相続手続き費用は自分だと3000円~【ひとめで分かる内訳表付】

相続手続き費用
この記事の監修者
弁護士西村学

弁護士 西村 学

弁護士法人サリュ代表弁護士
大阪弁護士会所属
関西学院大学法学部卒業
同志社大学法科大学院客員教授

弁護士法人サリュは、全国に事務所を設置している法律事務所です。業界でいち早く無料法律相談を開始し、弁護士を身近な存在として感じていただくために様々なサービスを展開してきました。サリュは、遺産相続トラブルの交渉業務、調停・訴訟業務などの民事・家事分野に注力しています。遺産相続トラブルにお困りでしたら、当事務所の無料相談をご利用ください。

「相続手続きの費用ってどのくらいかかるの?」

「いつまでにどれくらいの費用を用意すればいいの?」

相続は生涯でそう何度も経験することではないので、手続きの費用が何にいくらかかるのか分からなくて不安な方は多いと思います。

ただでさえ深い悲しみの中にいらっしゃるのに、これから手続きの期限を意識しながら費用をかけて相続の手続きを進めなければならないので、ため息をつきたくなるのも当然です。

どんな状況の方であって必要となる書類は以下の6種類です。自分で相続手続きをする場合は、これらの必要書類を取得するための約3,000円~の費用相場で、済ますことが可能となります。

自分で相続手続きをする時に必ず必要な書類とその費用

 ① 相続人全員の戸籍謄本1通450円
 ② 被相続人(故人)の除籍謄本1通750円
 ③ 被相続人の戸籍の附表1通300円
 ④ 相続人全員の印鑑登録証明書1通300円~400円
 ⑤ 相続人の住民票1通300円~400円
 ⑥ 被相続人(故人)の住民票除票1通300円または350円
 計 約3,000円~

相続が発生してから手続きが完了するまでの流れは以下のようになっていて、タイミング別に必要となる費用が発生します。

タイミング

手続き内容

 

自分で手続きする場合

すぐ

遺言書の有無の確認

遺言書がない・

公正証書遺言がある場合

なし

自筆証書遺言・

秘密証書遺言がある場合

検認手続き費用に950

3か月以内

相続人の調査

必要書類取得費用に約3,000

相続財産の調査

なし

相続放棄

相続放棄申述書作成費用に2,350円程度

4か月以内

準確定申告

なし

 

10か月以内

遺産分割協議

なし

名義変更

預貯金

なし

株・証券

貴金属・骨董金

不動産

固定資産税評価額×0.4%登録免許税

例:不動産・固定資産評価額が1,000万円の土地を相続登記した場合は、4万円~

自動車

3,000円

相続税申告

なし

ただし、相続手続きには時間と労力がかかり、書類の記入のためには専門知識が必要となります。

申告を間違えると余分に相続税を支払う羽目になったり、相続人間での意向がまとまらずに申告期限に間に合わなくなったりする可能性があります。

この記事では、相続手続き費用について詳しく知りたい方に向けて、以下のポイントをご紹介します。

本記事のポイント
自分で相続手続きした時の費用相場を解説
◎相続手続きの流れに沿ってタイミング別にかかる費用を紹介
相続財産の種類別にかかる手続き費用を解説
相続手続きを代行してもらう場合の依頼先費用相場を紹介

上記のポイントを押さえると、相続手続き費用がいつ何にどれくらいかかるのか分かるようになります。

とても大変な相続手続きを費用をしっかり押さえた上でスムーズに進められるように、ぜひ最後まで読み進めていただければ幸いです。

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目次

自分で相続手続きした時の費用相場は約3,000円~

自分で相続手続きをする場合、約3,000円~の費用相場で済ますことが可能です。

専門家に依頼した場合の費用相場が10万円~となっていることと比較すると、自分で行えば相続手続き費用を抑えることができます

ただし、時間と労力に加えて専門知識も必要になるので、想像以上にとても大変な作業となるでしょう。

どんな状況の方であっても相続手続きに必要となる書類は、以下の6種類です。

自分で相続手続きをする時に必ず必要な書類とその費用

 ① 相続人全員の戸籍謄本1通450円
 ② 被相続人(故人)の除籍謄本1通750円
 ③ 被相続人の戸籍の附表1通300円
 ④ 相続人全員の印鑑登録証明書1通300円~400円
 ⑤ 相続人の住民票1通300円~400円
 ⑥ 被相続人(故人)の住民票除票1通300円または350円
 計 約3,000円~

