弁護士 西村 学
弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授
弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。
弁護士 西村 学
弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授
弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。
「遺産分割協議について相談したい」
「どうやって相続放棄できるのか分からない」
相続が発生すると様々な悩みや問題が生じます。相続手続きは複雑なので、場合によっては専門家の力を借りて進めた方が良いでしょう。
しかし相続の相談は誰にすればいいのか分からないですよね。
相続の相談先は主にこの5つです。
この5つの中でどこに相談すべきかは相談内容によって異なります。
各専門家はそれぞれ相続の中でも得意とする分野が違ってくるので、相談内容に応じた専門家を選びましょう。
また、仮に弁護士に相談すると決めた場合、どの弁護士でも良いのではなく相続に強い弁護士を選ばなければいけません。不動産の名義変更や相続税のことをも含めて、相続に強い弁護士であれば相続全般の相談が可能です。
弁護士の中には相続に全く詳しくない人も多く、そのような人に依頼すると的確な対応をしてもらえず手続きに不備があったり、相続で損をしたりする恐れがあります。これは税理士・司法書士・行政書士も同様です。
そこで本記事では、相談内容にふさわしく相続に強い専門家を選べるよう次の内容をまとめました。
この記事を読めば各相談先の特徴を理解した上で自分に合った相談先を選ぶことができ、さらに相談の予約まで実践することができるようになります。
是非最後まで読んでいってくださいね。
相続の相談先は主に次の5つが挙げられます。
◎弁護士
◎税理士
◎司法書士
◎行政書士
◎自治体
どこに相談すればいいか知るためには、まずは自分が相続のどの部分について相談したいかを明確にしましょう。
相続では遺言書や遺産分割、名義変更、相続税申告など様々な手続きが存在しますが、各専門家はこの数ある相続業務の中でも得意とすることと対応できないことがあります。
そのため相談内容によって選ぶべきベストな相談先は異なってくるのです。
各専門家の原則的な専門領域を一覧にまとめたので、自分の悩みに合った相談先はどこが適任か確認してみてくださいね。
弁護士 | 税理士 | 司法書士 | 行政書士 | 自治体 | |
相続相談(※) | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
相続人・相続財産の調査 | ◎ | ✕ | 〇 | 〇 | ー |
交渉・調停・訴訟代理 | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ | ー |
遺留分侵害額請求・減殺請求 | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ | ー |
相続放棄 | 〇 | ✕ | 〇 | ✕ | ー |
遺言書の検認手続き | ○ | ✕ | ○ | ✕ | ー |
遺言書作成 | 〇 | ✕ | △ | 〇 | ー |
相続税の試算・節税対策 | △ | ◎ | ✕ | ✕ | ー |
相続税の申告 | △ | ◎ | ✕ | ✕ | ー |
不動産の名義変更 | △ | ✕ | ◎ | ✕ | ー |
車や株式の名義変更 | △ | ✕ | ✕ | ◎ | ー |
金融機関の相続手続き | △ | ✕ | 〇 | 〇 | ー |
※相続相談…それぞれの業務範囲内における相続の流れや費用、必要書類などの一般的な質問や、どの専門家に頼ればいいのかを相談できる。
◎…もっとも得意とする領域
〇…対応可能
△…場合によっては対応可能
✕…対応不可
表の先頭列をクリックすると各専門家の詳細へ移動することができます。
それではひとつずつ詳しく見ていきましょう。
弁護士は相続において専門家の中で最も取り扱える業務が多く、また相続人間で起こった揉め事の仲裁もできるので、包括的に依頼者をサポートすることが可能です。
