弁護士 西村 学
弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授
弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。
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「〇〇県の弁護士ランキングを知りたい」
「〇〇地域で相続に強くて人気の弁護士を探したい」
相続で困りごとがあって弁護士に相談したいと思っても、どのように弁護士を選べばいいか分かりませんよね。
しかし、弁護士選びをインターネット上のランキングに頼るのは避けるべきです。なぜなら、弁護士が取り扱う案件は実に様々であり、弁護士の能力を数値化して順位付けすることは不可能だからです。
弁護士選びで重要なのは、インターネットの情報に惑わされず自分の目でしっかりと見極めることです。
とはいえ、素人には優秀な弁護士かどうかの判断は難しいですよね。そこで本記事では弁護士選びに失敗しないよう選び方のポイントを紹介していきます。
弁護士を選ぶ際は弁護士を見極めることも大切ですが、立地や費用なども考慮しなければいけません。
特に費用については見積価格が適正範囲内であるかどうか判断するために、あらかじめ費用相場を知っておく必要があります。
そこで本記事では、弁護士選びに関して次のように内容をまとめました。
本記事のポイント |
● 遺産相続の弁護士探しはランキングに惑わされず、自分で見極めるべき ● 遺産相続に強い弁護士の探し方 ● 遺産相続に強い弁護士の選び方7つのポイント ● 【必見】弁護士を選ぶ時の注意点3つ ● 弁護士選びでよくある疑問Q&A ● 弁護士費用の相場 |
この記事を読めば、相続に強いかつ自分に合った弁護士の探し方・選び方を身に着けることができ、希望する地域で信頼できる弁護士を選べるようになります。
是非最後まで読んでいってくださいね。
相続の弁護士費用に、新しい選択肢を。
サリュは、お客様の弁護士費用の負担を軽減するため、
月額料金プランと7.7%着手金無料プランを用意しました。
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本記事をご覧のあなたは、人気と実力のある弁護士を見つけるために「弁護士ランキング」を知りたいと思っているはずですよね。
多くの人はこれまで弁護士にかかわりがなく、相続が始まって初めて依頼することになったので、弁護士選びに不安を抱えていることでしょう。
しかし、遺産相続に強い弁護士をランキングで正確に計ることはできません。それは主に次の理由が挙げられます。
【弁護士ランキングを鵜呑みにしてはいけない理由】
◎ランキングの基準が不明瞭だから ◎企業案件を扱っている大手事務所が上位になりがちだから ◎広告や宣伝目的の可能性があるから |
◎ランキングの基準が不明瞭だから
相続トラブルの内容は千差万別なので、評価するための客観的な判断方法はありません。そのためランキングサイトの中には算出基準に根拠がないものが多く、「弁護士の在籍者数」「ネット法律相談のベストアンサー率」など、弁護士の実力とは直接結びつかない評価方法で順位付けしているサイトも少なくありません。
◎企業案件を扱っている大手事務所が上位になりがちだから
取扱い実績や解決件数で順位付けするとなると、どうしても弁護士在籍者数の多い大手事務所が上位にランクインしやすくなります。そのような大手事務所は企業案件を中心に請け負っており、個人の遺産相続問題などは扱っていないところが多いです。
◎広告や宣伝目的の可能性があるから
サイトによっては特定の弁護士が上位にランクインするよう操作されている可能性があります。ランキングが不自然に感じたら意図的なものであることが疑われます。
以上3つの理由から、ランキング上位にいる弁護士が必ずしも自分にとって良い弁護士とは限りません。
ランキングよりも大切なのは、実際に弁護士に会ってみて、「この人になら遺産相続を任せられる」と思えるかどうかです。
インターネットの情報はあくまでも参考程度にとどめ、自分の目でしっかりと見極めることが重要です。
そのためには、これから紹介する「探し方」と「選び方」を理解し、自分でしっかりと判断できるようになりましょう。
弁護士の探し方はいくつか方法がありますが、インターネットを使って探す方法がおすすめです。
なぜなら自分で条件を指定し、選択肢を絞って検索することができるので、適切な範囲の中からより自分に合った弁護士を探しやすいからです。
そこで本章ではインターネットで探す際のポイントをお伝えしていきます。
