遺言で遺産の贈与(遺贈)を受けとることになっていたZさん(受遺者)に対して、相続人から遺留分侵害額請求がされました。Zさんとしては、相続人とトラブルになりたくなかったので、遺産の一部である不動産を、自分ではなく、相続人に受けとってほしいと考えていました。
しかし、遺言執行者Nは、Zさん(受遺者)の意思に反し、遺言どおりに、Zさん(受遺者)の名義に不動産登記を変更してしまいました。
これにより遺産から不動産の名義変更のための実費として登録免許税などの無駄な経費が支出されてしまいました。
受遺者は、不動産登記申請の中では権利者としての立場があります。この事案では、権利者の意思に反して行われた権利者名義への移転登記の問題が、裁判で審理されました。
サリュのサポート
受遺者から依頼を受け、遺言執行者に対して損害賠償請求訴訟を提起
サリュは、遺言執行者Nの行為についてZさんから依頼を受け、損害賠償請求を行いました。裁判の結果、遺言執行者Nの責任を認める判決を獲得することに成功しました。
判決理由の中で、遺言執行者Nの執行行為について違法性が認められたことで、裁判終了後、遺言執行者Nの報酬について支払を拒否することができました。
また、遺言執行者Nは、違法な執行をするだけではなく、受遺者Zの代理人を刑事告訴してきました。
サリュは、反対に、遺言執行者Nが受遺者Zの代理人を刑事告訴してきたことについて、慰謝料請求を行い、100万円の支払命令を獲得することに成功しました。
当事務所の裁判例は判例雑誌(判例時報2474号)に掲載されました。
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