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相続問題に関するよくある質問


 籍の入っていない内縁の妻にも相続権はありますか?
 民法では、内縁の妻には相続権がありません。
 しかし内縁の配偶者でも、全く相続人がいない場合には、
 特別縁故者制度により内縁の配偶者が財産を取得できる
 可能性があります。
 相続人がいる場合には、内縁の配偶者は保護されないのが
 原則ですが、解釈上いろいろな保護の方法が取られています。
 例えば、内縁の夫婦が居住していた借家(借主の名義は
 内縁の夫)について、内縁の夫の死亡後も、内縁の妻は、
 相続人が相続した借家権を援用することで、そのまま借家に
 住み続けることができるとする裁判例があります。
 ですから、内縁の妻には相続権がないということで、最初から
 保護をあきらめるのではなく、まずは弁護士に相談してみて
 ください。
 また、内縁の妻に財産を残してあげたいのであれば、内縁の
 夫が遺言書を作成し、内縁の妻に財産を遺贈することを
 お勧めします

 (遺言書については、こちらを参考にしてください。)

 他家の養子になった場合でも、実の両親の財産は相続できますか?
 民法では、「養子は、縁組の日から、養親の嫡出子たる身分を取得する」
 (民法第809条)とされており、養子は養親の財産を相続することができます。
 けれども、養子になることによって実の両親との関係がなくなるわけではありません。
 ですから、養子になった子であっても、依然として実親の相続人であり、
 実親の財産を相続することができます。
 もっとも、特別養子(民法817条の2以下)の場合、実の両親についての相続権は
 ありませんので、この点は注意しておいてください。
 特別養子縁組は実親及びその血族との親族関係を終了させる制度だからです。

 長年にわたって介護してきた夫の母が亡くなったのですが、私に相続権は
 ありますか?
 民法では、子の配偶者は相続人となっていません。
 したがって、妻は夫の親の法定相続人ではありません。
 また、被相続人の財産の維持または増加に貢献した相続人は、
 遺産分割にあたって法定相続分を超える額の遺産を取得することができる
 (寄与分)とされていますが、寄与分は相続人にのみ認められるものなので、
 子の配偶者が相続人でない以上、寄与分も認められないことになります。
 ですから、あなたが夫の母の財産を相続しようとするなら、あなたが夫の母と
 養子縁組をするか、夫の母に遺言書を作成してもらうことをお勧めします。
 
 現在お腹の中にいる赤ちゃんも夫の財産を相続することができますか?
 胎児は、相続については、すでに生まれたものとみなされます(民法第886条)。
 したがって、胎児にも相続権はあります。
 ですから、胎児に相続させる旨の遺言をすることも可能です。
 もっとも、出生前なので遺言書に胎児の名前を記載して胎児を特定することは
 できませんので、例えば、「妻○○の胎児に相続させる」というような記載で
 胎児を特定して遺言書を作成します。

 現在18歳ですが、未成年者でも遺言することができますか?
 未成年者でも、15歳に達した者は、遺言をすることができます
 (民法第961条)。

 ビデオで録画した遺言も有効ですか?
 遺言は原則として書面によらなければなりません。
 遺言書の作成方法としてよく利用されているのが、
 自筆証書遺言による方法と公正証書遺言による方法です。
 遺言書の作成方法については、こちらを参考にしてみて下さい。
 ビデオで録画した遺言やあるいはテープで録音した遺言は、
 変造される可能性が高いので、法律上遺言としての効力は
 認められないとされています。

 ワープロで作成した自筆証書遺言も有効ですか?
 自筆証書遺言に関しては、その全文を遺言者が自書しなければいけません。
 ですから、ワープロで作成した自筆証書遺言は無効です。
 なお、公正証書遺言の場合には、ワープロでの作成が認められています。
 遺言者本人が自分の意思で遺言したことが、公証人によって
 確認されたうえで作成されているからです。