主な取り扱い業務を下表にまとめました。
■相続関連で弁護士ができること
相続人の調査 | 相続財産の調査 | 遺産分割協議書の作成 |
交渉代理 | 調停代理 | 訴訟代理 |
遺留分侵害額請求 (遺留分減殺請求) | 相続放棄 | 遺言書の作成 |
遺言の執行 | 遺言書の検認手続き |
※赤太字は専門家の中で弁護士のみができること
黒太字は他の専門家に比べ弁護士の方が得意とすること
相続人が複数いる場合、分割方法や遺留分について揉め事に発展することがよく起こります。そんな時弁護士に依頼すると、他の相続人との間に入って依頼人の利益を最大化するようベストを尽くしてくれます。
このように相続人に代わって揉め事に介入できるのは弁護士だけなので、揉め事やトラブルが起こっている場合は弁護士に依頼すると心強いでしょう。また、本来、税理士が得意領域とする相続税の申告や、司法書士が得意領域とする不動産の名義変更手続きなども、弁護士によっては対応可能な場合がありますので、相談する弁護士に確認してみましょう。
具体的には次のようなケースだと自力で解決するのは難しくなってくるため、弁護士に相談するのがおすすめです。
■弁護士に相談するのがおすすめなケース例
相談内容 | 弁護士に依頼すると… |
他の相続人が話し合いに応じない | 弁護士が話し合いを呼びかけてくれる。それでも応じない場合は調停や裁判で解決を図る |
他の相続人と顔を合わせたくない | 弁護士が代理人として話し合いをしてくれるため、顔を合わせずに済む |
遺産分割協議がまとまらない | 他の相続人との間に入り、分割の落としどころを提案してまとめてくれる |
他の相続人に遺産を使いこまれた | 相続財産の調査をしてもらって情報を取得し、代理で返還を要求または裁判を起こしてもらえる |
他の相続人に生前贈与があった | 特別受益を考慮して公平に分割できるようサポートしてもらえる |
被相続人を生前介護していたので多めに遺産を受け取りたい | 特別寄与料を代理請求してもらえる |
最低限の遺産取得額を受け取れなかった | 正当な遺留分侵害額を正確に計算し、代理で遺留分侵害額請求をしてもらえる |
【弁護士の相談料・費用相場】
弁護士費用は依頼内容や事務所により大きく異なります。
相談料 | 約5,000円/30分~1時間 初回相談無料の事務所も有り |
費用相場 | 数万円~数百万円 |
相談料は他の専門家と同じような金額設定ですが、実際依頼するとなると弁護士費用は高額になるケースも少なくありません。
弁護士費用は料金体系が複雑で、ほとんどの弁護士事務所では着手金と成功報酬を設定しています。
着手金と成功報酬は依頼人が受け取る相続財産の〇%というように設定されているので、財産が高額になるほど支払いが増える仕組みです。
相続の弁護士費用の相場についてもっと詳しく知りたい方は、「相続にかかる弁護士費用の相場が分かる!費用を抑えるコツも紹介」の記事をご覧ください。
【弁護士に相談するメリット・デメリット】
弁護士に相談した場合は次のようなメリット・デメリットが挙げられます。
弁護士に相談するメリット |
遺産相続で損をしない代理人として交渉してくれる 法律の専門家として納得できる解決に導いてくれる 揉め事の不安やストレスから解放される 煩雑な手続きを任せることで手間と時間を省ける |
弁護士に相談するデメリット |
他の専門家に比べて費用が高い 敷居が高い 相続人同士の関係が悪化する可能性がある |
弁護士に依頼すると相続で損しないだけでなく、精神面での負担も軽くなるのが特徴です。
相続はただでさえ労力がかかり大変なのに、その上揉め事が起こるとかなりしんどい思いをすることになります。
弁護士費用は高いですが、早く平穏な日常に戻るためにも心労が多大な時は利用を検討しましょう。
【相続に強い弁護士の選び方】
弁護士を探すときはインターネットで「相続 + 弁護士 + 地域名」を入力して検索しましょう。
弁護士を探す方法は他にもありますが、この方法が一番選択肢を広げて選ぶことができます。なお、全国に複数の事務所がある法律事務所であれば、広範にわたる相続手続きにも対応が可能なので、そのような事務所を選ぶことも有効です。