弁護士を探すときは必ず検索キーワードに「地域名 + 弁護士 + 相続」を入れて検索しましょう。
弁護士にはそれぞれ得意分野があり、全員が相続に詳しいわけではありません。医療問題や交通事故を専門とし、相続など扱ったこともない事務所も多いです。
相続実績のない弁護士に依頼してしまうと、適切なサポートを受けられず望んだ結果にならない可能性があります。必ず相続の専門知識が豊富な弁護士を選ぶようにしましょう。
Googleなどの検索窓で検索する場合も、弁護士情報サイトなどで検索する場合も、必ず弁護士事務所のホームページを開いて内容をよく確認するようにしてください。中には相続の取扱いがあると謳いながらも実績がない場合があります。
尚、他の探し方としては次の方法が挙げられます。利用する際は注意点を把握した上でご活用ください。
【その他の探し方】
方法 |
特徴や注意点 |
法テラス |
経済的に余裕のない人向けの機関。通常法テラスから弁護士を紹介されるので、自分に合うとは限らない。 |
弁護士会 |
地域ごとの弁護士で構成された法人組織。通常弁護士会から弁護士を紹介されるので、自分に合うとは限らない。 |
自治体の相談会 |
自治体で定期的に弁護士による無料相談会が開催されている。そこで相談した弁護士に継続して依頼したい場合は、後日法律事務所で依頼する必要がある。 |
知人の紹介 |
信用できる分、合わなかったとき断りづらい。 |
先に「自分の目で見極めることが大事」とお伝えしましたが、普段弁護士とは関わりがない人には難しいですよね。
そこで本章では初めて依頼する人でも信頼できる弁護士を選べるように、選ぶ際に重要視すべきポイントをお伝えしていきます。
ホームページを確認するときや、実際に初回相談に行ったときに下記項目を満たしているかどうかしっかりチェックしてくださいね。
【弁護士の選び方7つのポイント】
◎相続の実績や知識が豊富か ◎弁護士費用は明確か ◎じっくり話を聞いてくれるか ◎分かりやすく説明してくれるか ◎相性が良いかどうか ◎事務局もしっかり対応してくれるか ◎他の士業と連携しているか |
「相続に強い」と謳っていても、本当に実力が伴っており実績が十分か確認する必要があります。
中には1回取り扱っただけで相続専門と掲げる事務所も少なくないからです。
相続に強いかどうかは次の項目で判断しましょう。
【相続の実績や知識が十分かどうか|判断基準】
◎相続に関する著書やホームページ上のコラムがある ◎相続問題の取扱件数が多い(20件以上/年/人が理想) ◎ホームページに解決事例やお客様の声を細かく掲載している |
◎相続に関する著書やホームページ上のコラムがある
相続に関する著書を出していたり、専門誌などのメディアへの寄稿をしていたら、実績や実力は十分備わっていると判断できます。また、専門サイトを作成してホームページ上に複数の相続関連コラムを掲載している場合は、相続に注力していることはわかりますから、参考になるでしょう。近年はYouTubeなどに解説系動画をアップしている弁護士も多いので、実際に閲覧してみて専門性の深さや説明の分かりやすさを確認しましょう。
◎相続問題の取扱件数が多い(20件以上/年/人が理想)
弁護士数と年間の相続裁判件数から算出すると、弁護士1人あたり年間20件以上取扱いがあると相続の実績が十分といえます。
なお、ホームページに実績数を公開している場合、それは事務所単位の数なので解釈には注意が必要です。他方で、全国規模で相続を扱っている法律事務所の場合は、経験事例の共有や勉強会なども盛んに行われている場合もありますから、個々の弁護士の取り扱い件数のみで判断することも妥当とはいえません。
無料相談のご予約
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◎ホームページに解決事例やお客様の声を細かく掲載している
解決事例やお客様の声は本当に実績を積んでいないと掲載できないものです。どのように解決に導いたかを事細かく書いてあるのは相続分野に自信があることの証明であります。
弁護士費用について内訳をしっかり教えてくれて、納得のいく説明をしてくれる弁護士を選ぶようにしましょう。
【弁護士費用のチェック項目】
◎料金体系が分かりやすいか ◎きちんと内訳を説明してくれるか ◎追加費用発生の可能性について事前に伝えてくれるか |
見積もりを出してもらったとき、説明が曖昧であったり、具体的な金額を伝えてくれない場合は要注意です。悪質なところでは後から高額な追加費用を請求してくることもあります。
弁護士に依頼した場合実際に追加費用が発生するのはよくあることですが、その可能性においても事前に伝えておいてくれるところの方が信頼できるでしょう。
