「大学生のときは、
自分で何とか
解決しようと
してしまった」

自分が大学生のときに、自転車事故を起こしてしまったことがあります。そのときは、自分で何とか解決したいと思うあまり、自己中心的な交渉をして、相手方に多大なご不満を与えてしまい、自分の家族にも迷惑をかけました。
自分だけではうまくまとまらず、加入していた個人賠償保険の担当者と、保険会社の提携弁護士へ相談し、最終的には保険利用で解決できましたが、もっと早くに相談しておくべきだったと猛省しました。
普段経験しないようなことで困ったとき、自分で解決できるのではないか、知人や友人、家族に相談したり、インターネットで調べたりすれば乗り越えられるのではないか、と思うことがあります。
もちろん、それで解決できることもありますが、うまくいかないことも多々あります。
その時の不安、恐怖、それでも問題解決に向けて進まなければならない労力は、いかほどのものかと思います。

  • 金銭的な解決は、紛争解決の一側面でしかない

    私が大学生のときの経験で感じたのは、本当の紛争解決は、当事者同士が、譲歩こそしても、お互いに納得して困難から抜け出し、次の一歩を踏み出すことだ、ということです。
    金銭的に納得がいくかどうかだけが問題になるわけではありません。
    情報社会と言われて久しいですが、やはり、一個人が普段関わらないようなことを、自分の力で調べ、解決することは難しいです。

    そのようなときは、専門家に相談し、協力してもらって、良い解決を目指すという方法があります。
    私も、そのような解決のお手伝いができればという一心で、弁護士のパートナーとして、弁護士とともに歩んできました。

  • 依頼者の今後の人生の困難を、いかに相手方や裁判所に伝えられるか

    私の担当事件で、交通事故によるケガで脳を損傷し、高次脳機能障害になった方がおられます。当法人では、依頼者のケガの状況やご症状との関係を確認するため、主治医と面談することがしばしばあります。この方の件でも、担当弁護士と一緒に面談に行ったのですが、その時に待合室で話したのは、「賠償金がいくら獲得できるか」ではなく、「依頼者が障害と向き合いつつ歩むだろう今後の人生の困難を、いかに裁判所に伝えられるか」ということでした。

    他にも、会社を共同経営していた夫を事故で亡くした依頼者は、裁判所が相場とする死亡慰謝料2800万円という金額がいかに安いか、切実に訴えておられました。
    障害のある子どもを育てるシングルマザーの依頼者は、交通事故で手首を捻挫して子どもの世話が難しくなったことが、賠償金として認められないことに失望されていました。
    賠償金は機械的に算出されるべきではなく、それぞれの依頼者の人生の質に与える影響を、できるかぎり詳細にくみ取ってほしいと思っています。

  • リーガルスタッフとして日々心がけていること

    依頼者の事情をいかに事件の解決に反映させるか、いかに納得のいく解決に導くかを、常に考えて仕事をしています。
    まずは、依頼者のニーズをくみ取ることを大切にしています。
    リーガルスタッフは、弁護士と依頼者の橋渡しとなり、一般的な事案の解決という枠組みを超えて、本当の紛争解決を求めるためのサポーターです。弁護士と依頼者双方の信頼によって、事案を進めています。

    また、より良い紛争解決のためには、専門的な調査が重要です。ここはリーガルスタッフが中心となって扱う部分となります。法人の依頼者は、当然「私のお客様」でもあるという想いで、迅速かつ適切な調査を心がけています。