弁護士選びでは相続に強い弁護士を選ぶことが非常に重要です。相続の揉め事は複雑で難解なケースも多く、解決に導くには専門的な知識とノウハウを必要とします。
弁護士にもそれぞれ専門分野があり、相続を得意とする弁護士は全体から見るとそれほど多くありません。必ず弁護士事務所のホームページをチェックして相続専門の弁護士が在籍しているかどうか確認しましょう。
■相続に強い・信頼できる弁護士の選び方
相続分野の解決実績が豊富 相続税や不動産登記の相談にものってくれる 依頼者のことを親身になって考えてくれる 弁護士費用の明瞭さ レスポンスの早さ |
税理士とは各種税金の申告を納税者に代わって行う税金のスペシャリストで、税金のあらゆる相談事も解決に向けて導いてくれます。
相続において税理士が対応できる業務はこちらの範囲です。
■相続関連で税理士ができること
相続税の申告 | 相続税の試算 | 控除や特例の活用 | 二次相続対策 |
相続税の還付 | 相続人の確定申告 | 準確定申告 | 税務調査の立ち合い |
※税理士法第51条の規定により、国税局長に通知した弁護士及び弁護士法人は、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができます。このように、弁護士の中にも、税理士業務ができる弁護士がいます。国税局長に通知を行なった弁護士は国税庁のHPで確認することができます。
相続財産が3600万円以下なら相続税は発生しませんが、3600万円を超える場合で特に次のような悩みがあるなら税理士に相談することをおすすめします。
■税理士に相談するのがおすすめなケース例
相談内容 | 税理士に依頼すると… |
相続税額が分からない | 正確に相続税額を試算してもらい、特例や控除を活用して適切に節税できる |
相続財産に不動産があり、評価額を知りたい | 減額要素や特例を適切に用いて不動産評価を算出できる |
節税効果のある遺産分割方法を行いたい | 相続税を抑えるという視点で適切な分割方法を提案してもらえる |
申告手続きが不安or手間 | 煩雑な手続きを正確に、スピーディーに行ってもらえる |
相続税に関する一部業務なら弁護士でも対応可能ですが、相続税額を適切に抑えることができるという点では税理士の方が得意とします。
相続税は依頼する専門家の実力によって納税額が大きく変わってきます。なぜなら相続税は複雑な仕組みでグレーゾーンな部分も多く、特例や控除など様々な減税要素を駆使してどこまで合法的に税額を引き下げられるかは個人の腕にかかっているからです。
単に相続税の手続きを依頼するのではなく、節税効果を重視したい場合は税理士に相談しましょう。
【税理士の相談料・費用相場】
税理士事務所により金額設定は異なりますが、概ね下表の範囲に収まるでしょう。
相談料 | 約2万円/30分~1時間 初回相談無料の事務所も有り |
費用相場 | 基本料金:遺産総額の0.5~1.0%が目安 |
【税理士に相談するメリット・デメリット】
税理士に相談した場合は次のようなメリット・デメリットが挙げられます。
税理士に相談するメリット |
申告の煩雑な手続きを任せることで手間と時間をかけずに済む適切に節税してもらえる 申告ミスを防げる 税務調査を回避しやすい 税務署からの問い合わせや税務調査に立ち会ってもらえる |
税理士に相談するデメリット |
相続税以外の手続きや問題は対応範囲外 |
税額の大小に関わらず、税務調査は一定程度行われています。税理士に依頼すると税務調査を回避しやすく、また調査が入ったとしても立ち会ってもらえるので安心ですね。
【相続に強い税理士の選び方】
税理士を探すときはインターネットで「相続 + 税理士 + 地域名」を入力して検索しましょう。
税理士にもそれぞれ得意分野があり、相続の実績がない税理士も少なくありません。先述したとおり相続税は税理士の手腕により節税額が左右されるので、相続に強い税理士を選ぶことが重要です。
税理士事務所のホームページをチェックするときは次の基準を満たしているかどうか確認しましょう。
■相続に強い・信頼できる税理士の選び方
