弁護士過疎地「萩」へ

 サリュの歴史は、維新胎動の町として知られる山口県萩市から始まりました。
 創業者の谷清司が萩の地に誘われた平成10年当時は、地方での弁護士過疎化が社会的な課題でした。萩市も裁判所の支部があるにもかかわらず、26年間弁護士不在の町でした。
 「どうして、弁護士がこぞって都会に出てしまうのか。地元の人々を助けないのか。」
 大都市に集まり、大企業におもねる弁護士の心性に納得がいかなかったのです。
 谷は大阪生まれの大阪育ち。しかし大阪には十分な数の弁護士がいる。
 「誰もいないなら、私が萩の人々を助けよう」と、大阪の事務所を退職して萩に赴任することを決意し、「谷法律事務所」を開業したのです。それは、日弁連が公設事務所を作るよりも前のことでした。

想像を超える数の相談件数を、すぐに聞く体制づくり

 萩でのスタート。たったひとりの弁護士。
それは、無医村にきた医者のような存在で、谷の助けを必要としている人が、想像以上にたくさんいました。
 「小さな案件はとりあってもらえない」
 「相談するだけでも何ヵ月も待たされてしまう」
 萩だけでなく、それが弁護士過疎地の実情でした。
 しかし、谷は、事務スタッフを手間と時間をかけて育てることで、待たせることなくすぐに相談を聞く体制を作りました。これが、のちにサリュの「弁護士×リーガルスタッフ システム」確立へとつながり、他の法律事務所を凌ぐ強い力となっていったのです。

サリュの無料相談は、
「紹介制」「有料相談」への反発から生まれた

 紹介がないと相談を受けないというのが当時の法律事務所でした。また、初回から1時間いくらという相談料をとるのが一般的でした。しかし、谷は当時から無料で法律相談を受けていました。まだ具体的なお手伝いをする前の見積もり段階で、料金を請求するということに疑問を感じていたからです。
 萩にひとりしかいない弁護士だったこともあり、数多くの相談者が訪れ、さまざまな種類の依頼が舞い込んできました。リーガルスタッフと二人三脚という強い体制を作りあげていた谷法律事務所は、種類や規模を問わず「どんな依頼でも」引き受けました。その姿勢はいまもサリュに引き継がれており、豊富な経験に基づき、構成員一同、どんな事案にも臨機応変に、粘り強く取り組んでいます。

サリュは、萩が本店で銀座が支店

 「こんなに忙しいのに、なぜ弁護士が集まらないのか。」
 2004年、谷はより多くの優秀な人材と出会う必要性を強く感じ、「弁護士法人サリュ」を設立し、萩事務所を本店として、銀座に支店事務所を開設しました。
 どんなに忙しくても、萩市ではなかなか人材を集められませんでした。そこで、東京であれば、優秀な弁護士やスタッフを集められると考えたのです。地方都市では遅れがちな情報を、東京で得た知識で補っていこう、という思いもありました。

 東京で期待どおりに人が集まり始めました。若くて優秀な弁護士ももちろんですが、サリュの大きな特徴は、リーガルスタッフの優秀さです。従来の法律事務所では、弁護士以外の事務員はお茶くみやコピー、電話受けなどが主な仕事でしたが、サリュのリーガルスタッフは、弁護士と組んで案件をきりもりしていく起点になる存在です。
 東京で集めた優秀な人材が萩で活躍するようになり、それとともに法人の規模も少しずつ拡大してきました。そして今では、サリュは各地に事務所を構えるようになり、弁護士とスタッフの数も増えました。しかし、心はあの頃のまま。海と山に囲まれ、江戸時代の城下町の姿がそのまま残る美しい町「萩」の心象風景が、今もわたしたちの原点です。
 弁護士法人サリュは、谷法律事務所からの縁で、今も萩市の顧問弁護士を務めています。萩のような美しい土地でこの法人が興ったことは私たちの自慢であり、誇りです。

サリュが交通事故被害者救済に強いのは、
相手の戦略のすべてを知り尽くしているから

 大阪で損害保険会社側の弁護士として仕事をしていた頃、谷は、交通事故被害者が理不尽な制度に苦しめられている状況を何度も目の当たりにしてきました。
 現在サリュは、交通事故の被害者を救済する側として、年間2,000件程度の事件を扱っています。もともと保険会社側の弁護士をしていたため、相手の考え、動き、狙い、それらすべての戦略が裏の裏まで手にとるようにわかります。
 被害者にとって理不尽な現状を世間に知らせ、政治的な解決につなげようと、2010年、谷は幻冬舎から「ブラックトライアングル」を出版し、後遺障害の認定をめぐる損害保険料率算出機構の本質的問題等を告発しました。出版後、その本は反響を呼び、2015年12月には、現代表の平岡が、前巻では書ききれなかったことを記した「虚像のトライアングル」を出版しました。

 いま、交通事故被害者救済の専門家だと広告している法律事務所は数多くありますが、サリュほどあらゆる交通事故案件について深く知り尽くし、どんな依頼でも引き受ける法律事務所は他にはないと自負しています。そして、細かな調査や、粘り強い交渉力が要求される交通事故案件で培った力は、他の種類の案件でもサリュの強みとして活きています。
 サリュの最大の強みは「人」。わたしたちは、社会の矛盾と真剣に戦い、依頼者に徹底的に寄り沿う覚悟を持ち、最後まで諦めずに粘り強く取り組む姿勢を、創業当時からずっと変わらず持ち続けています。

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