上記の表では窓口で取得した場合の費用相場を記載していますが、コンビニ交付が利用できる自治体の場合は利用すると、さらに費用を抑えられます

戸籍謄本や住民票は相続人全員分を取得しなければならないため、一枚に相続人全員の情報が記載されていない場合は複数枚必要です。

手続きの際には印鑑証明書を除けばコピーの提出ですむケースが多いので、一度取得すれば使い回せることを覚えておきましょう。

▼注意!!   約3,000円からの負担で済むなら、自分で手続きをしようと考える方は多いと思います。   しかし、相続財産に不動産が含まれていたり、相続人の数が多かったりするとそれだけ手続きにかかる時間と労力は増します。   必要書類と取り寄せた後に提出する際の書類記入は、専門知識が必要となって大変難しいものです。   自分で背負い込まずに、専門家に手続きを代行してもらう手段もあることを覚えておきましょう。

【表でひとめでわかる】タイミング別の相続手続き費用一覧

自分で不動産手続きをする時の費用相場や内訳が分かったところで、いつどれくらいの費用がかかるのか事前に知っておきたい方は多いことと思います。

相続が発生してから手続きが完了するまでの流れは以下のようになっているので、タイミング別の相続手続き費用について詳しくご紹介します。

タイミング

手続き内容

 

自分で手続きする場合

すぐ

遺言書の有無の確認

遺言書がない・

公正証書遺言がある場合

なし

自筆証書遺言・

秘密証書遺言がある場合

検認手続き費用に950

3か月以内

相続人の調査

必要書類取得費用に約3,000

相続財産の調査

なし

相続放棄

相続放棄申述書作成費用に2,350円程度

4か月以内

準確定申告

なし

 

10か月以内

遺産分割協議

なし

名義変更

預貯金

なし

株・証券

貴金属・骨董金

不動産

固定資産税評価額×0.4%登録免許税

例:不動産・固定資産評価額が1,000万円の土地を相続登記した場合は、4万円~

自動車

3,000円

相続税申告

なし

遺言書の有無の確認

まず、最初にしなければならないのは遺言書の有無の確認です。

遺言書がない場合は費用はかかりません。遺言書がある場合は遺書の種類が以下の3種類のうち、自筆証書遺言と秘密証書遺言だと約950円の検認手続き費用が必要です。

遺言書の種類別に見た次にすべきこと

公正証書遺言

公証役場で公証人の確認のもと作成された遺言書で、相続発生時点で効力を持つ

→すぐに相続人の調査に移る

自筆証書遺言

故人が自分で書いた遺言書で、家庭裁判所の検認が必要。検認手続きをしなければ法的効力なし

検認手続き後、相続人の調査に移る

秘密証書遺言

存在のみを公証人に証明してもらう遺言書で内容は確認されていないため、家庭裁判所の検認が必要。検認手続きをしなければ法的効力なし

検認手続き後、相続人の調査に移る

検認手続きは故人の住所地を管轄する裁判所で行い、必要な費用は以下の通りです。

検認手続きを行う場所

裁判所

項目

費用

検認手続きに必要な費用

遺言書1通ごとの収入印紙

800円

検認証明書の収入印紙分

150円

合計 950円〜

相続が発生した時に、なぜ一番に遺言書の有無を確認しなければならないかというと、相続においては故人の遺志がもっとも重要視されるからです。

生前に遺言書の有無と所在を知らされていればスムーズですが、分からない場合は自宅を探しても見つからなければ、公証役場や法務局に行って確認しましょう。

遺言書の有無の確認の段階で必要な費用をまとめると、以下の通りです。

遺言書の有無の確認の段階で必要な費用

・遺言書がない場合

・公正証書遺言がある場合

なし

・自筆証書遺言・秘密証書遺言があり、自分で検認手続きする場合

約950円

検認手続きは、弁護士に依頼することも可能です。

相続人の調査

次に相続人の調査を行いますが、必要書類を揃えるために約3,000円の費用がかかります。

遺産分割協議は法定相続人全員の意向を揃える必要があるため、まずは相続人が誰なのかを確定しなければなりません。

そのために必要なのが以下の書類で、費用と取得できる場所・方法は以下の通りです。

相続人の調査に必要な費用

必要書類

費用

(窓口で取得した場合)

取得できる場所・方法

市区町村の窓口

郵送

コンビニ交付

相続人全員の戸籍謄本

1通450

(本籍地)

被相続人の除籍謄本

1通750

(本籍地)

相続人の戸籍の附表

1通300

(本籍地)