相続税の申告件数が多い 相続税に関する書籍を出版している 報酬額を公開している |
【税理士より公的機関に相談した方がいいケース】
事務的なことや比較的簡単な相談内容なら、税理士事務所ではなく公的機関に相談する方が向いています。
■公的機関に相談した方がいいケース
相続税の申告・納付手続きについて 必要書類について 一般的な相続税に関する問い合わせ |
上記のような相談内容の場合は次のいずれかの公的機関に相談しましょう。いずれも無料で対応してもらえます。
■無料相談先一覧
国税局電話相談センター | 電話相談:可 対面相談:不可 手順:①税についての相談窓口|国税庁で所轄の税務署を検索 ②電話をかけ、音声案内で「1」を選択する |
管轄の税務署 | 電話相談:不可 対面相談:可 手順:①税についての相談窓口|国税庁で所轄の税務署を検索 ②電話で相談日時を予約 |
日本税理士連合会 | 電話相談:可 手順:税務相談室のご利用案内に記載されている番号に電話 対面相談:可 詳細:税理士会の相談会に行ってみるに記載されている手順に従い予約 |
司法書士は法律の専門家であり、法務局や裁判所などに提出する書類の作成・申請代行を主に扱っています。
相続に関しては不動産の名義変更(相続登記)が代表的な業務で、他にも下記依頼内容に対応しています。
■相続関連で司法書士ができること
金融機関の相続手続き | 相続人の調査 | 相続財産の調査 | 相続放棄 |
遺産分割協議書の作成 | 不動産の名義変更 | 遺言書作成 | 遺言書の検認手続き |
※黒太字は他の専門家に比べ司法書士の方が得意とすること
不動産の名義変更は自分でも行うことができますが、他の項目も併せて依頼したい場合や、次のケースのような少し複雑な相続の場合は司法書士に相談するのがおすすめです。
■司法書士に相談するのがおすすめなケース例
相談内容 | 司法書士に依頼すると… |
不動産の権利関係が複雑 | 共有名義の不動産である等複雑な相続の場合でも漏れなく登記してもらえる |
戸籍謄本など必要書類を揃えてほしい | 相続人が多い場合や遠方、海外に住んでいる場合などは書類を揃えるのに労力がかかるため、司法書士に任せると負担を減らせる |
相続放棄をしたい | 弁護士より費用を抑えやすい 限定承認(プラスの財産でマイナスの財産を相殺)にも対応 (もっとも、司法書士は家庭裁判所とのやりとりの代理人にはなれない) |
不動産の相続手続きが不安or手間 | 煩雑な手続きを正確に、スピーディーに行ってもらえる |
弁護士に依頼できる内容と共通している項目もありますが、司法書士は相続人同士の揉め事を解決することはできません。
既に何らかの揉め事が起きているケースでは弁護士に依頼しましょう。一方司法書士はトラブルに介入しない分費用は弁護士より抑えられます。
【司法書士の相談料・費用相場】
司法書士事務所により金額設定は異なりますが、概ね下表の範囲に収まるでしょう。
相談料 | 約5,000/30分~1時間 初回相談無料の事務所も有り |
費用相場 | 書類作成のみ:約3万円 書類作成以外の手続き:約5~10万円 |
税理士や弁護士に比べリーズナブルなところが多く、料金体系もシンプルで分かりやすい傾向にあります。
【司法書士に相談するメリット・デメリット】
司法書士に相談した場合は次のようなメリット・デメリットが挙げられます。
司法書士に相談するメリット |
他の専門家に比べ費用がリーズナブル 煩雑な手続きを任せることで手間と時間をかけずに済む |
司法書士に相談するデメリット |
相続人同士の揉め事には介入できない 相続税の申告はできない |
【相続に強い司法書士の選び方】
司法書士を探すときはインターネットで「相続 + 司法書士 + 地域名」を入力して検索して、相続を専門的に扱っている事務所を探しましょう。
司法書士にもそれぞれ得意分野があり、相続の実績がない司法書士も少なくありません。
相続は手続きを進めていく内に様々な事実が明るみになったりトラブルが発生したりすることがよく起こります。そんなとき相続にあまり詳しくない司法書士だと的確な対応をしてもらえないので、必ず相続に強い司法書士を選ぶようにしましょう。