弁護士費用の相場は弁護士費用の相場で紹介していきます。
ヒアリング時間を十分にとり、依頼者の話を親身になって聞いてくれる弁護士を選ぶようにしましょう。
依頼者の話をしっかり聞くことで、弁護士は依頼者が何を最も重視しているかを理解し、気持ちに寄り添ったアドバイスや解決方法を提案してくれます。
じっくり話を聞いてもらえないと、問題解決を優先するあまり依頼者の気持ちがないがしろにされ、心にわだかまりの残る結果になってしまう恐れがあります。
ヒアリング時間が短かったり、話を遮ってきたりする弁護士は選ばないようにしましょう。依頼者が話したことに沿わない対応をする弁護士はもってのほかです。
「質問にきちんと答えてくれるか」「専門用語を避けて噛み砕いて説明してくれるか」という点も重視すべきポイントです。
相続や法律の問題は非常に難しく、それを依頼者が理解できるように説明してもらえないと、依頼者は自分で状況判断することができません。その結果弁護士に任せきりにしてしまうと、自分の希望に沿わない結果を招く恐れがあります。
依頼者の理解レベルに合わせて、分かるまで丁寧に説明してくれる弁護士を選ぶようにしましょう。
弁護士と依頼者とはいえ結局は人と人との関係ですから、相性の良し悪しもとても重要です。有能そうな弁護士でも自分に合わないと感じたら依頼は考え直しましょう。
自分に合っていないとコミュニケーション不足につながり、ひいては信頼関係の構築も難しくなります。その結果、相続問題解決に向けて遅れが生じたりするなど悪影響を及ぼしかねません。
弁護士と依頼者は同じ目標に向かって二人三脚で足並み揃えて進んでいく必要があります。自分の感覚に従い、パートナーとして共に戦っていけるかどうか慎重に選びましょう。
弁護士を見極めることも大切ですが、事務スタッフ(パラリーガル、リーガルスタッフ)も誠実な対応をしてくれるかどうかも重要です。
なぜなら、弁護士は裁判や現場検証に出かけたりと外出が多く、事務所にいても実務に専念する必要があるため、依頼者との日常的なやりとりや事務手続きは事務局が対応するからです。
そのため事務局が主体的に動いていないと、スムーズに弁護士と相談や打ち合わせをすることができず、その分問題解決が長引いてしまいかねません。
事務局が主体となって弁護士と依頼者の間を取り持ち、多方面でサポートしてもらえる事務所を選ぶようにしましょう。
具体的には「メールを送ると当日中、または翌日までに返信をくれるか(回答や対応が遅くなる場合はその旨をひとまず伝えてくれる)」「素早く担当弁護士に取り次いでくれるか」というところをチェックしましょう。
他の職種、とりわけ司法書士・行政書士・税理士と連携をとれている弁護士事務所の方が、相続を包括的にサポートしてもらえるのでおすすめです。
相続において、弁護士には専門分野ではない業務や、取り扱える資格がない業務があります。例えば、不動産の相続登記は司法書士、車の相続登記は行政書士、相続税申告は税理士にしか扱えません。
特に遺産分割で揉めている場合、どのように分けるかで相続税額が変わってきます。弁護士が依頼人の希望通りに分割することだけを目指していると節税の観点が抜け落ちてしまい、納税額が高くつくことになりかねません。
中には相続税の知識も豊富な弁護士もいますが、そうでなければ税金のスペシャリストである税理士の意見も聞ける方が安心です。
このように、スムーズで損のない相続を行うためには各士業と太いパイプがある事務所を選ぶ方がいいでしょう。大きな事務所だと他の士業も在籍しているところもあります。
前章でどのような事務所・弁護士を選ぶべきか判断基準が明確になったかと思います。
ここからは弁護士を選ぶとき、または依頼するときの注意点について解説していきます。
依頼した後に「やっぱり違う事務所に依頼すればよかった」という事態にならないよう、必ず目を通してくださいね。
【弁護士を選ぶときの注意点】
◎複数の事務所に相談してみるべき ◎初回相談を受けてくれた弁護士が担当してくれるか確認すべき ◎弁護士事務所の場所に注意 |
弁護士探しで候補を絞れたら、数か所の事務所に相談してその中から一番良さそうなところを選ぶのがおすすめです。
1ヶ所では弁護士の良し悪しも分かりづらいですが、複数の弁護士を比較することで、より自分に合う弁護士を見極めやすくなるでしょう。
弁護士の意見が事務所で異なる場合も自分の中で納得できる方を選べるし、費用面においても複数の事務所に見積もりを出してもらうことで、妥当な金額を把握することができます。
