父子感染であると診断されました。
2年前に、Kさんは、B型肝炎ウイルス起因の肝臓がんと診断されました。
その頃、幼少期に受けた集団予防接種等の注射器の使い回しが原因でB型肝炎ウイルスに感染した方が沢山存在し、国から給付金を受給できる救済措置法があることを知りました。
Kさんのお父様は、Kさんが小学生の時にB型肝炎ウイルス感染者だと分かっており、
そのとき念のために家族全員検査をしたところ、Kさんのお母様とKさんもB型肝炎ウイルスに感染していることが分かりました。
その結果、当時の医師の診断から、Kさんは父子感染であると診断されました。
その後、お父様は42歳の時に肝臓がんでお亡くなりになりました。
母子感染の可能性もあるはずだと思い相談
成人になってから、KさんはB型慢性肝炎になり、会社の転勤の度に、各地の医療機関を受診し、子供の頃に父子感染と診断されたことを、医師に説明していました。
救済措置法には、母が一次感染者、子が二次感染者として母子感染者も救済されるとありますが、他方で、父子感染のときは原則として救済が難しい取扱になっています。
しかし、冷静に考えてみると、Kさんのお母様もB型肝炎ウイルスに感染しているのに、何故父子感染と診断されているのか?Kさんは疑問に思いました。
子供の頃から、父子感染と思い込んできたが、母子感染の可能性もあるはずだと思い、弁護士法人サリュに相談されました。
国に母子感染と認めさせ、給付金を受給することができました。
Kさんの相談を受け、カルテに父子感染と記載されていたとしても、実際は、母子感染であったとして和解できる可能性は十分にあると判断し、ご依頼をお受けしました。
裁判を進めていく中で、塩基配列検査結果や追加資料収集の求めが国からありましたが、報告書の作成や1つ1つ資料を収集した結果、無事母子感染で和解でき、母が無症候性キャリアで50万円、Kさんが肝がんで3600万円の給付金を受給することができました。 Kさんには、諦めずにサリュに相談して本当に良かったと言っていただきました。
カルテ上に、父子感染の記載が沢山ある中での和解は、簡単なことではありませんでした。けれども、母子感染であることを証明する証拠を1つ1つ立証することによって、国に母子感染と認めさせることができました。依頼者に心から喜んでもらえて本当に良かったと思える解決事例でした。