相続に強いかどうかは司法書士事務所のホームページで下記基準をクリアしているかどうかで判断できます。
■相続に強い・信頼できる司法書士の選び方
相続登記の実績が多い他士業(税理士・金融機関等)との連携がある料金表を公開している |
【司法書士より公的機関に相談した方がいいケース】
事務的なことや比較的簡単な相談内容なら、司法書士事務所ではなく公的機関に相談する方が向いています。
■公的機関に相談した方がいいケース
登記の手続きについて 必要書類について 一般的な登記に関する問い合わせ |
上記のような相談内容の場合は次のいずれかの公的機関に相談しましょう。いずれも無料で対応してもらえます。
■無料相談先一覧
管轄の登記所(法務局) | 電話相談:要確認 対面相談:可(20分制) 手順:①管轄のご案内:法務局で管轄の法務局を検索 ②電話で相談日時を予約 |
日本司法書士連合会 | 電話相談:可 手順:日本司法書士会連合会 | 相続登記相談センター特設サイトに記載されている番号に電話 対面相談:可 詳細:日本司法書士会連合会 | 相続登記相談センター特設サイトで都道府県を選んで手順に従い予約 |
行政書士は役所に提出する書類作成などを行っており、相続の分野においては主に下記の業務を依頼できます。
■相続関連で行政書士ができること
遺産分割協議書の作成 | 相続人の調査 | 相続財産の調査 | 相続関係図の作成 |
金融機関の相続手続き | 車や株式の名義変更 | 遺言書作成 | 遺言の執行 |
黒太字は他の専門家に比べ行政書士の方が得意とすること
行政書士は書類の収集や作成を得意とするので、相続人に代わって各種手続きを行うことで相続人の負担を減らせるのが行政書士の強みでしょう。
その一方で、相続登記や相続放棄、相続税の申告、相続人間のトラブルなどには対応していません。
そのため行政書士は次の条件に当てはまる人が自分で各種手続きを行うのが難しい場合に相談することがおすすめです。
■行政書士に相談した方がいい人
相続財産に不動産がない 相続財産が3600万円以下で相続税が発生しない 相続人間で揉め事が起きていない+自分で手続きを行うのが難しい |
【行政書士の相談料・費用相場】
行政書士事務所により金額設定は異なりますが、目安として下表の金額を参考にしてください。
相談料 | 約5,000/30分~1時間 初回相談無料の事務所も有り |
費用相場 | 基本料金:約5,6万円 各種手続き:数千円~数万円/件 |
基本料金+各種料金という料金体系で、業務1件あたりの費用は低めに設定されている事務所が多いです。
【行政書士に相談するメリット・デメリット】
行政書士に相談した場合は次のようなメリット・デメリットが挙げられます。
行政書士に相談するメリット |
他の専門家に比べ費用がリーズナブル 地域密着型の個人事務所が多く、親身になってくれる 煩雑な手続きを任せることで手間と時間をかけずに済む |
行政書士に相談するデメリット |
相続の中でも専門外である業務が多い |
敷居の高い他の専門家と比べ、気軽に相談しやすいのも行政書士の利点です。
【相続に強い行政書士の選び方】
行政書士を探すときは日本行政書士会連合会の検索ページ(行政書士会員検索)を活用しましょう。
理由は二つあり、
◎行政書士名簿に登録があることを確認できる
◎相続に詳しい行政書士を検索することができる
からです。
近年、行政書士を名乗る偽者が増えてきたと報告されています。ニセ行政書士に関わらないために必ず連合会に登録されている行政書士かどうか確認してくださいね。
検索ページでは主な取り扱い業務を選べる項目があります。ここで「遺言・相続・遺産分割」にチェックを入れて検索ボタンを押すと、相続に詳しい行政書士が表示されます。何ヶ所か近隣の事務所に電話で問い合わせて、対応の良さそうな事務所を選ぶようにしましょう。
出典:日本行政書士会連合会
各自治体では相続に関する無料相談会を設けていますが、ここでは問題解決というより情報収集ができる場ぐらいに認識しておきましょう。
自治体の相続相談は時間も30分程度と限られている上に、年間1回限り(上限2回までの自治体もあり)と決まっている場合がほとんどなので、あまり多くの内容は相談できません。