ただし、相談や見積は複数の事務所に依頼しても問題ありませんが、契約までには1ヶ所に決めるようにしましょう。複数の事務所と契約するのはマナー違反になります。
初回相談の弁護士が良いと思って依頼したのに、契約後に別の弁護士が担当になってしまったのではその事務所を選んだ意味がありません。
まれにフローごとに担当弁護士が変わる分業制のところも存在します。
弁護士と信頼関係を築き上げていくのは一定の時間がかかるので、コロコロと担当が変わるとストレスが溜まりますよね。引き継ぎも漏れが出てくる恐れもあります。
このような事態にならないよう、初回相談の際に今後も担当してもらえるのかどうか確認しておきましょう。
弁護士事務所の立地は必ずしも自宅付近がいいとは限りません。
相続トラブルの裁判所の管轄は、「相手方のうちの一人の住所地の家庭裁判所」(当事者が合意で定める裁判所でも可)と定められています。
例えば北海道在住の長男と東京在住の次男が遺産分割で揉めている場合、長男が遺産分割調停を申し立てるならそれは原則東京の家庭裁判所になります。
そのため長男が北海道の弁護士に依頼すると、調停の度に東京に出張してもらわなければならず、出張日当や交通費などの追加費用が発生します。
このようにケースによっては相手方の地域の事務所の方がいい場合もあるので、どちらの立地の方がいいのか初回相談のときに弁護士に尋ねるようにしましょう。
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ここからは弁護士選びのときに気になるポイントをQ&A方式で紹介していきます。
一概に「こういう事務所がいい」とは言えませんので、「こっちの方が自分に合いそうだな」と判断の目安にしてくださいね。
【弁護士選びのよくある疑問Q&A】
◎大手事務所or個人事務所どちらがいい? ◎都会or地方どちらがいい? ◎費用が高い弁護士は優秀なのか? |
弁護士事務所には弁護士が数十人在籍して全国展開している大手事務所と、弁護士個人で営んでいる個人事務所があります。
相続においてどちらの方がおすすめということはありません。問題解決力と事務所の規模は関係ないので、自分に合う方を選びましょう。
それぞれの傾向をメリット・デメリットとして下表にまとめました。
|
大手事務所 |
個人事務所 |
メリット |
・大型案件にも対応可能 ・全国展開なら遠方住まいの他の相続人とのやりとりもスムーズ ・業務体制が整っており効率が良い ・チームの総合力で解決に導いてくれる |
・相性の合う弁護士が見つかれば心強い ・柔軟でフットワークが軽い |
デメリット |
・対応が事務的なところもある ・分業制で複数の担当者とやりとりすることもある |
・個人の力量に左右されやすい ・マンパワーに限りがある |
どのようなサービスを求めているかでどちらが向いているかは変わってくるので、上記を参考にして選んでくださいね。
事務所の規模にかかわらず、「この弁護士に任せたい」という弁護士に出会えたならその事務所を選ぶのが一番です。
「都会の弁護士の方が優秀な人が集まっているのではないか」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし優秀な弁護士の比率は都会と地方ではそれほど変わりません。
たしかに都会には弁護士が集中しています。弁護士会によると2022年9月の在籍者数4万4,056人のうち、2万1,488人は東京の弁護士会に所属しています。そして都会は競争が激しいため、切磋琢磨している面もあるでしょう。
一方で、弁護士資格を取ったばかりの若手弁護士も実践を積むために都会に多く在籍しているのも事実です。
結局のところ、弁護士数は都会の方が圧倒的に多く選択肢も広がりますが、優秀な弁護士の割合に地域性は関係ないといえます。
都会と地方、それぞれの傾向をメリット・デメリットとして下表にまとめたので参考にしてください。
|
都会 |
地方 |
メリット |
・著名な弁護士が多い ・専門性が高く、特殊なケースにも対応してくれる |
・都会で修行を積んできた人が多い ・地域の法律家として親身になってくれる人が多い |
デメリット |
・実績の少ない弁護士も多い |
・幅広く対応するため、専門性が浅いこともある |
費用面ではさほど大差はありません。都会の方が事務所の家賃は当然高いものの、競争が激しいため価格を上げられない事情があるからです。
弁護士費用と優秀さは比例するとは限らないので、費用を弁護士の実力の指標にするのは危険です。
良心的な価格でも良い成果を出してくれる弁護士もいれば、高い費用を出したのにそれに見合った対応をしてくれない弁護士も多く存在します。
費用の大小ではなく、「この弁護士になら費用を払ってでも依頼したい」と納得して支払えることが大切です。