 遺言書の中で妻への感謝の気持ちを記したいのですが、余分な記載の
 ある遺言書でも有効ですか?
 遺言書に余分な記載があったとしても、そのような記載は法律的には
 意味がないというだけであって、それによって遺言が無効になる
 というわけでありません。
 もっとも、そのような記載をすることによって遺言の内容が不明確になる
 場合は、遺言の効力自体が無効となるおそれもあります
 ですが、遺言者が遺言書の中で家族に対する感謝の気持ちを記したい
 というのであれば、それは遺言者や残される家族にとって、望ましいこと
 だともいえます。
 遺言書に余分な記載をすることによって、遺言の内容が不明確になる
 おそれがある場合は、遺言書の内容について法律上問題がないか
 どうか、弁護士に相談してみると良いでしょう


 日付が「平成18年4月吉日」となっている自筆証書遺言も有効ですか?
 自筆証書遺言は、その全文、日付及び氏名を遺言者本人が
 自書しなければいけません。
 そして、記載する日付は、その具体的な「日」まで特定できるもの
 であることが必要です。
 ですから、「平成18年4月吉日」と記載された遺言書は無効である
 とされています。
 遺言書には、「年月日」をしっかりと特定して記載しましょう。

 自筆の署名はあるのですが印鑑が押されていない遺言書は自筆証書遺言
 として有効ですか?
 遺言者の署名はあるものの押印がない英文の自筆遺言証書について、
 遺言者が帰化した人であること(押印する慣習のない欧米人であった)
 などの事情を考え、有効とした判例があります。
 しかし、民法の条文上、自筆証書遺言には押印が求められています。
 ですから、押印がなければ、ほとんどの場合において遺言は無効となる
 といえるでしょう。
 遺言書には印鑑を押し忘れないように十分注意しましょう

 印鑑の代わりに拇印が押されている遺言書も自筆証書遺言として
 有効ですか?
 印鑑の代わりに拇印が押された自筆証書遺言も有効である
 とするのが判例です。
 もっとも、後のトラブルを避けるためにも、民法の条文どおり、
 印鑑を押すのがよいでしょう。

 父が自筆証書遺言を作成したいのですが、父自身は高齢のため字を
 書くことができません。私が手を添えて作成した遺言書も有効ですか?
 自筆証書遺言は、その全文、日付及び氏名を遺言者本人が
 自書しなければいけません。
 これは、遺言書が遺言者本人によって作成されたか否かを
 筆跡から判断するためです。
 ですから、遺言者に手を添えて作成した遺言書の場合、筆跡からは
 その遺言書が真正に作成されたか否かを判断することが困難となり、
 遺言書が無効とされるおそれもあります。
 手を添えて作成された遺言書の全てが無効となるとは言えませんが、
 なるべく手を添えての作成は避けるべきといえます。
 遺言者が自書することが困難な場合、公正証書遺言ならば、公証人に
 自宅や病院まで来てもらって作成することもできますので、
 公正証書遺言の方法によるのがよいでしょう。

 公正証書遺言の証人には誰でもなれるのですか?
 公正証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いが
 必要となります(民法第969条第1号)。
 そして、以下の人は遺言の証人になることができません(民法第974条)。
 1)未成年者
 2)推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
 3)公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人
 また、証人は署名押印を求められますが、代筆は認めらませんので、
 署名のできない人は証人になれません。
 遺言執行者が証人になることは差し支えありませんが、遺言執行者の報酬が
 高額な場合は、実質的に受遺者にあたると考えられますので、
 証人になることは避けるべきでしょう。
 公正証書遺言の一番の問題点は、証人には秘密を保持する義務がなく、
 自筆証書遺言や秘密証書遺言のように秘密を維持することが難しい
 という点にあります。
 ですから、信頼できる者を証人とすべきといえるでしょう。
 
適当な証人が存しない場合は、弁護士が証人となることもできます。



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