そのため深刻な悩み相談ではなく、一般的な質問を解決したい場合に適しています。具体的には次のような場合に活用するようにしましょう。
■自治体の相続相談に向いている相談内容
相続の流れ・手続きを知りたい必要書類について 一般的な相続に関する問い合わせ |
各自治体の相談会についてはインターネットにて「自治体 + 相続 + 相談」で検索すると詳細が表示されます。日時を確認して記載されている手順に沿って予約を行ってくださいね。
尚、自治体の相談会でも専門家が弁護士・税理士・司法書士・行政書士でブースが分かれているところが多いので、どの専門家に相談すべきか確認しておきましょう。
相続の相談先が決まり予約までできたら、当日に向けて準備を進めましょう。
事前に済ませておきたいことは下記2点です。
◎情報を整理しておく
◎書類を集めておく
これらを済ませておかないと当日相談で十分なアドバイスを受けられず、せっかくの時間が無駄に終わってしまうかもしれません。
そうならないようできる限り準備しておいてくださいね。
相談の時までに相続の状況を整理しておきましょう。
情報を整理せずに面談でいきなり話し始めても、話がまとまらず説明だけで終了時刻になりかねません。
どこの相談先も相談時間は30分程度、長くても1時間です。初回相談無料の事務所でも制限時間が過ぎると延長料金がかかってくるところもあります。
短い時間内にしっかり相談できるよう、相続の全容と相談したいポイントを整理しましょう。紙に書いておくと相手にも伝わりやすいのでおすすめです。
■整理しておくべき内容(メモ書きにして持参すると良い)
被相続人の情報(亡くなるまでの時系列) 相続人の情報相続関係図(家族構成が分かるもの) 相続財産の目録 トラブルの内容質問事項、等 |
情報を整理したメモ書きとともに次の書類も持参すると当日の話の進行がスムーズです。
しかしこれらを全て揃えておくのは時間も労力もかかるため、無理に初回相談に間に合わせる必要はありません。
被相続人の戸籍謄本(相続人との関係を確認するため)と住民票の除票(被相続人の住所・本籍地を確認するため)だけでも用意しておきたいですが、書類がなくても相談は可能です。
■初回相談時に用意しておきたい書類一覧
重要度 |
必要書類 |
入手先 |
持っていきたい |
被相続人の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) |
被相続人の市区町村の役所 |
被相続人の住民票の除票 |
被相続人の市区町村の役所 |
|
できれば持っていきたい |
遺言書(ある場合)※ |
|
相続不動産の固定資産納税通知書 |
毎年4月に被相続人の自宅に届いていたもの |
|
相続財産がわかる書類①~③ |
||
①預貯金→通帳のコピーor残高証明書 |
金融機関 |
|
②有価証券→証券会社からの報告書 |
証券会社 |
|
③生命保険→保険証券等 |
保険会社 |
|
葬儀費用の領収書 |
葬儀会社 |
※封印されている場合は持参不要
本記事を読んで相続の相談をどこにすればいいか決まりましたか。
あらためてもう一度本文の内容をおさらいしましょう。
ケース別5つの相続相談先 |
相続トラブルなら弁護士へ 相続税のことなら税理士へ 不動産を含む相続なら司法書士へ 書類の収集や作成なら行政書士へ 情報収集なら自治体の相談会へ |
それぞれの
◎対応範囲
◎相談すべきケース
◎メリット・デメリット
◎相談料・費用相場
◎探し方と選び方
を理解して、自分の相談内容に合った相談先を選んでくださいね。
なお、当事務所では、不動産の名義変更ができる司法書士や税理士業務ができる通知弁護士が在籍しています。また、払いすぎた相続税の還付手続きのお手伝いもしておりますので、相続税全般についてもご相談いただけます。詳細は、「相続税還付請求は、弁護士法人サリュへ」のページをご覧ください。
相談先が決まって予約が済んだら、話をスムーズに進めていくために下記2点の準備を進めておきましょう。
相続の相談時間を有意義にするためのポイント2つ |
情報を整理しておく 必要書類を集めておく |
この記事を基に、適切な相談先を選べて相続の悩みを解決できることを願っております。