相続人全員の印鑑登録証明書

1通300円~400

(相続人が印鑑登録をした地)

×

相続人の住民票

1通300円~400

故人の住民票除票

1通300

または350

(被相続人が最後に住んでいた地)

×

相続人の調査に必要な費用をまとめると、以下の通りです。

相続人の調査に必要な費用
約3,000円

誰が相続人なのかはっきりしない場合や連絡を取るのが難しい場合は、弁護士・司法書士・行政書士に相続人の調査・確定作業を依頼できます。

相続財産の調査

相続人の調査と並行して相続財産の調査を行いますが、自分でする場合は特に費用はかかりません

相続財産は大きく分類すると、以下の5種類があります。

・預貯金
・株
・証券
・貴金属
・骨董品
・不動産
・自動車

故人の自宅にある権利証や固定資産税課税通知書を見たり、金融機関へ問い合わせたりして所在や評価額を明らかにしましょう。

相続財産の調査に必要な費用をまとめると、以下の通りです。

相続財産の調査に必要な費用
なし

ただ忙しい方や遠方に住んでいる方、相続財産について分からない部分が多い方の場合、自分で調査をするのは難しいので、専門家に依頼するのがおすすめです。

相続放棄(3か月以内)

以下のようなケースでは、相続開始を知った時から3か月以内であれば相続放棄を選択でき、自分で手続きするなら2,350円程度の費用がかかります。

・相続財産よりも借金の方が明らかに多い
・故人が連帯保証人になっていた
・家業を特定の相続人に引き継がせたい
・他の相続人と関わりたくない(遺産分割協議に参加したくない)

相続放棄手続きは家庭裁判所で行い、必要な費用は以下の通りです。

相続放棄手続きを行う場所

家庭裁判所

項目

費用

 相続放棄手続きに必要な費用

相続放棄申述書の収入印紙(申述人1人につき)

800円

郵便切手

500円前後

故人の住民票除票または戸籍附表

300円程度(市区町村によって異なる)

故人死亡の記載がある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

750円

合計 2,350円〜

相続放棄の手続きに必要な費用をまとめると、以下の通りです。

相続放棄の手続きに必要な費用
2,350円程度

相続放棄は3か月以内にミスなく手続きをすませる必要があるため、弁護士に手続きを代行してもらうのがおすすめです。

準確定申告(4か月以内)

故人が生前に収入があった場合、相続開始を知った時から4か月以内に死亡日までの収入に対する所得税額の計算・申告を行う、準確定申告を行わなければなりません。

自分で準確定申告をする場合、特に費用はかかりません

手続きの際には、故人の住所地を管轄する税務署に準確定申告書を提出します。

準確定申告を行う場所税務署(もしくは郵送かe-Tax)

書類は国税庁HPからダウンロードできるので特に費用は必要ないものの、税金に関する知識がない人は書類に記入するのは難しいと感じることが少なくありません。

間違えると還付金額に影響するので、税理士に手続きを代行してもらうのがおすすめです。

準確定申告に必要な費用をまとめると、以下の通りになります。

準確定申告に必要な費用
なし

遺産分割協議

相続人と相続財産の調査が完了したら、誰にどれだけ分配するかを決める遺産分割協議に移ります。

相続人全員の合意がスムーズだった場合は、遺産分割協議書を自分で作成すれば費用はかかりません

一方で、相続人のうち1人でも反対する人がいる場合は、弁護士に依頼して代理人として仲介してもらうとスムーズに協議が進みます。

遺産分割協議に必要な費用をまとめると、以下の通りです。

遺産分割協議に必要な費用
なし

名義変更

遺産分割協議が済んだら、故人の名義になったままの財産を早めに相続人に名義変更する必要があります。

財産が預貯金、株・証券、貴金属・骨董品の場合は、基本的には費用はかかりません

しかし、不動産自動車の場合は、以下のように費用がかかります。

不動産・自動車の名義変更手続きに必要な費用

 

自分で手続きする場合

不動産

 

例)固定資産評価額が1,000万円の土地を相続登記した場合

4万円~

(内訳)

 ・登録免許税 4万円

 ・必要書類の取得費用 0円~5,000

 

自動車

3,000円~

(内訳)

 ・移転登録手数料 500

 ・車庫証明取得費用 2,500円~3,500円(

ナンバーを変更する場合 4,500円~

 ・上記に加えてナンバープレート代 1,500円前後(

※ 地域によって費用は異なります。

詳しくは、相続財産の種類別に見た相続手続き費用でご紹介します。

次の相続が起きた時にもしもまだ名義変更が済んでいないと、誰の相続財産なのかが分かりにくくなってしまうため、ただでさえ大変な相続手続きがさらに複雑になってしまいます。