また、あまりにも高すぎる弁護士はぼったくりの可能性があるし、安すぎても後から高い追加費用を請求される可能性があるので注意が必要です。
高すぎず安すぎず、適正価格の範囲内で弁護士を選ぶ方が賢明でしょう。
弁護士費用の相場については次章で解説していきます。
弁護士に依頼するときに気になるのがやはり弁護士費用だと思います。
ほとんどの人は初めて弁護士を利用するため、費用がいくらかかるのか見当がつかない人も多いでしょう。
弁護士費用の相場を知っていないと、見積価格が適正かどうか見極められません。ここでは依頼内容別の相場を紹介するので、弁護士選びの参考にしてください。
あくまで目安ですが、相場費用を下記一覧にまとめました。
■弁護士費用相場|依頼内容別
遺産分割 |
着手金(約22万円~33万円) + 報酬金(経済的利益(※3)の4%~16%) |
遺留分侵害額請求(※1) |
|
遺言無効請求 |
|
その他紛争事件 |
|
遺言書作成 |
約20万~30万円 |
相続放棄 |
約5万5千円~11万円/人 |
限定承認(※2) |
約30万円~100万円 |
相続人の調査 |
約5万5,000円~11万円 |
相続財産の調査 |
約11万円~22万円 |
※1 遺留分侵害額請求…財産の遺留分を受け取ることができなかった場合、他の相続人に対して相当する金銭を請求すること
※2 限定承認…プラスの財産の範囲内でのみマイナスの財産(借金)を引き受けること
※3 経済的利益…依頼者が相続する遺産の時価総額
依頼の内容が紛争の場合、《着手金+報酬金》という料金体系にしているのが一般的です。着手金とは依頼の契約時に払う前金で、報酬金は問題が解決したときに支払う後払い金です。
報酬金は経済的利益の〇%というように設定しており、金額別の割合の目安は下表の通りです。
経済的利益 |
報酬金 |
300万円以下 |
16% |
300万円超過~3,000万円以下 |
10%+18万円 |
3,000万円超過~3億円以下 |
6%+138万円 |
3億円超過 |
4%+738万円 |
基本的には経済的利益が多いほど割合(%)が低くなる仕組みですが、一部割合(%)が固定の事務所もあります。
では上記2つの表をもとに具体的な数字をあてはめて算出してみましょう。次のような計算式になります。
例1)【遺産分割】 経済的利益300万円 着手金:22万円 報酬金:16%の場合 報酬金計算式:300万円 × 16% = 48万円 費用総額:着手金22万円 + 報酬金48万円 =70万円 |
例22)【遺産分割】 経済的利益1,000万円 着手金:33万円 報酬金:10%+18万円の場合 報酬金計算式:1,000万円 × 10% + 18万円 = 118万円 費用総額:着手金33万円 + 報酬金118万円 =151万円 |
繰り返しますが、弁護士費用は適正価格の範囲内で、費用の内訳をしっかり確認してから支払うことが大切です。
以上、遺産相続の弁護士の選び方について紹介しました。
本文の内容をおさらいしましょう。
最初に、弁護士選びではランキングは参考程度にとどめ、自分で見極めることが重要だとをお伝えしました。
遺産相続の弁護士探しでランキングを頼り過ぎてはいけない理由 |
● ランキングの基準が不明瞭だから ● 企業案件を扱っている大手事務所が上位になりがちだから ● 広告や宣伝目的の可能性があるから |
次に遺産相続の弁護士の探し方について紹介しました。
遺産相続に強い弁護士の探し方 |
● インターネット検索(おすすめ) ● 法テラス ● 弁護士会 ● 自治体の相談会 ● 知人の紹介 |
そして弁護士の選び方のポイントを7つお伝えしました。
遺産相続に強い弁護士の選び方7つのポイント |
● 相続の実績や知識が豊富か ● 弁護士費用は明確か ● じっくり話を聞いてくれるか ● 分かりやすく説明してくれるか ● 相性が良いかどうか ● 事務局もしっかり対応してくれるか ● 他の士業と連携しているか |
さらに弁護士選びの際の注意点、弁護士選びでよくある疑問、それから弁護士費用の目安についてもまとめました。
【必見】弁護士を選ぶ時の注意点3つ |
● 複数の事務所に相談してみるべき ● 初回相談を受けてくれた弁護士が担当してくれるか確認すべき ● 弁護士事務所の場所に注意 |
弁護士選びでよくある疑問Q&A |
● 大手事務所or個人事務所どちらがいい? ● 都会or地方どちらがいい? ● 費用が高い弁護士は優秀なのか? |
本記事をもとに遺産相続に強い弁護士の選び方を身に着け、ふさわしいパートナーに出会えることを願っております。