「一歩先」とは何か

令和2年8月より、弁護士法人サリュ3代目代表に就任いたしました。

創業者である谷がサリュという組織の礎を作り、2代目代表の平岡がその礎のうえに建物を作りました。3代目代表である私の使命は、今後、サリュに関わるすべての方々の幸せのため、この建物からうって出ることです。

弁護士法人サリュは、法律事務所です。したがって、我々の使命が、「お客様がかかえる法的問題に真摯に耳を傾け、当該問題を迅速かつ的確に解決し、幸せな日常を一日でも早く取り戻していただく」ということは、法律事務所として、いわば当然のことです。

我々は、その当然の使命を達成しつつ、さらにその一歩先を常に走っていたいと考えています。では、その「一歩先」とは何か。

それは、

一つ、その場限りの法的解決のみならず、当該のお客様の長い人生をみたときにそれが真の解決であるといえること、
一つ、当該のお客様のみならず、そのご家族等の周囲の方々にとってもそれが真の解決であるといえること、
そして、さらに、
一つ、法的サービスを提供させていただく我々弁護士法人サリュに所属する全弁護士、リーガルスタッフは、お互いが尊重しあい良い仲間であり続けること

この3つが合わせ重なることで、サリュに関わるすべての方々の幸せが実現できると考えます。弁護士法人サリュ一同、「一歩先」行くことを常に意識し、精進していく所存でございます。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

令和2年8月1日

弁護士西村 学

プロフィール

Interview

インタビュー

仲間とやり遂げる強さ

– どんな学生時代でしたか

夢を諦めて、「もぬけの殻」だった学生時代

大学は関西学院大学の法学部です。中学、高校までは色んなことに一生懸命だったんですが、大学進学するとき、本当はなりたかった考古学者を断念したんです。
大学でやりたいことがあるわけでもなく、自分という人間がもぬけの殻(「抜け殻」と言った方が正確かもしれませんが、あえてこの表現にさせていただきます。)状態でした。授業には出ず、アルバイトに行って、終わったら朝まで遊んで……という典型的なダメ大学生です。

寿司屋や焼き肉屋、ピザ屋、中華料理店などのアルバイトにばかり精を出していました。神戸のわりと有名な中華料理店で働いていたときは、アルバイトにもかかわらず、お客さんの前で北京ダックの皮を剥いでいました。
ピザの皮も作れますから、もし弁護士を廃業したら、ピザ屋に挑戦してみようか、とも思っています。

– 司法試験を目指してどうでしたか

心機一転、旧司法試験を受験し、4回目の試験に合格

周囲に流されて就職活動を始め、最初に内定が出た食品会社で2年弱ほど営業マンをしていました。ルートセールスだったんですが、担当の会社は中小企業がほとんど。月々の支払いが不能になるところも多かったです。催促に行っても、なかなか払ってくれないので「払ってもらえるまで帰れないです」と頼み込んだこともありましたね。債権回収の大変さを知りました。会社の営業成績は決して悪くはなかったんですが「このままズルズルとやっていくのかな」と漠然と思っていました。
そんなとき、書店で「司法試験を受けよう!」というようなタイトルの本をたまたま見つけました。その本の内容がわりと説得力があったんです。
考古学を諦めてからもぬけの殻でしたが、昔からひとつのことに熱中するタイプではあったので、旧司法試験の勉強を始めました。

私はロースクールに入学するお金もなかったので、予備校に通いながら旧司法試験を受けていました。生活費を切り詰めながら、勉強していました。
食費を浮かすためにネギを自分で栽培したり、カレーを半年間食べ続けたこともあります。夏場は一日に3回も4回も鍋に火を入れないといけないから大変なんです。
25歳でした。受験生活は経済的にも精神的にも厳しかったですが、なんとか4回目の受験で合格できました。

– サリュで思い入れのある事案は

証人を探して離島にまで行った「医療過誤訴訟」

平成21年にサリュに入社し、ずっと大阪事務所に所属しています。一番印象に残っているのは、医療過誤訴訟。お客様は高齢男性で、脊柱管狭窄症という、脊髄が圧迫されることで、歩行困難になってしまう症状でした。
症状緩和のため、その男性は手術を受けることにしたのですが、執刀医が手術の際にメスを脊髄に入れてしまったことで、髄液が漏れ出し、人工肛門を装着しなければならないほどの事態になっていました。本件は医師の行為にミスがあったかどうか、つまり過失責任を問えるかが争点でした。

医学文献を読んだり、別のお医者さんなどにも相談に行きました。その手術に立ち会っていた看護師がキーパーソンだったので、現住所も不確かなまま、その人が住んでいるらしいという情報だけで、離島にも行きました。
見つけ出して会うことはできましたが、詳しい話は聞けませんでした。結果、一審では棄却され、控訴審で和解が成立しましたが、実質的には負け戦。手を尽くしたからか、お客様に納得していただけたのが救いでしたが、いまもふと思い出す事件です。

– サリュで働いて変わったと感じることは

個人主義だった自分が、
仲間と仕事をするやりがいにはまる

本来、私は人と何かをやるよりは、個人で何かをするほうが好きなタイプ。でも、サリュに入って、弁護士はもちろん、スタッフと一緒に仕事をしていくことのやりがいにはまりました。いまでは個人で何かをして成功しようとはまったく思わなくなったほどです。
サリュは覚悟を持って働いている人間が多いと思います。そんな事務所のなかで、自分も頼りにされる存在でありたいと思っています。