できるだけ10か月以内に名義変更を完了させましょう。

相続税申告(10か月以内)

最後に、相続開始を知った時から10か月以内に相続税申告を行います。

相続した財産が以下の基礎控除額を下回る場合は、申告・納税する必要はありません

基礎控除額 = 3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )

この基礎控除額を上回る場合は、故人の住所地を管轄する税務署に相続税申告が必要となります。

相続税を納税しなければならないので、相続税申告書に遺産分割協議書のコピーを添付して提出しましょう。

相続税申告を行う場所税務署

相続税の計算は専門知識が必要になるので、基礎控除額を超える場合は税理士に相談するのがおすすめです。

相続税申告に必要な費用
なし

相続財産の種類別に見た相続手続き費用

相続手続きを進めていく上でいつどれくらいの費用が必要になるのかが分かったところで、自分が相続した相続財産の場合はどれくらいの費用がかかるのか、気になっている方は多いことと思います。

相続財産は以下の5つに分類できて、以下にあるように不動産と車両については相続手続き費用が発生します。

相続財産の種類別に見た相続手続き費用

預貯金

なし

※金融機関によっては預金残高証明書が必要になる場合がある

株・証券

なし

貴金属・骨董品

なし

不動産

例)固定資産評価額が1,000万円の土地を

相続登記した場合

自分で手続きする場合 4万円~

(内訳)

 ・登録免許税 4万円

 ・必要書類の取得費用 0円~5,000

自動車

自分で手続きする場合 3,000円~

(内訳)

 ・移転登録手数料 500

 ・車庫証明取得費用 2,500円~3,500円(地域によって異なる)

 ・自動車取得税(車種やグレード、経過年数によって異なる)

ナンバーを変更する場合 4,500円~

 ・上記に加えてナンバープレート代 1,500円前後(地域によって異なる)

預貯金

預貯金を相続する場合、基本的には銀行での相続手続き費用はかかりません

しかし、金融機関によっては残高証明書が必要となり、500円~1,000円程度の発行手数料がかかる場合があります。

預貯金の相続に必要な書類は、以下の通りです。

預貯金の相続に必要な書類
・口座名義人(故人)の除籍謄本
・口座名義人(故人)の預金通帳
・届出印 ・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書(発行後3か月以内)
・遺産分割協議書

株・証券

株・証券を相続する場合も、基本的には相続手続き費用はかかりません

株・証券の相続に必要な書類は、以下の通りです。

株・証券の相続に必要な書類
・遺言書
・名義人(故人)の除籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書(発行後3か月以内)
・相続を受ける相続人全員の実印
・遺産分割協議書

貴金属・骨董品

貴金属や骨董品を相続する場合も、基本的には相続手続き費用はかかりません

遺産分割協議後には自動的に名義が移るので、売却して現金化しても、問題ありません。

不動産

不動産を相続する場合、相続登記を行って「固定資産税評価額×0.4%」の登録免許税を支払わなければなりません。

例えば、固定資産評価額が1,000万円の土地を相続登記した場合では、以下のように4万円~の費用がかかります。

項目

費用

不動産の相続に必要な費用

(固定資産税が1,000万円の土地を

相続登記した場合)

登録免許税

4万円

必要書類の取得費用

0円~5,000

合計 4万円~

相続登記は、相続した不動産がある地域を管轄する法務局で行いましょう。

相続登記を行う場所法務局

相続登記に必要となる書類は、以下の通りです。

相続登記に必要な書類
・故人の出生から死亡までの戸籍謄本
・法定相続人の戸籍謄本
・法定相続人の住民票
・故人の住民票の除票または戸籍の除附表
・相続する不動産の固定資産税評価証明書
・法定相続人全員の印鑑証明書(発行後3か月以内)
・遺産分割協議書

これだけの手続きを全て自分でするのは非常に大変なので、弁護士司法書士に依頼するという方法もあります。

自動車

自動車を相続する場合、引き継いで使用する場合はもちろん売却や廃車にする場合であっても名義変更手続きが必要で、以下のように3,000円~の費用がかかります

項目

費用

自動車の相続に必要な費用

移転登録手数料

500円

車庫証明取得費用

2,500円~3,500円(地域によって異なる)

自動車取得税

車種やグレード、経過年数によって異なる

ナンバープレート代

1,500円前後(地域によって異なる)

