必要になる
            ④ 調停で決まらなかったら遺産分割審判に進む

必要書類の収集は時間と労力を要する

遺産分割調停の申立の必要書類をすべて揃えるには、多大な時間と労力を要します。

相続人が多い場合は、戸籍謄本等の収集だけで1~2か月以上かかることも稀ではありません。

遺産分割調停の申立をする人のほとんどが現役世代なので、仕事と両立して遺産分割調停の申立に向けた準備をしなくてはなりません。

初めて遺産分割調停の申立をする方は非常にたくさんおり、忙しい日々の中で不慣れで専門的な作業をこなしていくことになります。

さらに途中で何度も、「本当にこれで合っているの?」「自分の場合もこの書き方で大丈夫?」といった不安が付きまとうことでしょう。

平日に何度も裁判所に出廷しなければならない

遺産分割調停の申立をすると、平日に何度も裁判所に出廷しなければなりません。

出廷するのは6~10回のケースが多いですが、お互いが譲らずに話が平行線になると、さらに多くの回数を重ねることになります。

仕事現場では人手が足らずに仕事量が増え続け、働き方改革が進んでも、なお忙しい日々を過ごしている方は少なくありません。

そのような中で仕事を休んで何度も遺産分割調停に出廷することを後ろめたく感じてしまう方もいることでしょう。

基本的には必要書類は相手方の居住地の裁判所に提出し、調停はその裁判所に出廷することになります。

そのため、相手方が遠方に住んでいる場合は、仕事を休むのが1日で済まない可能性もあるのです。

専門的な知識が必要になる

遺産分割調停の必要書類を準備している時も出廷する時も、普段は耳にしない用語が用いられるため、専門的な知識が必要となります。

用語が分からないことで話に付いていくことができず、肝心の遺産分割で不利になる可能性があります。

書籍やサイトを見ることで、ある程度の専門的な知識を身に着けることは可能ですが、自身の意見をしっかりと主張できるほどの知識を身に着けるのは一朝一夕では不可能です。

調停で決まらなかったら遺産分割審判に進む

半年~1年程度の時間をかけて話し合いをしても遺産分割調停で決まらない場合は、遺産分割審判に進むことになります。

せっかく必要書類を準備して申し立てを行い遺産分割調停を進めてきたのに、引き続き頭を悩ませなくてはなりません。

調停から審判に進んだ場合、新たな書類を提出する必要はありませんが、通知用の郵便切手が必要となります。

遺産分割調停は話し合いによる解決を促すのに対して、遺産分割審判は裁判所が遺産分割方法を決める手続で、審判に基づいて強制執行も可能です。

なお、審判は不服があれば即時抗告が可能です。

弁護士に遺産分割調停の申立を依頼するメリット

せっかく申立をするなら、遺産分割審判に進むことなく、遺産分割調停で決着を付けたいものです。

そこで、おすすめなのは弁護士の力を借りることです。

弁護士に依頼すれば10万円~の費用はかかりますが、自身の意向を尊重してもらいながらスムーズに遺産分割調停を終わらせられる可能性が高まります。

弁護士に遺産分割調停の申立を依頼するメリットは以下の4つです。

弁護士に遺産分割調停の申立を依頼するメリット
            ① 必要書類の作成・収集を任せられる
            ② 出廷の代理や同行をしてもらえる
            ③ 状況に応じたアドバイスをもらえる
            ④ スムーズに遺産分割調停を終えられる

必要書類の作成・収集を任せられる

弁護士に遺産分割調停の申立を依頼すると、必要書類の作成・収集を任せられます。

相続に強い弁護士なら、効率良く書類を揃え、間違いなく作成してもらうことが可能です。

自身で行うと時間や労力がかかるうえに、「間違っているかもしれない」という不安が付きまといますが、弁護士に任せすれば安心です。

出廷の代理や同行をしてもらえる

弁護士に遺産分割手続を依頼すると、出廷の代理や同行をしてもらえます。

事前に依頼人の意向をしっかりと確認してもらえるので、平日に仕事を休めない・休みたくない方は弁護士に代理出廷を依頼してもよいでしょう。

法廷で自身の意見をしっかりと主張できるか心配な方は、弁護士に同行してもらえば、その場で分からないことを質問したりアドバイスを受けたりできます。

状況に応じたアドバイスがもらえる

弁護士に遺産分割手続を依頼すると、あなたの状況に応じた適切なアドバイスがもらえます。

書籍やインターネットのサイトを見ればたくさんの情報を得られますが、「自分の場合はどうなの?」「では、こういう場合は?」とさらに混乱してしまうことも少なくありません。