合計 3,000円~

(ナンバーを変更する場合は4,500円~

自動車を相続したら、運輸支局に行って名義変更手続きをしましょう。

自動車の名義変更を行う場所運輸支局

運輸支局での自動車の相続手続きに必要な書類は、以下の通りです。

自動車の相続に必要な書類
・名義人(故人)の除籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人の印鑑証明書(発行後3か月以内)
・相続人の実印
・車検証
・遺産分割協議書

壊れて動かず廃車にする場合は、引き取り業者に運搬料を支払わなければならない可能性があります。

自動車の名義変更手続きの代理ができる行政書士に、依頼するのもおすすめです。

相続手続きを代行してもらう場合の依頼先と費用相場

相続手続きにはやるべきことがたくさんあって複雑であることが分かったところで、相続手続きを代行してもらう場合の依頼先と費用相場は、以下の通りです。

相続手続き代行の依頼先と費用相場

銀行100万円~
弁護士10万円~数十万円
司法書士数万円~数十万円
税理士遺産総額の0.5~1.0%
行政書士数万円~

つい費用面だけで選んでしまいたくなりますが、以下のように代行依頼先によって依頼できる内容が異なります

相続手続きの代行依頼先の費用相場と依頼できる内容

相続手続き内容

銀行

弁護士

司法書士

税理士

行政書士

・遺言検認の申し立て

(※3)

×

×

・法定相続人の調査・確定作業

・相続財産の調査

(※4)

・相続放棄の申し立て(3か月以内)

(※4)

×

×

・相続人間の紛争解決

(※5)

×

×

・遺産分割協議書の作成

(※3)

(※6)

・預貯金の解約払い戻し

・有価証券の名義変更

・不動産の名義変更

(※1)

×

×

・自動車の名義変更

×

×

×

・相続税の申告(10か月以内)

(※2)

×

×

※1 司法書士に任せるケースが多い

※2 国税局長に税理士業務を行う旨の通知をした弁護士は可能

※3 遺産に不動産が含まれている場合に限る

※4 代理申請はできない

※5 認定司法書士に限り、140万円以下の遺留分侵害額請求に関する対応等は可能

※6 相続税が発生する場合に限る

相続手続き全般を依頼するなら弁護士がおすすめで、誰に依頼してよいか分からない時についてもひとまず弁護士に相談してみるとよいでしょう。

不動産の登記手続きや各種財産の名義変更手続きなどピンポイントで依頼したい場合は他の専門家に依頼しましょう。

銀行【100万円~】

銀行に依頼すると手続き代行費用相場が100万円~となるのは、銀行を通して紹介された弁護士や司法書士に相続手続きを代行してもらうため、仲介手数料が余分に含まれるからです。

銀行に相続手続き代行を依頼するメリット・デメリットは、以下の通りです。

銀行に相続手続き代行を依頼するメリット・デメリット

メリット

・普段から馴染みがあるため、信頼・安心できる

・依頼後はワンストップですべてお任せできる

・銀行や銀行が紹介してくれた専門家が組織立って手続きを進めてくれる

デメリット

・仲介手数料が含まれるため、割高になる

以下のように相続手続きの代行費用に糸目をつけない場合は、銀行に依頼するのがおすすめです。

そうでない場合は、他の専門家に依頼した方が費用を抑えられます。

銀行に相続手続き代行を依頼するのが

おすすめな人

銀行に相続手続き代行を依頼するのが

おすすめでない人

相続手続きの代行費用に糸目をつけない人

・ワンストップでお任せしたい人

・相続手続きの代行費用にお金をかけたくない人

・ひとつの手続きだけを代行してもらいたい人

弁護士【10万円~】

相続人の代理人として相続手続き全般ができる弁護士に依頼すると、手続き代行費用相場は10万円~数十万となります。もちろん、遺産整理業務などの手続き業務に加えて、裁判などを依頼すると費用がもっとかかることもありますが、相続手続きについて比べれば、司法書士や行政書士に比べて高いというわけではありません。

相続手続きを専門としている弁護士事務所では、相続に強い税理士や司法書士、行政書士と提携している場合がほとんどです。

誰に依頼してよいか分からない場合は、まず弁護士に相談してみましょう。

弁護士に相続手続き代行を依頼するメリット・デメリットは、以下の通りです。

弁護士に相続手続き代行を依頼するメリット・デメリット

メリット

相続手続き全般を依頼できる

・遺産分割協議の代理人になれるので、仲が険悪な他の相続人と会わなくてすむ

デメリット

・不動産登記を扱っていない法律事務所もある。

 事前に見積もりを取り寄せて、依頼内容の範囲をよく検討する

相続においては、お互いが譲らずに遺産の分割で揉めるケースが多発しています。

相続人間で揉めている以下のような人は、遺産分割協議の代理人になれる弁護士に依頼しましょう。

弁護士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめな人

弁護士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめでない人

相続人同士で意見が割れている人

相続人同士の仲が険悪になっている人

・複雑な相続手続き全般を任せたい人

・自動車の名義変更手続きをしてほしい人

 行政書士に依頼

司法書士【数万円~】

司法書士に依頼すると、手続き代行費用相場は数万円〜となります。

司法書士とは登記を行う専門家なので、以下のように相続した不動産の登記手続きを代行してもらいたい場合に依頼するのがおすすめです。

司法書士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめな人

司法書士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめでない人

相続した不動産の登記手続きを代行してほしい人

・相続人間で揉めている人

 弁護士に依頼

・相続税の申告手続きの代行をしてほしい人

 税理士に依頼

司法書士事務所の中には、相続人の代理人として相続手続き全般を代行できるところもあります。

他の相続人と揉めていないのであれば、司法書士に依頼するのもおすすめです。

税理士【遺産総額の0.5~1.0%】

税の専門家である税理士に依頼すると、手続き代行費用相場は遺産総額の0.5〜1.0%となります。

遺産総額が大きくなるほど財産の調査や計算が複雑になるため、遺産総額に応じた報酬形態にしている税理士がほとんどです。

税理士に相続手続きを依頼するメリット・デメリットは、以下の通りです。

税理士に相続手続き代行を依頼するメリット・デメリット

メリット

・相続税の計算や申告の代行をしてくれる

デメリット

・税理士の報酬は自由化されているため、費用相場より高くなることがある

 事前に見積もりを取り寄せて費用相場とかけ離れていないか確認する

税理士に相続手続き代行を依頼するのがおすすめな人・おすすめでない人は、以下の通りです。

税理士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめな人

税理士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめでない人

・相続税の計算や申告を代行してほしい人

・特別控除や特例を有効活用して節税したい人

・相続放棄したい人

・相続人間で揉めている人

 弁護士に依頼

・不動産の名義変更をしたい人

 司法書士に依頼

・自動車の名義変更をしたい人

 行政書士に依頼

行政書士【数万円~】

行政書士に依頼すると、手続き代行費用相場は数万円〜となります。

行政書士とは、公的書類を作成する専門家です。

必要書類の取得や書類作成、自動車や有価証券の名義変更手続き、預貯金の解約払い戻しを代行してもらいたい場合に依頼しましょう。

行政書士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめな人

行政書士に相続手続き代行を

依頼するのがおすすめでない人

以下の手続きを代行してほしい人

・必要書類の取得

・書類作成

自動車や有価証券の名義変更

・預貯金の解約払い戻し手続き

・相続放棄したい人

・相続人間で揉めている人

 弁護士に依頼

・不動産の名義変更をしたい人

 司法書に依頼

・相続税の申告手続きの代行をしてほしい人

 税理士に依頼

なお、相続手続きを代行してもらうメリットや代行依頼先の選び方については以下の記事で詳しくご説明しているので、ご覧いただければと思います。

相続手続きは時間と労力を考えると代行してもらうのも手

「相続手続きを代行してもらうならこの専門家に依頼しようかな…」と思っても、自分で手続きできるものを高い費用を払ってまで代行してもらっていいものか決めかねている方は多いのではないでしょうか。

しかし、相続手続きは時間と労力を考えると、専門家に代行してもらうのは非常に有効な手です。

相続手続きの代行を利用するのがおすすめである理由は以下の4つなので、詳しくご紹介します。

相続手続きの代行を利用するのがおすすめである理由
① 家族が亡くなって精神的に疲弊している
② 仕事と相続手続きを両立するのは難しい
③ 相続手続きは複雑で専門性が高い
④ 二次相続で起こり得る相続トラブルを回避できる