弁護士なら、知識・経験に基づき、個別具体的な事案に即した適切なアドバイスをしてくれることでしょう。

スムーズに遺産分割調停を終えられる

弁護士に遺産分割手続を依頼すると、スムーズに遺産分割調停が成立する可能性が高くなります。

弁護士は知識や経験をもとに、当事者同士が納得できる落としどころを考えることができるからです。

弁護士は、落としどころを意識しつつ、できる限り依頼人の意向に添うように、権利主張をして、依頼人の主張どおりの遺産分割が成立する流れを作ってくれます。

また、どうしても調停で解決できない場合には遺産分割審判に移行しますが、引き続き同じ弁護士が対応してくれることが通常でしょう。

当事務所は初回の相談は無料で承っております。

事務所まで足を運んでいただかなくてすむオンライン相談も実施しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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まとめ

この記事では、遺産分割調停の必要書類について詳しく説明いたしました。

最後に記事の内容をまとめてみると、遺産分割調停の必要書類は以下のとおりです。

【遺産分割調停の必要書類一覧】
必要書類取得元取得方法


申立書類
遺産分割申立書

管轄の家庭裁判所

家庭裁判所の窓口
または
裁判所HPからダウンロード
当事者目録
遺産目録
相続相関図申立人・代理人が作成


















添付書類







書証番号をつけない
被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本本籍地のある
市区町村役場

窓口・郵送

被相続人の住民票除票

被相続人の最後の住所地の市区町村役場
窓口・郵送
※廃棄済みの場合は本籍地の市区町村役場から戸籍の附票を取り寄せ
相続人全員の戸籍謄本(発行3か月以内)本籍地のある
市区町村役場
窓口・郵送
相続人全員の住民票(発行3か月以内)住所地の
市区町村役場
窓口・郵送
★登記簿謄本または登記事項証明書(発行3か月以内)
法務局

窓口・郵送

★固定資産評価証明書
所在地の市区町村役場、または市税(都税)事務所
窓口・郵送






書証番号をつける
★預貯金通帳、証書の写し
または
残高証明書等
被相続人の居宅、または金融機関等
残高証明書は金融機関で発行を依頼
★株式の預かり証
または
残高証明書等
証券会社等残高証明書は証券会社で発行を依頼
★自動車の登録事項証明書の写し
または
車検証の写し
自動車内・被相続人の居宅等自動車のダッシュボード内や被相続人の居宅内を捜索、運輸支局への請求
★相続税の申告書の写し相続人保管の控え相続税を申告した場合は、控えの写しを提出

★遺言書の写し
相続人、遺言執行者、公証役場、法務局自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合、検認済み証書の写しも提出
その他収入印紙郵便局・法務局・市区町村役場・コンビニ等被相続人1人につき1,200円分
郵便切手申立する裁判所に確認して用意

申立書類のうち、以下の①~③は記入例を参考に、➃は相続関係図の記入例を参考に作成しましょう。

申 立 書 類
                  ① 遺産分割調停申立書
                  ② 当事者目録
                  ③ 遺産目録
                  ④ 相続相関図

申立書類の添付書類の取得費用は、以下のとおりです。

添付書類の戸籍謄本等の取得費用・方法

必要書類

取得費用
(窓口の場合)
取得場所・取得方法
市区町村の窓口郵送コンビニ交付
①被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本1通750円
(本籍地)
②被相続人の住民票除票1通300円
または350円

(被相続人が最後に住んでいた地)


③相続人全員の戸籍謄本1通450円
(本籍地)
➃相続人全員の住民票1通300円
~400円

遺産分割調停の申立は、以下のように想像以上に大変です。

遺産分割調停の申立で大変なこと
            ① 必要書類の収集は時間と労力を要する
            ② 平日に何度も裁判所に出廷しなければならない
            ③ 専門的な知識が必要になる
            ④ 調停で決まらなかったら遺産分割審判に進む

自力でどうにかするのではなく、以下のメリットを受けられる弁護士の助けを借りるのがおすすめです。

弁護士に遺産分割調停の申立を依頼するメリット
            ① 必要書類の作成・収集を任せられる
            ② 出廷の代理や同行をしてもらえる
            ③ 状況に応じたアドバイスをもらえる
            ④ スムーズに遺産分割調停を終えられる

相続に関する2,800件超の実績がある弁護士法人サリュなら、弁護士とリーガルスタッフの2名体制で依頼者様をサポートしつつ、全国10事務所の連携で実費負担の軽減が可能です。

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