家族が亡くなって精神的に疲弊している

相続手続きは、家族が亡くなって精神的に疲弊している時に行わなければなりません。

亡くなった方が身近な存在であればあるほど、深い悲しみから立ち直れなくて食欲は失せ、夜は眠れず、何をしていても気付けばぼんやりしてしまうこともあるでしょう。

そんな時に遺産分割や相続税について考えるのは、精神的・身体的に負担が大きいものです。

相続手続きには期限があるため、費用をかけてでも専門家に代行してもらって、故人を偲びながら自分自身を労わりましょう。

仕事と相続手続きを両立するのは難しい

現役世代の方にとって、仕事と相続手続きを両立するのは難しいものです。

現場の人手が足らなくて仕事量は増え続け、働き方改革が進んでも、なお忙しい日々を過ごしている方は少なくありません。

そんな中ではお通夜や告別式のために平日の休みを取得するのが精一杯で、相続手続きのためにまで休みを申請するのは難しく感じる方もいらっしゃるはずです。

費用はかかっても、専門家に代行してもらえば大切な仕事を休まずにすむので、利用してみましょう。

相続手続きは複雑で専門性が高い

相続手続きは非常に複雑で専門性が高いので、すべて自分でするのは大変です。

生涯でそう何度も経験することではないため、自分で相続手続きを進めていると、途中何度も本当に間違っていないのか不安が付きまとうことでしょう。

相続手続きを間違えるとやり直しになってさらに時間と労力がかかるだけでなく、期限に間に合わなければ相続税を必要以上に支払うなどのペナルティが課されます。

専門家に代行を依頼すれば、期限に間に合うように正確に手続きしてもらうことが可能です。

二次相続で起こり得る相続トラブルを回避できる

専門家に代行してもらえば今回の相続手続きをスムーズに行うだけでなく、二次相続で起こり得るトラブルまで回避できます。

特に両親のうちどちらかが亡くなった場合(一次相続)は、遺産の大部分を夫もしくは妻が相続するため、揉めるケースは少ないものです。

しかし、残された親が亡くなって子どもに相続する時(二次相続)に揉める可能性はぐんと高くなります。

一次相続が起きた時点で専門家に相談しておけば、遺言書の作成などのアドバイスがもらえるので、将来的なトラブルを回避できるでしょう。

相続をスムーズに進めるなら弁護士法人サリュにご相談を

相続手続きの代行依頼先として弁護士以外の選択肢もありますが、相続手続き全般の代行ができる弁護士に任せたいと思った方にぜひご相談いただきたいのが、相続に強い「弁護士法人サリュ」です。

当事務所は全国に10か所の事務所のネットワークがあり、税理士や司法書士と連携しながら相続手続きを一括サポートさせてただくことができます。

当事務所がおすすめである理由は以下の3つなので、詳しくご紹介します。

弁護士法人サリュの相続手続がおすすめである理由
① 不動産の名義変更から預貯金の解約までトータルサポート
② 弁護士とリーガルスタッフのダブル体制でご依頼者様をサポートする
③ 相続人全員で弁護士費用を負担できる

不動産の名義変更から預貯金の解約までトータルサポート

当事務所にはこれまで相続に関する2,800件超のお問合せをいただいており、その中には、紛争性のある事案もあれば、紛争性がない事案もあります。紛争性がない事案として、例えば、相続人全員から依頼を受けて名義変更などの依頼をお手伝いさせていただく遺産整理業務(遺産承継業務)もお受けしております。

【遺産承継業務の内容】

  • 相続関係図作成
  • 財産目録の作成
  • 遺産分割協議書の作成
  • 名義変更(不動産・預貯金・有価証券)
  • 相続人への配当

弁護士は、他の士業に比べて、財産管理業務を裁判所から任されるケースが多く、中立な立ち場での財産管理業務に精通しております。

「誰に依頼したらいいのかよく分からない」「とりあえず話を聞いてみたい」という方も、ぜひ当事務所にご相談ください。

当事務所にお任せいただければ、連携している相続に強い税理士や司法書士との一括サポートや、各種アドバイスをさせていただくことも可能です。あなたのお役に立つため、どのような悩みでも、お気軽にご質問ください。

弁護士とリーガルスタッフがダブルで担当になる

当事務所では、ご依頼者様に対して弁護士だけでなく相続知識のあるリーガルスタッフもダブル担当させていただいております。

なぜなら、相続手続き中には「弁護士に話すほどではないけれど、ちょっと確認したい」というようなことがよく発生するからです。

そんな時に弁護士しかご依頼者様の案件を把握していない状況だと、出張や打ち合わせが多い弁護士の手が空くまで回答を待たなければなりません。

しかし、ダブル担当ならリーガルスタッフは弁護士資格こそないものの、市役所などの手続きについて、納得のいく回答をすぐに得られます

弁護士と話すのは緊張してしまうという方時間をたっぷり使って丁寧に説明してほしい方にも、この担当が二人いる状態はご好評いただいていて、ご依頼者様が納得いく相続手続きを進めるお役に立ちます。

相続人全員で弁護士費用を負担できる。

弁護士法人サリュは、遺産整理業務の報酬を遺産全体の1%(最低:55万円)と設定しており、この金額を、相続人全員で分割して負担いただくプランを用意しております。

弁護士費用は、特定の相続人の1人が負担するというルールは、紛争性のある交渉事件や調停事件についてのルールです。遺産承継業務とは、紛争姓がない事案で、手続きのみを中立的な専門家が間に入り、遺産整理を進めていく業務です。この場合、中立性を維持するために、相続人全員から費用をいただくことになり、1人あたりのご負担額が安くなります。

初回の相談は無料で承っております。

事務所まで足を運んでいただかなくてすむオンライン相談も実施しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

スムーズな相続手続きができるように、全力を尽くします。

相続は弁護士へ

無料相談のご予約

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まとめ

この記事では、相続手続きの費用について詳しくご説明させていただきました。

最後に記事の内容をまとめてみると、自分で相続手続きをする場合は約3,000円~の費用相場で済ますことが可能です。

どんな状況の方であっても相続手続きに必要となる書類は、以下の6種類です。

自分で相続手続きをする時に必ず必要な書類とその費用

 ① 相続人全員の戸籍謄本1通450円
 ② 被相続人(故人)の除籍謄本1通750円
 ③ 相続人の戸籍の附表1通300円
 ④ 相続人全員の印鑑登録証明書1通300円~400円
 ⑤ 相続人の住民票1通300円~400円
 ⑥ 被相続人(故人)の住民票除票1通300円または350円
 計 約3,000円~

相続が発生してから手続きが完了するまでの流れは以下のようになっていて、タイミング別に必要となる費用が発生します。

タイミング

手続き内容

 

自分で手続きする場合

すぐ

遺言書の有無の確認

遺言書がない・

公正証書遺言がある場合

なし

自筆証書遺言・

秘密証書遺言がある場合

検認手続き費用に950

3か月以内

相続人の調査

必要書類取得費用に約3,000

相続財産の調査

なし

相続放棄

相続放棄申述書作成費用に2,350円程度

4か月以内

準確定申告

なし

 

10か月以内

遺産分割協議

なし

名義変更

預貯金

なし

株・証券

貴金属・骨董金

不動産

固定資産税評価額×0.4%登録免許税

例:不動産・固定資産評価額が1,000万円の土地を相続登記した場合は、45,000円~

自動車

3,000円

相続税申告

なし

自分ですべての手続きをするのは非常に大変なので、以下の代行依頼先と費用相場を参考にしてみてください。

相続手続き代行の依頼先と費用相場

銀行100万円~
弁護士10万円~数十万円
司法書士数万円~数十万円
税理士遺産総額の0.5~1.0%
行政書士数万円~

以下のように代行依頼先によって依頼できる内容が異なるので、注意しましょう。

相続手続きの代行依頼先の費用相場と依頼できる内容

相続手続き内容

銀行

弁護士

司法書士

税理士

行政書士

・遺言検認の申し立て

(※3)

×

×

・法定相続人の調査・確定作業

・相続財産の調査

(※4)

・相続放棄の申し立て(3か月以内)

(※4)

×

×

・相続人間の紛争解決

(※5)

×

×

・遺産分割協議書の作成

(※3)

(※6)

・預貯金の解約払い戻し

・有価証券の名義変更

・不動産の名義変更

(※1)

×

×

・自動車の名義変更

×

×

×

・相続税の申告(10か月以内)

(※2)

×

×

※1 司法書士に任せるケースが多い

※2 国税局長に税理士業務を行う旨の通知をした弁護士は可能

※3 遺産に不動産が含まれている場合に限る

※4 代理申請はできない

※5 認定司法書士に限り、140万円以下の遺留分侵害額請求に関する対応等は可能

※6 相続税が発生する場合に限る

相続手続きの代行を利用するのがおすすめである理由は、以下の4つです。

相続手続きの代行を利用するのがおすすめである理由
① 家族が亡くなって精神的に疲弊している
② 仕事と相続手続きを両立するのは難しい
③ 相続手続きは複雑で専門性が高い
➃ 二次相続で起こり得る相続トラブルを回避できる

相続手続きをスムーズに進めるなら、相続に強い弁護士法人サリュにぜひご相談ください。

全国10事務所あって実績豊富な当事務所は問題が立ちはだかっている場合であってもご依頼者様の立場に寄り添って遺産の公平な分割案を提案して、早期解決を実現します。

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